恐竜トーク炸裂! academistのリターン、恐竜カフェに行ってきた
こんにちは、academist編集部員のヤべべでございます。
昨年、小型恐竜「ラプトル」を研究する中国地質大学・黒須球子さんがacademistで「新種のラプトルに名前をつけたい!」というプロジェクトに挑戦し、目標金額を達成しました。
そして、リターンのひとつである「恐竜カフェ」が2016年5月7日〜8日に開催。支援者限定で開催された恐竜カフェでは、黒須さんのラプトルにかける思いや、研究内容について詳しく聞くことができました。恐竜好きによる恐竜好きのためのイベント……その様子をちょっとだけご紹介いたします!
恐竜カフェの会場は東京・高田馬場駅から5分程に位置する10°カフェ。開場時間前から参加者の皆さんが集合しておられるという熱々ぶりです。
恐竜カフェは、黒須さんの自己紹介を兼ねての研究紹介からはじまりました。
黒須さんの研究する「ドロマエオサウルス」は、映画「ジュラシック・ワールド」にも登場する、小型~中型サイズの肉食恐竜で「ラプトル」という名称で呼ばれることが多いそうです。鎌のように鋭い足の爪、棒状に固く伸びる尻尾を持ち、全身を羽毛に覆われた鳥のような生き物です。ドロマエオサウルスの化石は中国で発掘されることが多いため、黒須さんは中国地質大学(北京)で新種を発見すべく、日夜研究を行っています。
化石の発掘量が膨大な中国では、細かな化石には中々注目が集まらず、研究されていない未知の化石がたくさんあります。黒須さんはそういった小さな化石を一つひとつ分析し、標本の記載を進めていくことで新たな研究成果を出そうと奮闘しているそうです。
そしてお話は黒須さんが恐竜にハマったきっかけに遡ります。当時中学1年生だった黒須さんは近所の博物館で「内モンゴルツアー」という企画を見つけたそうです。これは参加しなければならない! と思った黒須さんは、お母さんに熱烈に交渉し、ツアー参加権を獲得。モンゴルでの恐竜発掘の体験を機に、恐竜にどっぷりハマってしまいました。研究者の道を歩むことを決めた黒須さんは、恐竜の研究が盛んな環境で研究するため中国の大学院へ進学し、羽毛恐竜の発掘をしていた研究者のもとで、恐竜研究に明け暮れることになります。ちなみに最初は中国語を全く喋れなかったそうで、初めて覚えた単語は’恐龙’(中国語で恐竜の意)だったそうです!
イベントの後半は参加者の皆さんとのフリートーク。全員が自分のイチオシ恐竜「推し竜」を紹介し、トークは大盛り上がり! 盛り上がりすぎて時間オーバーしてしまいました……。
今回の恐竜カフェでは、恐竜研究の今をわかりやすく丁寧に解説いただき、記事では紹介しきれないコアなお話もたくさん伺うことができました。また、恐竜についてまったく知らない方にもご参加いただき、敷居の高いと思われがちなアカデミアの世界を身近に感じる機会として、このような会が大きな可能性を持っていることも実感しました。
現在進行中のacademistプロジェクト「肺移植後の慢性拒絶反応をなくしたい!」「宇宙における星形成史を辿ってみたい!」「フタホシコオロギ食用化プロジェクト!」「愛は普遍なのか? ヒッタイトの楔形文字から探る!」の4つすべてにサイエンスカフェのリターンがあるようですので、興味のある方はぜひ支援してみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
- 2014年に専修大学経済学部に入学。ひょんなことからacademistのお手伝いをすることになったKIRIMIちゃん好きの現役大学生。趣味はサッカーと無駄知識を蓄えること。