古代魚「ポリプテルス」で遺伝子と細胞の進化の謎に迫る! – 遺伝子重複はサカナのカタチに影響を与えるのだろうか?
アカデミスト株式会社は、学術系クラウドファンディングサイト「academist(アカデミスト)」にて、新規プロジェクトを開始しました。
今回の挑戦者は、東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻の神田真司准教授です。神田准教授は、遺伝子重複がサカナのカタチに与える影響を明らかにするべく、研究を進めています。
私たちヒトを含んだ脊椎動物は、全遺伝情報が2倍になる「全ゲノム重複」を3回経験したと言われています。それぞれの全ゲノム重複は、1R、2R、3Rと呼ばれ、1R、2Rは無顎類の出現以前に、3Rは食卓にのぼる「サカナ」の大半を占める真骨魚類に起きたと考えられています。
重複した遺伝子では、片方の遺伝子がその機能を失う確率が高く、遺伝子数そのものは時間とともに重複前と同程度に落ち着きます。しかし、一度は遺伝子が二倍に増えることになるため、進化の自由度と許容度は上がり、結果的にゲノム配列に大きな変化が生じたのではないかと考えられています。それでは、遺伝子の進化速度が増加することで、サカナのシステムやカタチはどのような影響を受けるのでしょうか。
神田准教授は、この疑問を明らかにするため、3Rが起きる前に分岐した古代魚「ポリプテルス」と、起きた後に出現した「バタフライフィッシュ」の持つ2つのホルモン「濾胞刺激ホルモン(FSH)」と「黄体形成ホルモン(LH)」に着目しました。これらのホルモンは、祖先型の脊椎動物では同じ細胞から作られているのですが、真骨魚類では別々の細胞から作られていることが知られています。そこで今回、FSHとLHを別の細胞が発現するようになるタイミングが(1)条鰭類と肉鰭類の分岐の影響なのか(2)3Rの影響なのかを調べようと考えました。
今回のクラウドファンディングでは、遺伝子配列を決めるための試薬代等を募るとともに、現段階では全く役に立たなくても、100年後には何の役に立つのかわからないような基礎科学の魅力を幅広く発信することを目指します。
支援者の方々は、研究報告レポート(1000円)や、academist限定・3Rを表現したTシャツ(5000円)、サイエンスカフェ参加権(10000円)などのお礼を受け取ることができます。
【募集期間】2016年9月08日〜2016年10月28日
【支援サイト】academist(アカデミスト)
この記事を書いた人
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