地方の大学から研究を盛り上げる! – 未来の博士たちによる3分プレゼン大会
こんにちは、アカデミストの柴藤です。今回は、11月1日(日)にリーガロイヤル広島にて開催された「未来博士3分間コンペティション2015」のレポート記事をお届けします。
「未来博士3分間コンペティション2015」とは、広島大学、山口大学、岡山大学など中国地方の大学で研究を進める37名の博士後期課程の大学院生が、自身の研究の魅力を3分で一般の人たちにアピールするイベントです。
開会式を終えた後、早速「3分プレゼン」がはじまりました。通常のプレゼンテーションでは、発表内容をわかりやすくまとめたプレゼンシートを使うため、発表者はおおまかな話の流れを頭にいれておけば、流暢に話を進めることができます。しかし、今回のコンペティションでは、スライドは1枚しか使えません。
これはなかなか難しそうだと思いながら発表を聞いていたのですが、どの発表者も途中で詰まることはほとんどなく、ご自身の研究内容を見事にアピールされていました。総勢37名のなかから選ばれた最優秀賞は、「健康はシロアリから学べ!」というタイトルで発表されていた鳥取大学大学院連合農学研究科の田﨑英祐さんでした。一般的には、産卵数が多い生き物ほど寿命が短くなるらしいのですが、シロアリは産卵数も多く、約80年と寿命も長いそうです。将来的には、少子高齢化の日本が抱える問題の解決に結び付けていきたいと語っていました。
また、昼食後には、高校生と大学生によるポスター発表がビルの一角(!)で行われました。発表時間が短く、全ての発表を聞くことはできませんでしたが、学年や分野を超えて活発に議論がされていたように思います。
ポスター発表の後には、大学院を出た後のキャリアをテーマとしたパネルディスカッションが開催されました。ここでは私も登壇させていただき、事前アンケートで集められた質問事項に答える形で、約1時間にわたる議論を行いました。(ありがたいことに、academistを紹介する「3分プレゼン」の時間もいただけました!)
アンケートでは博士後期課程の方々の抱える悩みとして
- 生活費や研究費の心配
- 就職先の心配
- 研究で詰まるときの対処法
が挙げられていました。個別の経験はあくまでも特殊な事例なので、参考にはなるかは微妙ですが、「こういう選択肢もありなんだ!」ということを知ることが重要ではないかと思います。長沼毅さんのモデレーターとしての手腕が素晴らしく、終始笑いの絶えない、楽しく有意義なパネルディスカッションでした。
この記事を書いた人
- アカデミスト株式会社代表取締役。2013年3月に首都大学東京博士後期課程を単位取得退学。研究アイデアや魅力を共有することで、資金や人材、情報を集め、研究が発展する世界観を実現するために、2014年4月に日本初の学術系クラウドファンディングサイト「academist」をリリースした。大学院時代は、原子核理論研究室に在籍して、極低温原子気体を用いた量子多体問題の研究に取り組んだ。