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古文書を翻刻し、新しい江戸時代史像を描き続けたい!

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SUCCESS
馬場 弘臣
東海大学_、教授
支援総額: 1,243,800 円
目標金額: 1,000,000 円
達成率
124 %
サポーター
89
残り時間
終了
募集期間は終了しました

目標金額を達成しました!

この度は、小田原藩の重責を担った家の記録「吉岡由緒書」翻刻プロジェクトにご支援をいただきまして、誠にありがとうございました。おかげさまで当初の目標支援額を達成することができました。ご支援いただきました皆さまをはじめ、Facebook、Twitter、ポスター、チラシ等々で情報を広めてくださった皆さま、記事を載せていただきました朝日新聞の皆さま、そして本プロジェクトの開始からサポートやアドバイスをくださった皆さまに心より厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。



今回の皆さまからの支援金は、当初の目的通り、「吉岡由緒書」翻刻のための費用に充てさせていただきたいと思います。しかしながら、翻刻という作業は、本の編集から刊行までを業者にお任せするとたいへん費用がかかります。そこで私どもは、古文書の解読はもとより、ワープロ原稿入力、レイアウト(組み版)、補注の記入等々、編集に関わるすべての作業も自分の手でやっていく予定です。
また、解読の正確性をあげていくためには、専門家数人の目で何度も校正を行なう必要があります。そこで、もし可能であれば、もう少し皆さまからのご支援をお願いできればと存じます。残り10日ほどですが、セカンドゴールとして120万円を設定させていただきたいと思います。つきましては、「吉岡由緒書」刊行の際は、ご支援いただきました皆さまのお名前をすべて掲載したいと思っております。引き続きまして、皆さまからの温かいご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

academist スタッフからの一言
先人のメッセージを後世に残していくために

柴藤亮介

「歴史を研究することの本当の意義は、それがどの時代のものであっても、すべてが現代へのメッセージであるということに尽きると思います」と語る東海大学の馬場教授は、これまでにさまざまな地域に残された古文書を読んでは研究を重ね、新しい歴史像を模索してきました。今回馬場教授が注目するのは、小田原藩の歴史を紐解くための「吉岡由緒書」。歴史学者の研究の心得に触れることのできる貴重なリターンもありますので、この機会にぜひご参加ください。

自治体史を研究する

私の研究歴は、自治体史(市町村史)の編纂事業を軸としたものでした。栃木県の益子町史から始まって、神奈川県の南足柄市史、寒川町史、小田原市史、真鶴町史、大磯町史、大井町史、横須賀市史、茨城県の龍ケ崎市史などです。

このような自治体史編纂を担当するなかで、地域史の視点から、幕末維新史、災害史、治水・利水史、交通史、海防史、幕藩間の儀礼等々、その地域ならではの、また、その地域にしかないような古文書を探っては、心の赴くままに、さまざまなテーマを設定して研究を重ねてきました。

「吉岡由緒書」との出会い

そうしたなかでも、中心となるのは小田原藩大久保家に関する研究でした。小田原藩は、関東の西の入口を守る重要な譜代藩です。だから、幕府と藩との関係はもとより、東海道という交通に関わる問題や、海防や幕末維新の動乱といった世の中の動きがダイレクトに影響を与えていきます。また、大地震や富士山の噴火といった大災害に見舞われるなど、予期せぬ事態にも巻き込まれました。小田原藩は、それぞれにどのように対応してきたのでしょうか。小田原藩の歴史は、これらに対応するための改革の歴史であったといっても過言ではありません。でも、小田原藩そのものの史料はほとんど残っていません。だから、藩士や農村に残った史料などから復元していくしかないのです。

そんななかで出会ったのが「吉岡由緒書」でした。「由緒書」と言っても、これは単に吉岡家の来歴を綴ったものではありません。小田原藩の中堅藩士であった吉岡家が、寛永19年(1642)に大久保家に仕官して以降、明治4年(1871)の廃藩置県に至るまでの230年、9代にわたって書き綴った小田原藩の一大記録なのです。吉岡家は、御勝手方役人(財政担当役人)や幕末の番方役人(軍事担当)を務めることで、藩の命運とともにありました。だから、これを翻刻して世に問うことは、小田原藩ならず、幕政史、そして江戸時代史像そのものを問い直す貴重な仕事であり、研究なのです。

