東海大学教育開発研究センター・馬場弘臣教授のプロジェクト「古文書を翻刻し、新しい江戸時代史像を描き続けたい!」がスタートしました。

馬場教授は、江戸時代に小田原城の城主であった大久保家に注目した研究を進めています。小田原藩は、箱根の関所に代表されるように、関東の西の入口を守る役割を担っていた譜代藩で、大久保家は幕府老中を輩出した名門の家柄です。そのため、幕府と藩との関係はもとより、東海道という交通に関わる問題や、幕末維新の動乱といった時代の影響をダイレクトに受けてきました。また、大地震や富士山の噴火といった大災害に見舞われるなど、予期せぬ事態にも巻き込まれました。小田原藩の歴史は、これらに対応するための改革の歴史であるといっても過言ではないのですが、残念ながら小田原藩そのものの史料は、ほとんど残されていません。したがって藩士の家や農村に残った史料などから、復元していくしかないのです。

そこで馬場教授は、「吉岡由緒書」に注目しました。これは、小田原藩の中堅藩士であった吉岡家が、寛永19年に大久保家に仕官して以降、明治4年の廃藩置県に至るまでの230年、9代にわたって書き綴られた小田原藩の一大記録です。これを翻刻して世に問うことができれば、小田原藩だけでなく、幕政史、そして江戸時代史像そのものを問い直すことができるはずです。

今回のクラウドファンディングでは、吉岡由緒書翻刻のための研究資金を募るだけではなく、翻刻のように地味で根気のいる仕事が大切であることを広く伝える機会にすることを目指しています。ご支援いただいた方々へのリターンとして、「研究報告書と古文書ハンドブック(5,000円)」や「特別講演会参加券(10,000円)」、「現物の古文書を読み解こう!研究体験会参加権(30,000円)」など、歴史学ならではのさまざまな特典が用意されています。

【募集期間】2017年07月12日〜2017年09月12日
【支援サイト】academist(アカデミスト)
【お問い合わせ】info@academist-cf.com