【GWに読みたいおすすめプロジェクト】抗精神病薬の費用対効果/大阪湾の海底活断層探査/他個体の「意識内容」を再現する/形を書くだけでメロディを演奏!
2019年のゴールデンウィークは10連休! みなさんはどのように過ごす予定ですか? お出かけされる方、家で過ごす方などいろいろだと思いますが、ちょっとした空き時間を使って最先端の研究に触れてみてはいかがでしょうか? 今回は、ゴールデンウィークにじっくり読んでいただきたいおすすめクラウドファンディングプロジェクト4件をご紹介いたします。
抗精神病薬の費用対効果を評価する!
残り期間あとわずか、ラストスパートのプロジェクトです!
日本の精神科領域では多剤大量使用が常態化している現状もあり、薬の費用対効果評価はほとんど実施されてきていませんでした。今回のプロジェクトでは、患者さんが退院後に地域で生きがいを持って過ごせるようになる「地域移行」の達成を指標として抗精神病薬の費用対効果を評価することで、それぞれの「薬の真の価値」を示し、その価値に基づいた薬物治療の意思決定がなされることを目指しています。
チャレンジャーの村田篤信先生の連載もぜひあわせてご覧ください。
[第1回]統合失調症の薬(抗精神病薬)の効果と副作用
[第2回]「地域移行の達成」は、医療費抑制・適正化に貢献できる可能性が高い
[第3回] 抗精神病薬の単剤使用がなぜ重要なのか?
[第4回] 抗精神病薬の有用性を最も高めるアプローチ:再発予防
[第5回]抗精神病薬の有用性が持効性注射剤の導入によって高まる理由
地震を起こす海底活断層を、大阪湾全域で探査する!
「地震大国・日本に暮らしていることを一人ひとりが忘れないためにも、過去に起こった地震を読み取り適切に情報を発信することが、地球を相手にする研究者の使命である」との信念をもつ神戸大学の巽好幸教授は、2018年6月に発生した大阪府北部地震を契機に、日本有数の活断層帯である大阪湾の地下構造探査の実施を決意しました。今回のプロジェクトでは、大阪湾全域で海底地形と地下構造を探査し、直下型地震を引き起こす活断層の存在を把握するとともに、継続的に探査を実施することで断層の活動度を評価します。
巽先生のインタビュー記事をacademist Journalに掲載していますので、こちらもぜひご覧ください。
他個体の「意識内容」を細胞移植で再現できるか?
脳はどのように意識内容を生み出すか?という問いに、細胞レベルから迫る研究です。
りんごを見たときに感じる「赤さ」や、歯が痛むときの「ズキズキした感じ」——これらは「意識内容」と呼ばれます。意識内容は物質ではないものの、物質である脳から生み出されています。では物質である脳は、非物質である意識内容をどのように生み出すのでしょうか?
東京医科歯科大学の田中大介助教は、意識内容を科学的に同定するための理論的な方法となる「CHANCE法」の開発を進めています。CHANCE法は、細胞移植により特定の意識内容を生み出している神経基盤を複数の個体間で再現するものです。本プロジェクトでは、CHANCE法のコンセプトを実証するための基礎研究に対して支援を募ります。
メロディの「形」を描いて演奏するシステムを作りたい!
ピアノやギターが弾ける人だけでなく、誰もが気軽に自分のアイデアをメロディとして奏でることができたら、音楽の楽しみ方が広がると思いませんか? 本プロジェクトでは、遺伝的アルゴリズムという手法を活用することで、「形」を描くだけでメロディが演奏できるシステムの開発を進めています。
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academistでは、ほかにもさまざまなプロジェクトを掲載しています。ぜひ気になる研究や研究者を探してみてください!
この記事を書いた人
- academist journal編集部です。クラウドファンディングに関することやイベント情報などをお届けします。