【2017年】インタビュー閲覧数ランキングTop 10
2017年、academist Journaでは約30名の研究者にインタビューを実施してきました。本記事では、今年公開されたインタビュー記事のなかから、特に閲覧数の多かった記事上位10本をご紹介いたします。
1. 阪大・橋本幸士教授、超弦理論を語る。 – 世界を記述する数式はなぜ美しいのか
理論物理学者として数々の実績を残す傍ら、著書「超ひも理論をパパに習ってみた」や「超弦理論知覚化プロジェクト」、「TED×OsakaUでの講演」など、さまざまなアウトリーチ活動も手がけている大阪大学・橋本幸士教授。大学時代まで「物理学者という仕事があることを知らなかった」という橋本教授は、なぜ物理学を志し、超弦理論の分野を選んだのでしょうか。超弦理論の基本的なアイデアやその歴史を振りかえりながら、橋本教授の研究者像に迫ります。
2. 日本で見つかった首長竜「フタバスズキリュウ」の研究秘話 – 東京学芸大・佐藤たまき准教授に聞く
フタバスズキリュウは、今から50年近く前の1968年に、当時高校生だった鈴木直氏により福島県でその化石が発見された”国産”の首長竜です。長いあいだ科学的な検証が十分に行われず、正式な論文として発表されていませんでしたが、2006年に現・東京学芸大学の佐藤たまき准教授により論文化され、フタバスズキリュウが新属新種の首長竜として正式に記載されました。
3. ウミガメって、どんな一生を送っているの? – 東京大学大学院・木下千尋さんに聞く
「ウミガメ」と聞くと、テレビなどで観たその産卵風景などを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。私たちにとって身近な動物のように思えますが、ウミガメがどこで生まれ、どのように成長しているのかということは、実はあまり知られていません。ウミガメの青春時代の生態について研究に携わる東京大学大学院・木下千尋さんにお話を伺いました。
4. 科学史の研究って、どんなことをしているの? – 国立科学博物館・有賀暢迪研究員に聞く
科学史という研究分野をご存知でしょうか。言葉をそのまま解釈すると、科学と歴史を組み合わせた学問というように捉えることができます。しかしながら、科学という言葉には多様な意味が含まれており、また歴史を調べるにしてもいつからいつまでの出来事をどのように分析するのか等、考える余地が多すぎるように思えます。実際のところ、科学史研究はどのように進められているのでしょうか。国立科学博物館・有賀暢迪研究員に、科学史研究の基本的な考えかたや、実際の研究テーマに関してお話を伺いました。
5. 理研・初田哲男博士、原子核物理学について語る。「その瞬間は、手が震えました」
原子核物理学の分野でノーベル物理学者・湯川秀樹博士以来の問題を解き明かした理化学研究所 数理創造プログラム プログラムディレクターの初田哲男博士は「物理はひとつだということを、ひしひしと感じました。」と語ります。湯川博士の「中間子論」で幕を開けた原子核物理学。そこから70年の歳月を経て、ようやく一周したのではないかと初田博士は主張しています。これまでの原子核物理学の歩みと今後の方向性について、詳しくお話を伺いました。
6. 「出口は目指すが、やるのは基礎研究」 – 有機ELの先駆者、九大・安達千波矢教授
スマートフォンやVRゴーグル、テレビの素材として注目されはじめている「有機EL」。実は、初めて注目されたのは1950年代のことでしたが、1980年代後半の段階でも世界で5人程度の研究者しかいなかったそうです。30年前の状況から有機ELに注目し、研究開発に大きく貢献してきた九州大学・安達千波矢教授にお話を伺いました。
7. 「ロボットではなく、ロボットが成し遂げたことを見せろ!」- 東大・浦環名誉教授の研究哲学に迫る
日本の海中ロボット研究の第一人者である東京大学の浦環名誉教授は、30年にわたって自律型海中ロボットの研究開発を行い、約20台の先鋭的なロボットを世に送り出してきました。浦名誉教授はこれまでの経験を生かして、五島列島沖に沈む潜水艦を特定し、その現在の姿を明らかにする「伊58呂50特定プロジェクト」を主導しています。「Show your results!」をモットーに、これまでロボットを使ってさまざまな成果を残されてきた浦名誉教授の研究哲学を探るべく、お話を伺いました。
8. ノンコーディングRNAの研究から3Dプリンタの世界へ – 慶大先端生命科学研究所 ガリポン・ジョゼフィーヌ特任助教
慶應義塾大学先端生命科学研究所 ガリポン・ジョゼフィーヌ特任助教は、2次元の切片データから、ディープラーニングを用いて3Dデータを作成することで、顕微鏡のなかのミクロな世界を3Dプリンタで出力することに挑戦しています。しかし、もともとはRNAに関する「ウェット」な研究を行っていたというガリポン特任助教。RNAの実験とディープラーニングを活用した3Dプリンタの研究は、一見つながりがないようにも思えますが、ガリポン特任助教はいつ、そしてなぜ、3Dプリンタに興味を持ったのでしょうか。そして、3Dプリンタで実現したい世界とは、一体どのようなものなのでしょう。
9. 「生きているからこそ感じられる魅力を伝えたい」- 日本で唯一の深海生物に特化した「沼津港深海水族館」
巨大な眼や半透明な身体、するどい牙に、暗闇にキラリと光る発光器ーー。深海にすむ生物は、私たちの想像をはるかに超える興味深い形態と生態を持っています。沼津港深海水族館の石垣幸二館長は、「深海生物を生きたまま観察することでその生態に迫り、その姿をみることで深海生物に愛着を持ってほしい」との思いから、日本で唯一の深海生物に特化した水族館を運営しています。
10. 理論物理学者でギャンブラー? – 慶應大・村田助教がポーカー必勝法を語る
ブラックホール物理学の研究に勤しむ傍ら、毎年夏になるとギャンブラーとしてポーカーの世界大会に参加している慶應義塾大学・村田佳樹助教。理論物理学者がポーカーに熱中していると聞くと、一見、強そうなイメージを持つかもしれません。実際のところ、理論物理学とポーカーに接点はあるのでしょうか。村田助教とのポーカー対決を通じて、その実態に迫りました。
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academist Journalでは、来年もさまざまな研究者への取材に取り組んでいきます。「ぜひこの研究者に取材してほしい!」という要望がありましたら、お気軽にご連絡ください。
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