ここ数年で、大学が独自のクラウドファンディング(CF)サイトを持つ流れが世界的に出てきており、2〜3年後には日本でも同じような流れが起こると予想されます。本稿では、現状を把握するために、世界の大学特化型CFサイトをプロジェクト数ごとに整理してみました。

第1位:Michigan Technological University@アメリカ(74プロジェクト)

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第1位はMichigan Technological Universityの寄付型CFサイト「Superior Ideas」です。学内の大学院生・大学生を中心に運営している様子。目標金額の達成率は約16%と低めですが、研究の傍ら自前でサイトを構築し、これだけのプロジェクトをリリースしていることに驚きです。

第2位:University of York@イギリス(64プロジェクト)

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第2位はイギリスのUniversity of Yorkの「YuStart」です。hubbubが提供するクラウドファンディング・プラットフォームを利用しています。All-or-Nothing型で、達成率は80%を超えているようです。

第3位:McGill University@カナダ(35プロジェクト)

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アメリカ、イギリスに続いて、第3位はカナダのMcGill Universityが運営する「Seeds of Change」。流通総額は約37万ドルで、独自サイトを構築した上で運営されています。信念を持って運営されていている様子が伝わってきます。

第4位:Missouri State University@アメリカ(27プロジェクト)

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Missouri State Universityが第4位です。CrowdItと連携してプラットフォームを構築しています。

第5位:University of Texas, San Antonio@アメリカ(24プロジェクト)

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第5位は、University of Texas, San Antonioの「Launch UTSA」です。ScaleFunderを利用しています。

別の記事で紹介した「世界の学術系クラウドファンディングサイトTOP5!」では、研究を進めるためのプロジェクトが主でしたが、以上のサイトは「大学特化型」であるため、学生の教育活動、ボランティア活動、部活動など、大学発のさまざまなプロジェクトが起案されていることが特徴です。

日本でも、日本で初めての大学特化型CFサイト「筑波フューチャーファンディング」の前例が出るなど、少しずつ各大学への導入が進んでいます。今後の展開にぜひご注目ください!

(おまけ)第6位以降もご紹介します!

来年のランキングは、また違う視点からご紹介できればと思います。それでは、良いお年を!

この記事を書いた人

柴藤 亮介
柴藤 亮介
アカデミスト株式会社代表取締役。2013年3月に首都大学東京博士後期課程を単位取得退学。研究アイデアや魅力を共有することで、資金や人材、情報を集め、研究が発展する世界観を実現するために、2014年4月に日本初の学術系クラウドファンディングサイト「academist」をリリースした。大学院時代は、原子核理論研究室に在籍して、極低温原子気体を用いた量子多体問題の研究に取り組んだ。