こんにちは!アカデミストの柴藤です。昨年にひきつづき、世界の学術系クラウドファンディングサイトTop5を紹介していきます。今年で6年目となりました。ついに academist が……!

第1位:Experiment@アメリカ(2291プロジェクト:前年+101件)

プロジェクト総数も前年とのプロジェクト数の差分もExperimentがトップとなりました。2015〜16年の黎明期に比べるとプロジェクトの公開ペースは落ちています。今年の春から夏にかけてはプロジェクトが公開されていませんでしたが、秋以降は少しずつプロジェクト数が戻ってきており、現在は15プロジェクトが稼働している状況です。

第2位:academist@日本(182プロジェクト:前年+41件)

Sciencestarterを抜き、第2位となりました。とはいえ、日本国内に55万人の研究者・大学院生がいることを思うとまだまだニッチなサービスであることには変わりません。ひとりでも多くの研究者・大学院生に使っていただけるように、来年もサービスの発展を目指していきます。

第3位:Sciencestarter@ドイツ(150プロジェクト:前年+2件)


今年は公開プロジェクト数が少なかったこともあり、昨年のランキングから academist と順位が逆転しました。何があったのでしょうか……。ドイツ在住の研究者の方で学術系クラウドファンディング事情に詳しい方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えていただけるとありがたいです。

第4位:CROWDSCIENCE@イギリス(60プロジェクト:前年+3件)

昨年と同様にCROWDSCIENCEがランクイン。プロジェクト掲載のペースはそこまで速くないみたいです。なお支援募集中のASMRNet のプロジェクトはチャレンジ期間が半年と長め(平均1〜2ヶ月)に設定されています。

第5位:Bluebacks Outreach@日本(12プロジェクト:前年+4件)

昨年公開された Bluebacks Outreach では、研究のアウトリーチに関するプロジェクトが少しずつ増えています。クラウドファンディングで成功したプロジェクトをブルーバックスで書籍化できると面白くなりそうです。

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学術系クラウドファンディングサイトの運営会社・団体は世界的に見ても少なく、ここ数年はサイトの数も増えてきていません。サイトを立ち上げたとしても資金・人員が不足してしまうため、収益性の高い事業とあわせて運営したり、複数者で協働したりする等の工夫が必要になりそうです。当社でも新規事業を仕込んでいますので、ぜひ来年もご注目いただければと思います!

この記事を書いた人

柴藤 亮介
柴藤 亮介
アカデミスト株式会社代表取締役。2013年3月に首都大学東京博士後期課程を単位取得退学。研究アイデアや魅力を共有することで、資金や人材、情報を集め、研究が発展する世界観を実現するために、2014年4月に日本初の学術系クラウドファンディングサイト「academist」をリリースした。大学院時代は、原子核理論研究室に在籍して、極低温原子気体を用いた量子多体問題の研究に取り組んだ。