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會澤 裕貴

東京都立大学、博士後期課程1年

挑戦期間

2024/09/03 - 2025/08/31

最終活動報告

2024/10/27 15:15:44

活動報告

2回

サポーター

135人

経過時間

2024/09/03 08:00:00

挑戦者の自己紹介

會澤 裕貴

初めまして!寄付のマーケティング研究を行っている會澤裕貴(あいざわゆたか)です。社会課題に取り組む非営利組織に寄付が集まり、社会課題によって苦しむ人々が1人でも多く救われる社会を創りたいと思い、研究に取り組んでいます。

私はもともと、災害支援や人道支援などを行う認定NPO法ピースウィンズ・ジャパンで、ファンドレイザー(寄付を中心に活動に必要な資金調達をする専門職)をしていました。多くの方から想いのこもったご寄付を頂きながら支援活動を行っているうちに、「寄付には社会を変える力がある」と思うようになりました。

ぜひ、寄付のマーケティング研究による社会課題解決を加速させる取り組みを応援してください!

あなたが研究を通して成し遂げたいことはなんですか?

私が寄付のマーケティングの研究をする究極的な目標は、社会課題によって苦しむ人々が1人でも多く救われる社会を創ることにあります。

営利組織では、日々の事業活動を通して受益者 (顧客)に価値を提供し、その見返りとして受益者から直接、金銭的報酬を受け取ることができます。一方、非営利組織は、たとえば貧困家庭の食糧支援のように、受益者に提供したサービスの対価として報酬を確保することが難しいことが多いです。しかし、非営利とはいえ組織を運営するには、最低限の金銭的収入が必要不可欠です。

そこで重要になってくるのが、受益者ではない第三者(寄付者)からの寄付等による収入の確保です。私自身、10年以上の非営利セクターでのキャリアを通じて、たくさんの非営利組織を見てきましたが、その多くが寄付による収入を増やすことに難しさを感じていました。

そのため私は、寄付のマーケティング研究を通じて、社会課題解決の主体のひとつである非営利組織の経営上の課題解決に寄与し、ひいては社会課題解決の促進に寄与したいと考えています。

どのようなプロセスで実現しようとしていますか?

まずは、寄付者の視点に立って研究を進めていきます。そのプロセスの途中で、日々の研究で読んだ寄付のマーケティングに関する論文から、現場の寄付募集に使えるノウハウを発信しいていこうと考えています。これにより、非営利組織の運営に関わる方々、特に寄付募集に関わる方々との接点を作り、私の研究のファンになっていただきたいと考えています。

そして、私の研究のファンになっていただいた方々からのご寄付を、寄付者の方を対象にした調査の費用や学会参加費等に使わせていただき、オリジナルな研究知見を生み出していきます。さらに、その研究知見を論文という形だけでなく、寄付募集に関わる方々にセミナーなどで直接届けていくことで、実際の寄付募集の現場での活用へとつなげていきます。

その結果、非営利組織に寄付が集まりやすくなり、1人でも多くの社会課題によって苦しむ人々に支援が届く、幸せな循環を創り出したいと思います。

現在取り組んでいる研究課題はなんですか?

私は現在、「寄付をすることで、支援している社会課題(cause)に変化をもたらすという寄付者の認識」と定義される「寄付のエフィカシー(効力感)」を主要な課題として研究を行っています。

たとえば、自分の寄付が非営利組織の活動を通じて社会課題の解決に役に立つと思えなければ、寄付をしようと思わないですよね? その逆に、自分の寄付が社会課題の解決に役に立つと思うほど、寄付をしようという意欲が出てくるともいえます。

寄付のエフィカシーは、Bekkers and Wiepking (2011)による500以上の寄付に関する論文のレビューにより、寄付を促進する主要なメカニズムのひとつであると明らかにされています。しかし、まだまだ研究蓄積が少ないテーマなので、研究を進める意義が多いにあると考えられています。

そこで、私の研究では、寄付の募集に使用する画像や文章の組み合わせをマーケティング的な観点から操作して被験者の方にお見せし、その上でアンケート調査を行い、回答結果を統計的に分析します。これにより、どうすれば寄付のエフィカシーを高めることができ、最終的に寄付の意欲を高めることができるのかを明らかにします。

なぜacademistに挑戦していますか?

寄付のマーケティングを研究する1人の研究者として、そして現役のファンドレイザーの1人として、1,000 True Fansの実現という壮大な目標に挑戦し、新しい研究のあり方を体現したいと思い、挑戦することを決めました!

