肺移植後の慢性拒絶反応をなくしたい!ードイツ再留学を決意した中桐研究員の挑戦
アカデミストは、学術系クラウドファンディングサイト「academist(アカデミスト)」にて、肺移植後の慢性拒絶反応をなくすことを目指した新規プロジェクトを開始しました。
チャレンジャーは、Hannover医科大学胸部心臓血管移植外科の中桐研究員です。中桐研究員は、呼吸器外科医のキャリアを順調に歩んでいたのにも関わらず、肺移植の抱える根本的な問題の解決を目指して研究者のキャリアを歩むことを決めました。
肺移植とは、病気により肺機能が極度に低下してしまった人たちに対して行われる治療です。肺移植の必要な患者さんは、普通の人が息を3分以上止めた状態と同じような酸素状態での生活を余儀なくされています。そのような患者さんにとっては、肺移植は最終手段であり唯一の救済方法でもあります。
しかし無事に手術を乗り越えても、術後5年の生存率は50%しかありません。この生存率に一番影響を与えているのが「肺移植後の慢性拒絶」です。慢性拒絶では、患者さんの肺の中の空気の通り道が詰まってしまうなど、移植した肺機能が徐々に低下してしまいます。
慢性拒絶をなくす研究は長年行われてきたのですが、動物の実験モデルが存在していなかったため、実際の医療に反映させる研究にはつながりませんでした。しかし近年、マウスの肺移植を行うためのテクニックが開発され、安定した慢性拒絶モデルを作れる可能性が出てきました。そこで中桐研究員は、このモデルをクラウドファンディングで集めた資金で作成し、将来的には人の肺移植の成績を向上を目指して研究を進めていきます。
【募集期間】2016年4月21日〜2016年6月21日
【支援サイト】academist(アカデミスト)
この記事を書いた人
- academist journal編集部です。クラウドファンディングに関することやイベント情報などをお届けします。