【クラウドファンディング】精神科領域の適正な薬物治療を実現したい!

[第1回]統合失調症の薬(抗精神病薬)の効果と副作用
[第2回]「地域移行の達成」は、医療費抑制・適正化に貢献できる可能性が高い
[第3回] 抗精神病薬の単剤使用がなぜ重要なのか?
[第4回] 抗精神病薬の有用性を最も高めるアプローチ:再発予防
[第5回]抗精神病薬の有用性が持効性注射剤の導入によって高まる理由 

※以下に、お薬の効果と副作用について記載してありますが、自己判断での服薬は絶対に控えていただくようお願いします。現在多く使用されている非定型抗精神病薬は、今回お示しする副作用のリスクが低いことが知られております。

お薬は、一定量を飲むことで効き目を発揮することが期待できますが、そのぶん副作用の危険性が高まります。また、薬の効き目はどこかで頭打ちになるので、薬の量を増やしすぎないよう注意することが重要です。統合失調症の薬(抗精神病薬)を含め、精神科の薬でも同じことがいえます。

抗精神病薬を服用する重要性

抗精神病薬を飲んでいただくことで精神症状を楽にし、地域移行を達成した後も飲み続けていただくことで、症状のぶり返しを抑えることが期待できます。そのため、主治医や薬剤師をはじめ、患者さんに関わる多くのみなさまが、患者さんにこの薬を適切に使用して欲しいと思っています。

抗精神病薬の副作用と生活の質との関連

抗精神病薬の副作用としては、錐体外路症状がとくに有名です。この症状は、手の震えや歩行困難などの生活の質を悪化させる可能性が高まります。その一部について、実際の症状を紹介する動画がありますので、下記をご覧ください。


小刻み歩行


手の震え

食事などの日常動作や、仕事などの作業に悪影響が出ることは、容易に想像できると思われます。そのため、いかにして副作用と有効性とのバランスを考慮していくかということが重要になります。また、多くの医療従事者は、抗精神病薬が適正に使用されることを考え、薬物治療に関わっています。

今回挑戦しているクラウドファンディングを通じて、適正にお薬を使用することについて、みなさまと一緒に考えていきたいと思っています。

【クラウドファンディング】精神科領域の適正な薬物治療を実現したい!

[第1回]統合失調症の薬(抗精神病薬)の効果と副作用
[第2回]「地域移行の達成」は、医療費抑制・適正化に貢献できる可能性が高い
[第3回] 抗精神病薬の単剤使用がなぜ重要なのか?
[第4回] 抗精神病薬の有用性を最も高めるアプローチ:再発予防
[第5回]抗精神病薬の有用性が持効性注射剤の導入によって高まる理由 

この記事を書いた人

村田篤信
村田篤信
慧眞会協和病院薬剤科 精神科専門薬剤師
専門分野は、精神薬理学と薬剤経済学です。慧眞会協和病院薬剤科に勤務し、精神科専門薬剤師として業務を行っています。患者さんやご家族への、専門用語を避けたわかりやすい解説が得意です。出身は青森県八戸市で、01年東北薬科大学卒業後、03年大学大学院博士前期課程を修了、製薬会社研究員と大学教員などを経て現在に至ります。日本精神薬学会評議員、同学会学術委員、統合失調症薬物治療ガイド作成メンバー(日本神経精神薬理学会)。修士(薬学)。論文:日本病院薬剤師会雑誌 2018年7月号、Patient Prefer Adherence. 2012;6:863-9。著書:医薬ジャーナル 2017年12月号、BIO CLINICA 2018年8月号。