熱い思いとビジョンを持って研究に取り組むacademistのチャレンジャーのみなさん。クラウドファンディング(CF)の募集期間中に普段接する機会の少ない人々と積極的につながることで、研究を大きく展開させていく方も多くいます。

そこで今回は、2021年1月6日〜10月1日に公開となった21件のスポット型CFプロジェクトのうち、最も“academist的”だったプロジェクトを「academistアワード 2021」として選出しました。

受賞者

新倉雄一さん(城西国際大学 准教授)

CFプロジェクト

「卵巣は再生しない」というドグマを壊したい! 

選出理由

アカデミストでは、「研究者がいきる、私たちがつなぐ。」をコーポレートミッションに掲げ、国だけでなく、民間企業や財団、個人などさまざまなパトロネッジが可能となる仕組みをつくることで「開かれた学術業界」の実現を目指しています。

今回は、「“academist的”=さまざまな組織や個人とつながる活動に自ら積極的かつ継続的に取り組んでいること」と定義し、academist/academist Journal編集部で審査を実施しました。

academist、ひいてはCFプロジェクトの多くは、公開直後にチャレンジャー自身の知り合いである「1次のつながり」に声を掛け、サポートを依頼するところから始まります。しかし新倉さんは、1次のつながりによる支援がほとんど期待できない状況から、academist BarやClubhouse、Twitterといったさまざまなメディアを活用して、新倉さんのことを初めて知る「新規ファン」を増やすための活動に地道に取り組んでいったことで、目標金額100万円を達成することができました。

さらに、CF挑戦期間中に築いた人脈から、起業という選択肢があることを知り、現在では実際に起業に向けた準備を進めています。さらに、CF期間終了後も、継続的に研究活動の進捗状況をプロジェクトページやSNSを通じて発信しています。生殖医学の常識を覆す非常にチャレンジングなテーマという点も高い評価につながりました。

受賞コメント(academist忘年会の講演会より)

「1次のつながりからの支援が目標金額の3割を占める、さらにそれを1週間で達成しなければ、CFの成立が危うい」と言われていたなか、5週目くらいにようやく目標金額の3割を超えるという状況でした。しかし、Clubhouseで自分の研究内容について発信し続けたことで、劇的にサポーター数が増加。特に女性の新規ファンを獲得することができ、目標金額の達成につながりました。

さらに、切実に悩んでいらっしゃる方々の声を聞く機会を得たことで、ただ希望を与えただけで終わらせてしまうのは無責任と考え、将来的には、薬として届けることを目標に、Ovenusという会社の起業を決めました。同社のCFO、CSOもCFを通じて知りあった方です。このような機会をいただけて、大変ありがたく思っております。

新倉雄一さん(academist忘年会2021より)