古文書を翻刻し、当時の様子を再現する

本研究の第1の目標は、「吉岡由緒書」を翻刻して刊行することです。翻刻作業というのは、古文書を読んで筆耕するところから始まります。史料を読みながらワープロに起こしていって、下原稿を起こします。現在のところ、「吉岡由緒書」5冊をB5判用紙に28字×20行の2段組の原稿で起こして310ページ、字数にして34万7,200字ほどになる予定です。400字詰めの原稿用紙にすれば約870枚分です。これはあくまでも本文だけであって、史料には図もありますし、内容の解説も必要になります。何より、大切なのは、きちんと読めているかということですから、最低でも3回は校正が必要です。場合によっては、原史料をみて校正することも必要になってきます。本当に気の遠くなるような仕事です。

また、このプロジェクトでは単に古文書を翻刻するだけでなく、このような史料からどんなことがわかるか具体的に示す必要があります。ここでは①元禄16年(1703)の大地震と宝永4年(1707)の富士山噴火からどのように立ち直っていったのか、②そのためにどのような改革が行なわれたのか、③幕末維新の激動期に小田原藩はどのように対応していったのかの3点を主眼として解読を進めていきます。とくに「吉岡由緒書」に固有の記録として、吉岡家に対する俸禄米(藩士に対する給与)の記録があります。これを分析することで、先の3つの課題に答えるべく、藩政全体の大きな流れ、アウトラインを描いていきたいと思っています。

研究費サポートのお願い

本来、古文書の翻刻には、独自の文字組みやレイアウトに関する知識と技能が必要となってきます。字下げ(インデント)の多様な活用、行間の活用、フォントの大きさの規制、ルビの多様な活用、連名の均等割付等々、独自の取り決めも多いのですが、現在はITの発達によって、それだけのスキルが必要なものの、ワープロでも下原稿の作成が可能となりました。

このような古文書の翻刻は、あくまでも研究の基礎作業ですが、歴史学会には俗に「論文5年、史料100年」という言葉があるように、史料はその時代背景や研究の発達によって何度も読み返され、それによって新たな歴史像を提供することができるようになります。古文書を読める人がだんだん少なくなった昨今、貴重な史料を活字にして残すことは、今後の歴史研究のためにも、卒業論文をはじめとする歴史学教育のためにも必要なことだと痛感しております。

後は、印刷する費用が捻出できるかということと、古文書の翻刻という性格上、複数の専門家の目を通す必要があります。派手に歴史の物語を語るのも楽しいことですが、こうした地味で根気のいる仕事も大切であることもあわせて知っていただきたいと思い、アカデミストに挑戦することにしました。したがって、研究費の半分は印刷費に充て、後は校正、校閲、リライトの外注費用、「吉岡由緒書」に出てくる関係地方の現地調査費用に充てる予定です。

挑戦者の自己紹介

馬場 弘臣

はじめまして、「古文書の虫」馬場弘臣(Baba Hiroomi)です。現在は、東海大学教育開発研究センター教授として、授業の進め方や教授法の開発について研究する部署に所属していますが、専門は江戸時代史です。センターでは、古文書の読解法や、歴史の教育法についても日々研究を重ねております。

研究計画

時期 計画
2017年07月 クラウドファンディング挑戦
2017年10月 古文書翻刻開始(2018年12月)
2017年11月 論文執筆(~2018年03月)

リターンの説明

リターンの金額に加え、追加支援をすることができます。追加支援分には消費税がかかりません。
3,300 円 (税込)
注目のリターン : 研究報告書(電子版)

吉岡由緒書の概要をまとめた資料を、電子版にてお送りいたします。和訳された研究成果が記載されているだけではなく、歴史学がどのようなものかがわかるような資料にする予定です。

リターン内容

研究報告書(PDF版:3回分)

19人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

5,500 円 (税込)
注目のリターン : 古文書ハンドブック(電子版)

3000円のリターンに加えて、私の運営する古文書教室で利用しているオリジナルハンドブックも送付します。ぜひ一緒に、江戸時代の歴史を読み解いてみませんか?

