肺移植後の慢性拒絶反応をなくしたい!」で目標金額を達成した、Hannover医科大学の中桐研究員によるサイエンスカフェが、8月19日(金)、20日(土)に大阪にて開催されました!

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肺移植の基本的な説明をする中桐先生

当日は、「肺移植の現状と課題 ー現在の研究内容と位置づけ」というタイトルで、1時間近くに渡る講演が行われました。

講演は、

1.世界の肺移植と日本の肺移植の現状比較
・日本では片肺移植が、日本以外では両肺移植が多いこと
・日本では脳死ドナー1人辺りの移植臓器数が5〜6個と日本以外と比較して多いこと

2.日本における肺移植の課題
・社会・医療サイド:ドナー不足、医師不足、システムの問題
・患者サイド:感染対策、急性拒絶、慢性拒絶

また、自己免疫と獲得免疫の違いについても詳しくお話いただきました。私たちは「免疫」という言葉をよく聞くのですが、20年前くらいから構築されてきた新しい学問分野であるとのことです。

3.肺移植後慢性拒絶モデル
・慢性拒絶:線維芽細胞の増殖による細気管支の閉塞であること
・慢性拒絶の症状の定義が難しいこと
・慢性拒絶になる原因が免疫関連/非免疫関連の両面から考えられること

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細気管支が線維芽細胞により埋められている様子

4.肺移植後の研究
・汎用性があり安定した慢性拒絶モデルがないこと
・現在、マウス肺移植後の慢性拒絶モデルを作るために奮闘していること

という流れで、肺移植研究の概要について、中桐先生の研究と絡めてわかりやすくお話していただきました。

自己免疫と獲得免疫の違いの説明する中桐先生

講演の後には、実際にご支援いただいたサポーターの方々(大学の先生や経営者、会社員など)による活発な質疑応答が行われました。

今回日本のお盆の時期に合わせて一時帰国されていた中桐先生ですが、今週からはドイツに戻り、研究活動を再開されるようです。今後の研究にも、引き続きご注目ください!

 

この記事を書いた人

柴藤 亮介

アカデミスト株式会社代表取締役。2013年3月に首都大学東京博士後期課程を単位取得退学。研究アイデアや魅力を共有することで、資金や人材、情報を集め、研究が発展する世界観を実現するために、2014年4月に日本初の学術系クラウドファンディングサイト「academist」をリリースした。大学院時代は、原子核理論研究室に在籍して、極低温原子気体を用いた量子多体問題の研究に取り組んだ。