普段、私は博士後期課程で社会人大学院生として寄付のマーケティングの研究を行いながら、実務でもファンドレイザーをしており、かつ複数の団体のファンドレイジング(寄付による資金調達)のアドバイスも行なっています。そのため、現役のファンドレイザーとしての感覚では、普通の個人が1年間で1,000人の寄付者を得ることは、正直、不可能にしか思えません。

しかし、もし私が1,000 True Fansを実現できたとするならば、それは寄付マーケティング研究の社会的意義を、広く社会に示すことになると考えています。そしてなにより、社会課題の解決に取り組む非営利組織に寄付が集まり、社会課題によって苦しむ人々が1人でも多く救われる社会を創る第一歩になると思っています。

推薦者コメント

水越 康介
東京都立大学 経済経営学部 経済経営学科 経済学コース・経営学コース 教授

會澤さんは、東京都立大学大学院の博士後期課程で、指導教員として指導している1人です。日本において非営利マーケティングを研究する研究者は少なく、會澤さんには非営利マーケティングの研究者として今後の活躍を期待しています。もちろん、博士課程の社会人大学院生として研究と並行してこのプロジェクトに取り組むことは大変な挑戦だと思いますが、多くの方々の支援を得て、會澤さんの研究が力強く推進されることを願っています。

坂本 治也
関西大学 法学部法学政治学科 教授

日本では寄付行動を専門的に分析する研究者がきわめて少ない現状にあります。とくに定量的なデータに基づく実証研究が不足しています。そうした中で、実務の経験が豊富で、学術的にも優れた能力を有する會澤さんのチャレンジは、とても貴重なものといえます。実践にも役立つ優れた研究成果が生み出されることで、日本の寄付文化も確実に変わっていきます。みなさん、會澤さんの研究を支援することを通じて、一緒に日本の寄付文化を変えていきましょう!

渡邉 文隆
京都大学 非常勤研究員

私自身も寄付のマーケティングに強い関心を持って実務や研究に取り組んで来ましたので、會澤さんがこのプロジェクトを通じて生み出される知見には非常に強い関心を持っています。社会課題に対しては対症療法的な打ち手の方が目立つわけですが、寄付マーケティングは打ち手の基盤をつくる重要な分野です。多くの非営利組織がマーケティングの力で寄付を効果的に募り、より良い社会を実現していけるよう、皆様のご支援を心からお願い申し上げます!

稲葉 基高
医師/ピースウィンズ・ジャパン「空飛ぶ捜索医療団"ARROWS"」プロジェクトリーダー

會澤さんと私が初めて出会ったのは2018年でした。2人とも同じタイミングでピースウィンズ・ジャパンに入職し、西日本豪雨災害や新型コロナウイルスの緊急支援など、共に多くの支援活動をしてきました。會澤さんが行っている寄付のマーケティングの研究は学術的な意義があるだけでなく、私たちのような非営利組織が、支援活動を行う際に必要不可欠な寄付による資金調達を行う際に大いに役立つものです。非営利組織に所属する1人として、會澤さんの研究を応援しています!

茂木 良平
ポンペウ・ファブラ大学(スペイン) 研究員、南デンマーク大学 助教

私はスペインを拠点に、少子化に関する研究を行っています。また、少子化問題の解決に取り組む民間の研究所を、日本で立ち上げようと動いています。これは、研究者が研究活動だけに閉じることなく、実際に社会に働きかけていくべきだという私自身のビジョンがもとになっています。そして、會澤さんの今回の取り組みは、私自身のビジョンと重なる部分が多く、とても共感しています。研究知見を社会実装していく研究者の1人として、會澤さんの研究を応援しています!

研究計画

時期 計画
2024年9月 academist Prize 第4期スタート!
2024年9月-10月 寄付のエフィカシーに関する調査①を実施
2024年10月 日本マーケティング学会 マーケティングカンファレンス参加
2024年11月-12月 寄付のエフィカシーに関する論文①を執筆
2024年12月 日本商業学会 全国研究報告会参加
2025年1月-2月 寄付のエフィカシーに関する調査②を実施
2025年3月-5月 寄付のエフィカシーに関する調査②を執筆
2025年5月 日本消費者行動研究学会 コンファレンス、日本商業学会 全国研究大会参加
2025年6月 日本NPO学会 研究大会参加
2025年6月-7月 寄付のエフィカシーに関する調査③を実施
2025年8月 academist Prize 第4期終了
2025年8月-9月 寄付のエフィカシーに関する調査③を執筆
2026年1月 博士候補者資格審査
2026年10月 博士学位請求論文提出
2027年1月 博士論文審査
2027年3月 博士号取得

リターンの説明

330 円/月 (税込)

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