「なぜ世界にはいろいろな言語があるのだろうか?」- 歴史言語学者によるプロジェクト始動!
10月13日、学術系クラウドファンディングサイトacademistにて歴史言語学のプロジェクトを開始しました。
本プロジェクトのチャレンジャーは、国立民族学博物館・総合研究大学院大学の菊澤律子准教授です。菊澤先生は、ことばが変わっていくときに、どのような変化が起こり得るのか、起こりやすい変化と起こりにくい変化は何か、どうしたらことばの変化をたどることができるのか、そのようなことを研究する「歴史言語学」を専門としています。
現在、世界中で約7,000言語が使われていると言われています。歴史言語学者の仕事は、これらのことばの現在の状態を分析しながら、過去にどのような言語が話されていて、それがどのように分岐して現在のような形になったのか、科学的に推論することです。これまでは、ことばの遺伝子ともいえる「発音」に注目した研究が行われてきたのですが、主語・動詞・目的語の語順をはじめとする文法的特徴など、単語レベルを超えたことばの特徴の変化を知る手段には、まだ結びついていません。
今回、菊澤先生は「ことばの遺伝子配列」に注目した研究を進めることを目的として、クラウドファンディングに挑戦します。できるだけ系統が近い言語を対象とするため、数多くの方言があるフィジーに着目して研究を進める予定です。得られた研究費は、主に現地の学生さんの人件費に使われます。フィジーでは、働きながら大学へ通う学生が多いため、言語学科の学生にとっては、専門に直接かかわる仕事をして、専門知識を身に付けながら学費を稼ぐことができる、他にないチャンスとなります。
支援者へのリターンとして、「学生さんからのお礼のメッセージ&ポストカード(1,000円)」や「今回研究で利用する予定のフィジー語諸方言のデータ(10,000円)」などが用意されています。
【募集期間】2015年10月13日〜2015年12月12日
この記事を書いた人
- academist journal編集部です。クラウドファンディングに関することやイベント情報などをお届けします。