academistで約160万円の資金を獲得した京都大学白眉センター 榎戸輝揚 特定准教授、元・理化学研究所 湯浅孝行博士らの研究グループは11月23日、雷が大気中で原子核反応(光核反応)を起こすことを突き止めたとする論文を、英国学術誌『Nature』にて発表しました。

榎戸博士と湯浅博士は2015年、「カミナリ雲からの謎のガンマ線ビームを追え!」というテーマ(雷雲プロジェクト)でacademistに挑戦し、約160万円の支援を獲得しました。

この資金がきっかけとなり雷雲プロジェクトの研究が進んだことで、研究グループは今回、2017年2月6日に新潟県柏崎市で発生した雷から、強烈なガンマ線のバースト放射を検出することに成功しました。このガンマ線のバースト放射から35秒ほど遅れて、陽電子と電子の対消滅により発生する0.511MeVガンマ線も検出されたことから、研究グループは、雷による光核反応が起こったものと考察しています。

研究グループのメンバー。左から、東京大学大学院理学系研究科 中澤知洋講師、同博士課程 古田禄大氏、同博士課程 和田有希氏、京都大学白眉センター 榎戸輝揚特定准教授

今回の研究成果の詳細については、京都大学のプレスリリースをご覧ください。また、榎戸博士・湯浅博士よりacademistおよびacademist Journalにてご報告いただきます。なお、academist Journalでは論文の筆頭著者である榎戸博士のインタビュー記事も掲載しています。ぜひご覧ください。

関連リンク

プレスリリース

星の死後にできた中性子星の謎とは? – 雷雲プロジェクトの立役者、京大・榎戸輝揚特定准教授に聞く

論文

academistプロジェクトページ「カミナリ雲からの謎のガンマ線ビームを追え!」

市民参加型の研究を目指した「雷雲プロジェクト」の野望