先日、「宇宙における星形成史を辿ってみたい!」のリターンのひとつであるサイエンスカフェ(第1回)が清里清泉寮にて開催されました。

風景
清泉寮からの景色。子どもたちはポケモンGOに勤しんでいます

当日は、

  1. 研究テーマの天文学における位置づけ
  2. 研究テーマの星形成分野における位置づけ
  3. BISTROプロジェクト
  4. BISTROの次に向けて

という流れで、2時間(講演90分+質疑応答30分)に渡り星形成の話題で盛り上がりました。

表紙
大学院時代に会場付近にあるノベヤマ(野辺山天文台)で研究をしていた古屋先生。新しい技術を持ちこむことで誰も観ていない宇宙の姿に迫ることができた経験が、研究動機のひとつになっているそうです

前半は、「星形成のプロセスは四国を1cmのビー玉にするプロセスである」という例えからはじまり、星形成に関する基礎知識と研究の課題について詳しくお話しいただきました。以前の一般公開セミナーでもお話されていましたが、可視光線では暗くて見えない空間にも、電波で観測すればそこに分子雲があることを確認できます。分子雲を構成する分子や化合物の種類を明らかにするには、分光化学の技術が必要になるため、その際には分光化学者と一緒に研究を進めているようです。

H2H2H2
分子雲はほとんどが水素分子から構成されているが、ごくまれに一酸化炭素などの分子が存在する

後半では、BISTROプロジェクトの目的と現状についてご説明いただきました。1990年代にサブミリ波天文学の基盤形成をした James Clerk Maxwell TelescopeCaltech Submillimeter Observatory、2000年代にパラボラアンテナ6台を結合してひとつの望遠鏡として利用した Smithsonian Astrophysical Observatory、そして2010年代に64台を結合させたAtacama Large Millimeter/submillimeter Array (ALMA)の歴史を整理するなかで、どうしてBISTROプロジェクトではJCMTを使うのか?ということについて、明快に解説いただきました。

BISTROプロジェクトのサイエンスカフェですが、第2回は11月6日(日)に東京で、第3回は2017年冬(詳細調整中)に徳島で開催予定です。

これからのBISTROの活動に、ぜひご注目ください。

参考記事

天文学者が明らかにしたい究極の問いとは? – 徳島大学・古屋准教授の一般公開セミナー潜入レポート

この記事を書いた人

柴藤 亮介

アカデミスト株式会社代表取締役。2013年3月に首都大学東京博士後期課程を単位取得退学。研究アイデアや魅力を共有することで、資金や人材、情報を集め、研究が発展する世界観を実現するために、2014年4月に日本初の学術系クラウドファンディングサイト「academist」をリリースした。大学院時代は、原子核理論研究室に在籍して、極低温原子気体を用いた量子多体問題の研究に取り組んだ。