生きものグッズ作家や生きもの好き、生きものグッズの愛好家、生物学者など「生きもの好き」という共通項を持った人々が一堂に会するイベント「いきもにあ」が、11月12〜13日に京都市勧業館「みやこめっせ」にて開催されましたので潜入してきました。写真中心にご紹介したいと思います!

まず驚かされたのは、いきもにあはまだ第二回目のイベントであるにもかかわらず、初日から入場制限がかけられるほど盛況ぶりだったことです。会場に入ってからも冬空なんておかまいなしの熱気にあふれていました。

通算入場者数は約3400人だったそうです。
通算入場者数は約3400人

いきもにあのメインは生きものグッズの販売です。日本各地から集結した153もの出展者による生きものグッズ販売はどれもクオリティーが高く、思わず財布の紐がゆるみます。

「イワシ金属化」さんによる金属でできた生物の販売
「イワシ金属化」さんによる金属でできた生物の販売
「あまのじゃくとへそまがり」さんによる革製の生き物グッズ販売
「あまのじゃくとへそまがり」さんによる革製の生きものグッズ販売

この他にも、恐竜やフクロウなどの人気の高い生き物からいきもにあ会場の外では1万人に1人も知らないであろうマイナーな生物まで、さまざまな生き物のグッズが販売されていました。とても本稿ではすべてをご紹介できないので、いきもにあでゲットしたグッズを自慢しあうタグ、「#いきもにあ戦利品」をまとめたページも併せてご紹介します。

Togetterまとめ「#いきもにあ戦利品」

いきもにあではグッズ販売だけでなく生き物の魅力を紹介するイベントや展示もあり、参加者は物欲だけでなく知識欲までも満たされます。第一線で活躍しているプロの研究者による研究紹介講演や、学術機関による展示ブースも一部ではありますがご紹介します。

研究者講演では島野智之さん(ダニ博士)、加賀谷勝史さん(シャコパンチ博士)、堀川大樹さん(クマムシ博士)、佐藤拓哉さん(ハリガネムシ博士)、前野ウルド浩太郎さん(バッタ博士)の五名の研究者がそれぞれの研究する生きものについて講演を行い、講演後は研究者と参加者との間でその講演内容に引けを取らないくらいに濃い質疑応答が繰り広げられていました。

シャコパンチ博士こと加賀谷勝史さんによる講演の様子
シャコパンチ博士こと加賀谷勝史さんによる講演の様子

講演のほかにも、数は多くないものの展示ブースがあり、それぞれの研究者が調べ尽くしたくなるくらいに愛してやまない生きものたちを実際に展示・解説してくれていました。研究者にとっては生きもの好きにダイレクトに生物学をアウトリーチできるこのうえない環境と言えそうです。

大阪市立自然史博物館 外来研究員 熊澤 辰徳さんによるアシナガバエの展示・解説ブース
大阪市立自然史博物館 外来研究員 熊澤 辰徳さんによるアシナガバエの展示・解説ブース
伊丹昆虫館スタッフによる日本最大の蝶、オオゴマダラ羽化シーンのリアルタイム解説
伊丹昆虫館スタッフによる日本最大の蝶、オオゴマダラ羽化シーンのリアルタイム解説
日本モンキーセンターのブース。写真中で解説をしているのは京都大学霊長類研究所の早川卓志さん。
日本モンキーセンターのブース。写真中で解説をしているのは京都大学霊長類研究所の早川卓志さん

いきもにあには講演者以外の研究者や博物館のスタッフなども参加者として多数来場していたり、グッズ制作にプロ研究者が監修として参画していたりと、生物学や古生物学などの生きもの分野での研究者と一般の方との垣根が下がりつつあるように思えました。

まだまだ開催2年目のはじまったばかりのイベントではありますが、生きもの好きの裾野の広さ、熱量を十分に感じられるイベントでした!

この記事を書いた人

末広 亘
京都大学大学院 農学研究科博士後期課程在学中。専門は昆虫生態学、行動生態学。学生としてアリ・シロアリなどの社会性昆虫を中心に外来種問題を研究する傍ら、2015年より学術系クラウドファンディングサイト「academist」のプロジェクトプランナーとしての活動を開始。