福島に生息するアリたちの被曝状況を調べたい! – 25年間の継続的な研究を目指して
アカデミスト株式会社は、学術系クラウドファンディングサイト「academist(アカデミスト)」にて、新規プロジェクトを開始しました。
今回の挑戦者は九州大学・持続可能な社会のための決断科学センターの村上貴弘准教授です。
2011年3月に発生した東日本大震災および津波は、東京電力福島第一原発を直撃し、77万TBq/月の放射性物質を放出する重大な事故を引き起こしました。「研究者として何ができるだろうか?」と考えた村上准教授は、長年研究しているアリ類の観察を通じて、福島原発周辺の放射性物質の影響を長期的に評価しようと決意しました。
村上准教授は、これまで5年間で福島県を3回訪問し、合計11種、38コロニーのアリを採集しました。現在実験室で73個体のアリを解剖することで、284枚の染色体標本の作製を行い、染色体の構造変化を追う研究を進めています。研究の最終目標は「ここまでは生物の影響が出ていない、ここからは危険」という指標を出すことです。
しかし、政府主導で進めていくべき研究であるにも関わらず、日本政府から長期的な展望は示されていない現状です。そこで村上准教授は、クラウドファンディングを利用して資金を獲得し、長期的に研究を進めると共にインターネットを通じて現状を広く発信しようと考え、今回のチャレンジに至りました。
支援者の方々は、オリジナル画像3点セット(1000円)や村上准教授が執筆に関わったサイン付きの著書(5000円)、サイエンスカフェの参加チケット(10000円)などを受け取ることができます。
【募集期間】2016年6月06日〜2016年7月22日
【支援サイト】academist(アカデミスト)
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