アカデミストは、学術系クラウドファンディングサイト「academist(アカデミスト)」にて新規プロジェクト「統合失調症の鍵を握るタンパク質の構造に迫る!」を開始しました。

今回の挑戦者は、徳島大学先端酵素学研究所の加藤有介准教授です。加藤准教授は、統合失調症に関連するタンパク質「G72」の立体構造を理論的に解明するための研究を進めています。

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タンパク質「G72」の立体構造

統合失調症の薬は既に多種あるのですが、それらのほとんどは幻覚や被害妄想などの「陽性症状」に対する薬です。認知機能障害などの症状に対しては十分な治療法が確立しておらず、社会復帰が困難な患者さんが多数いらっしゃいます。

近年、統合失調症の発症には「G72」と呼ばれるタンパク質が深く関係することが明らかになりました。しかし、このタンパク質の働きは、まだ十分に明らかになっていません。その理由のひとつは、G72が水に溶けにくいため、結晶化させて立体構造を調べることが難しいからです。

そこで加藤准教授は、コンピュータを使った計算で、G72の立体構造を予測することは出来ないだろうかと考えました。計算科学的な手法で未知のタンパク質構造を予測する方法論はまだ確立していないため、はじめに構造予測手法の開発に取り組みました。その結果、計算手法が正しい立体構造を予測できることが分かり、2016年2月に最終目的である「G72」の構造予測に成功しました。

今回は、研究成果の概要をクラウドファンディングを通じて公開し、学会発表と論文化の資金を集めるチャレンジとなります。支援者の方々には、学会講演資料(3000円)やG72のマグカップ(5000円)、G72を3Dプリンターで再現したオリジナル模型(30000円)を受け取ることができます。

G72の模型
3Dプリンターで再現したオリジナル模型

【募集期間】2016年5月09日〜2016年6月30日
【支援サイト】academist(アカデミスト)