昨年に引き続き、今年も世界の学術系クラウドファンディングサイトTOP5をご紹介します。(プロジェクト公開数などを指標として、独自の視点で順位付けいたしました。)

第1位:Experiment@アメリカ(1644プロジェクト)


昨年からプロジェクトが800件以上増えているなど、Experimentは今年も絶好調だったようです。ブッチギリの1位です。今年から各種数値を公開しているようですので、そちらも掲載しておきます。

資金調達に成功した案件数は全体の47.1%、プロジェクトサイズが$4,325(約50万円)とのことですので、2016年でだいたい2億円近くのの研究費が研究者に届けられたことになります。これでも科研費の0.1%です。

第2位:Pozible@オーストラリア(約130プロジェクト)

Pozibleは学術系に特化したクラウドファンディングではないのですが、そのなかのResearchカテゴリで約130件の研究プロジェクトが掲載されています。昨年末に立ち上げられていたオーストラリア発の「Fund Science」は、残念ながら閉鎖されてしまったようです。

第3位:Science starter@ドイツ(90プロジェクト)

ドイツ初の学術系クラウドファンディングサイトです。今年からStartnextというサイトの内部でサービスを展開するようになりました。これまではドイツ語のみだったのですが、現在では英語/ドイツ語の二ヶ国語対応しています。

第4位:academist@日本(37プロジェクト)

昨年からひとつ順位を上げて、academistは今年は第4位です。資金調達に成功した案件数は全体の約80%、プロジェクトサイズも80万円程度と、着実に研究者のみなさんに研究費をお渡しできています。来年末までには、Science starterを抜いて第3位に浮上したいところです。

第5位……といきたいところではあるのですが、学術系クラウドファンディングサイトを運営する団体が他に見当たりませんでした。オーストラリアの「Fund Science」をはじめ、スペインの「I LOVE SCIENCE」、イギリスの「WALACEA」の復帰もあるかなと思っていたのですが、未だサイトは閉鎖中。見逃しているサイトもあると思うので、もしあればぜひご連絡ください!

この記事を書いた人

柴藤 亮介
柴藤 亮介
アカデミスト株式会社代表取締役。2013年3月に首都大学東京博士後期課程を単位取得退学。研究アイデアや魅力を共有することで、資金や人材、情報を集め、研究が発展する世界観を実現するために、2014年4月に日本初の学術系クラウドファンディングサイト「academist」をリリースした。大学院時代は、原子核理論研究室に在籍して、極低温原子気体を用いた量子多体問題の研究に取り組んだ。