本連載では、academist Journal編集部が注目するacademistの月額支援型クラウドファンディングのチャレンジャーに、プロジェクトや研究の魅力について聞いていきます!

新規化合物探索の研究に取り組む青木さんは、日本に生息するキノコの9割以上が未利用であることに着目し、キノコの生態や機能・有用性について化学の視点から解明することを目指しています。

クラウドファンディング一問一答

——クラウドファンディングで募った支援金はどのような活動に利用していますか?

主に菌類を培養する際に必要となる培地の原料や、バイオアッセイ・誘導体化などの実験に必要となる試薬類の購入、執筆した論文の英文校正費用などに利用しています。私の場合、培養実験を行っているのが研究室内で私だけということもあり、高額な培養関連の備品に研究室の予算を使うのに抵抗がありました。このような事情もあり、自身で自由に使える資金が支援というかたちで得られたのは大変助かりました。また、老朽化した機器類の買い替えもできたため、実験の効率や実験中の環境も非常に改善されました。

——プロジェクトページの活動報告欄では、いつもどのような内容について書いていますか?

購入した資材についてや、論文・学会発表等の情報、実験の進捗などについて報告しています。

——academistの月額型クラウドファンディングで継続的なサポートを受けることに対して、どのように感じていますか? また、ご自身の研究活動にどのような影響がありましたか?

通常のクラウドファンディングと異なり継続的な支援を得られるため、研究資金が底を尽きる心配をせず、安心して研究に取り組めるようになるのが月額型クラウドファンディングの良いところかと思います。また、活動報告では普段学会等では出さないようなちょっとした実験の小話なども紹介できるので、より自身の研究について発信しやすいように感じます。

——普段の研究活動のなかであなたがいちばん「楽しい」「テンションが上がる」瞬間はいつですか?

新規化合物の探索研究を行っているため、化合物の単離に成功した瞬間やNMRスペクトルを解析しているあいだは特に胸が躍ります。また、今では培養条件などの制御によってこれまで知られていなかった物質を生み出させる研究を行っているので、そのような物質が検出された瞬間も非常に気分が高揚します。自身の研究以外でも、興味深い学会の講演を聴いたり、実験指導している後輩が面白い発見をした瞬間もとても楽しいと感じているので、大変なことも多いのですが、楽しいことも尽きないなとつくづく思います。

——最後に、クラウドファンディングに対する意気込みやサポートを検討している方々へのメッセージをお願いします!

クラウドファンディングは単に研究者に支援が届くだけでなく、「その研究者が行っている研究に興味を持っている人がいる」ということが直接伝わる点が大きな魅力なのではないかと感じます。私自身クラウドファンディングを通じて多くのサポーターの方に研究について興味を持っていただけたことで、研究に対しより自信を持てるようになりました。また、私が今行っている研究はサポーターの方々の協力が無ければ実現しなかったものです。支援を通じて誰でも学術研究の世界に携わることができるという点もクラウドファンディングならではの魅力だと思いますので、皆さまとともに学術研究の世界を盛り上げられると良いなと思います。

▼青木聡樹さんのプロジェクトはこちら▼
キノコからの新たな化合物探索法を確立したい!