リターン内容

古文書ハンドブック(電子版) / 研究報告書(PDF版:3回分)

27人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

11,000 円 (税込)
注目のリターン : 特別講演会参加券

3,000円のリターンに加えて、特別講演会にご招待いたします。 第1回:東海大学湘南キャンパス 9月30日(土)14時〜16時 第2回:東海大学代々木キャンパス 10月21日(土)14時〜16時 上記日程のいずれかでご参加ください。東海大学の最新の教室で、今回のプロジェクト内容の紹介や、古文書を解読することでどのようなことがわかるのかということについて、わかりやすくお伝えいたします。

リターン内容

特別講演会参加券 / 研究報告書と古文書ハンドブック(電子版)

26人のサポーターが支援しています (限定 30 個)

33,000 円 (税込)
注目のリターン : 現物の古文書を読み解こう!研究体験会参加権

10,000円のリターンに加えて、古文書を一緒に読み解く研究体験会に招待いたします。また、掲載論文の抜刷を贈呈いたします。 日時は、11月18日(土)14時〜16時、場所は東海大学湘南キャンパスです。1963年に建設された大学最古の建物で、古文書に囲まれながら研究体験してみませんか?

リターン内容

現物の古文書を読み解こう!研究体験会参加権 / 翻刻した「吉岡由緒書」(電子版) / 掲載論文の抜刷 / 特別講演会参加券 / 研究報告書と古文書ハンドブック(電子版)

10人のサポーターが支援しています (限定 10 個)

55,000 円 (税込)
注目のリターン : 小田原城徹底解説ツアーと翻刻した「吉岡由緒書」

30,000円のリターンに加えて、翻刻した「吉岡由緒書」を贈呈し、小田原城の徹底解説ツアーにご招待いたします。小田原城は戦国大名北条氏が本拠としていた城で、江戸時代には大久保氏や稲葉氏といった幕府の老中を務める譜代大名が城主を務めました。ツアーでは、朱色があざやかな学橋から馬出し曲輪、銅門、常磐木門、歴史見聞館、郷土資料館、市立図書館(実物の古文書見学あり)、天守閣と回ります。天下の名城であった小田原城を再発見しましょう。

リターン内容

小田原城徹底解説ツアー / 翻刻した「吉岡由緒書」 / 翻刻した「吉岡由緒書」(電子版) / 現物の古文書を読み解こう!研究体験会参加権 / 掲載論文の抜刷 / 特別講演会参加券 / 研究報告書と古文書ハンドブック(電子版)

5人のサポーターが支援しています (限定 5 個)

110,000 円 (税込)
注目のリターン : 「幕末風聞集」を翻刻した史料集

50,000円のリターンに加えて、東海大学の秘蔵史料「幕末風聞集」を翻刻した史料集を贈呈します。これは伊勢松坂の商人の筆による記大坂から紀伊半島にかけての記録です。明治維新150周年を来年に控えた現在、「吉岡由緒書」と読み比べてみることで、幕末維新の歴史に新たな光をあてることができることでしょう。

リターン内容

「幕末風聞集」を翻刻した史料集 / 「幕末風聞集」を翻刻した史料集(電子版) / 小田原城徹底解説ツアー / 翻刻した「吉岡由緒書」 / 翻刻した「吉岡由緒書」(電子版) / 現物の古文書を読み解こう!研究体験会参加権 / 掲載論文の抜刷 / 特別講演会参加券 / 研究報告書と古文書ハンドブック(電子版)

2人のサポーターが支援しています (限定 2 個)

このプロジェクトは、 2017年07月11日(火) 22時00分 から 2017年09月12日(火) 10時00分 までの間に目標金額1,000,000円を達成した場合のみ、決済が確定します。
お支払について
お支払にはクレジットカード(VISA, Mastercard)、銀行振込、コンビニ決済、Pay-easy、PayPalをご利用頂けます。
追加支援について
リターンの金額に加え、追加支援をすることができます。追加支援分には消費税がかかりません。
セキュリティについて

当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。

3,300 円(税込)

研究報告書(電子版)

19 人 が支援しています。
(数量制限なし)

5,500 円(税込)

古文書ハンドブック(電子版)

27 人 が支援しています。
(数量制限なし)

11,000 円(税込)

特別講演会参加券

26 人 が支援しています。
(限定 30 個)

33,000 円(税込)

現物の古文書を読み解こう!研究体験会参加権

10 人 が支援しています。
(限定 10 個)

55,000 円(税込)

小田原城徹底解説ツアーと翻刻した「吉岡由緒書」

5 人 が支援しています。
(限定 5 個)

110,000 円(税込)

「幕末風聞集」を翻刻した史料集

2 人 が支援しています。
(限定 2 個)

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