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AIを活用して「質量が生まれる謎」に迫る!

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寄付型
SUCCESS
竹下 徹
信州大学、特任教授
支援総額: 634,000 円
目標金額: 500,000 円
達成率
126 %
サポーター
53
残り時間
終了
募集期間は終了しました

目標金額を達成しました!

皆様のご支援により、目標をクリアできました。熱く御礼申し上げます。ご支援いただいたお金でGPUを購入し、Deep Learningの組み込みを行い、ヒッグス粒子とトップクオークの結合事象の選び出しを高い精度で行うことができます。ありがとうございます。まだまだ見ててください。 竹下

academist スタッフからの一言
ヒッグス粒子とトップクォークの結合の強さを計測する

宮内諭

素粒子物理学の土台とも言える「標準理論」。その理論のキーとなる粒子が、すべての物質に質量を与える特徴を持つ「ヒッグス粒子」です。長年、素粒子物理学の研究に取り組んできた竹下さんは今回、人工知能(AI)を活用してこのヒッグス粒子の性質を明らかにしようとしています。ヒッグス粒子と最も密接な関係にあるといわれる「トップクォーク」とヒッグス粒子との結合の強さを調べることで、「質量が生まれる謎」に迫るというのです。「標準理論はすでに問題を抱えており、私たちは今、変革期にいる」と語る竹下さんのプロジェクトにぜひご注目ください!

ATLAS実験発足以来のメンバーである信州大学

現在の素粒子標準理論は、物質を構成する「クォーク」と電子の仲間である「レプトン」、これらを結びつける「力の粒子」、そして「ヒッグス粒子」からなります。

ヒッグス粒子は50年超に渡って探し求められてきた、素粒子標準理論のキーとなる粒子であり、すべての粒子に質量を与えるという特徴をもちます。この粒子の性質を解明しようとする研究は、欧州合同原子核研究機関(CERN)に建設された世界最高エネルギーの陽子-陽子衝突型加速器「LHC(Large Hadron Collider)」を用いて行われるATLAS実験の最大の課題といっても過言ではありません。

私が所属する信州大学はATLAS実験発足以来のメンバーであり、さまざまな研究の企画・運営を行ってきました。今回は、この経験と知見から得られたATLAS実験に関する多くの事象データとシミュレーションを用いて、ヒッグス粒子と最も密接な関係にある「トップクォーク」とヒッグス粒子との結合の強さを知ることで、質量の起源の謎に迫りたいと考えています。

シグナル探索は、砂漠のなかで1本の針を探すようなもの

ヒッグス粒子の結合の強さは相手の質量に比例するため、ヒッグス粒子はクォークのなかで最も重いトップクォークと最も強く結合します。そしてその結果、トップクォークはヒッグス粒子の性質を大きく反映します。これが、「トップクォークがヒッグス粒子と最も密接な関係にある」と述べた理由です。

ヒッグス粒子の質量は125GeV/c2である一方、トップクォークの質量はそれより重い175GeV/c2であるため、ヒッグス粒子が直接トップクォークに崩壊することはありません。

一方、ATLAS実験でもたらされる衝突エネルギーは最大13TeVであり、ヒッグス粒子やトップクォークの質量をはるかに上回るため、トップクォークのペアの生成を可能にします。2018年には、ATLAS実験によりトップクォークのペアとヒッグス粒子が同時に生成される事象が初観測されました。この結果は、トップクォークとヒッグス粒子が相互作用していることを意味しています。

しかし、この反応は極めて稀にしか起きません。しかも、トップクォークもヒッグス粒子も生成直後に別の粒子へと崩壊してしまいます。したがって、ATLAS実験では崩壊してできた粒子を観測することによって、トップクォークとヒッグス粒子が同時生成されたことを同定します。とはいえ、ATLAS実験での陽子-陽子衝突事象はあまりに数が多いため、どのシグナルがヒッグス粒子とトップクォークの由来であるかを判別することは困難を極めます。

AIで迫る「質量」の謎

そこで私たちは今回、人工知能(AI)技術の一種である深層学習(ディープラーニング)を用いて、効率的にヒッグス粒子とトップクォークのシグナルを判定しようと考えています。

深層学習モデルは、ATLAS実験データと同じ形式をしたシミュレーションデータをもとに開発する予定です。シミュレーションデータはヒッグス粒子がトップクォークに結合する事象とそうでない事象からできており、正しい事象を正しく、間違っている事象を間違いと教える教師データとなります。

多数のシミュレーション教師データを与えられた深層学習モデルは鍛えられ、ある事象を見るとヒッグス粒子とトップクォークの結合事象であるかどうかの確率を計算できるようになります。

最終的には、この深層学習モデルに実際のATLAS実験のデータを与えて、ヒッグス粒子とトップクォークの結合事象を判別させることにより、事象数を数えます。ここからヒッグス粒子とトップクオークの結合の強さを計算することができます。

多くの事例から経験を積んでトレーニングされたAIは、陽子-陽子衝突により生成される膨大な事象のなかから高い確率でヒッグス粒子とトップクォークが結びついた事象を判別することができるでしょう。そして、この事象数が正確に見積もれるようになる結果、ヒッグス粒子とトップクォークの結合の強さを厳密に求められるようになり、「質量とは何か」という問いに迫る一歩となると考えています。

研究費サポートのお願い

素粒子物理学にAIを導入する研究は、最近ブームになっています。20年くらい前に、学生と一緒に怖いもの見たさでニューラルネットワークを触ってみたのですが、そのときと比べ、今のAIの進展は質的に大きく進化しているように感じられます。特に、個人のコンピュータでAIアルゴリズムを開発できる環境が整いつつあることには驚かされます。

今回の研究においても、専用のGPUを導入することで、研究室で自由にAIアルゴリズムの変更や開発・試行を行える環境を構築する予定です。今回のクラウドファンディングでご支援いただいた研究費は、このGPUの増設のために使用させていただきます。

素粒子物理学は「宇宙を創る」学問だといわれます。加速器を使って創りだされる高い衝突エネルギー状態は、宇宙の超初期状態を表しており、天体観測で到達できない宇宙開闢に迫る研究だからです。しかし、素粒子標準理論は完璧ではなく、今、変革期にあります。標準理論をどのように修正すべきなのか、とても興味のある時代に生きていることにワクワクしています。

でも研究の進捗は一歩一歩です。素粒子物理学とクラウドファンディングがつながるなんて、以前は考えたこともありませんでしたが、私たちの研究に興味を持ってくれるサポーターの皆様と直接結びつくチャンスかもしれないと考えています。いずれQ&Aページを設置して、私たちの研究を皆さまに直接説明したいと思います。ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

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ご寄附いただいた皆様へ、確定申告により税制上の優遇措置が適用される領収書を信州大学より発行致します。

なお、領収書の日付は、お申込み受付日やカード決済口座からの振替日ではなく、アカデミスト株式会社より信州大学に入金された日付となります。当プロジェクトの終了予定日は2020年12月10日ですが、寄付金入金日は2021年2月の予定です。そのため、寄附金控除も翌年の対象となりますので、予めご了承ください。

【法人・団体様からのご寄附】
・全額損金算入が可能です。(法人税法第37条第3項第2号)

【個人様からのご寄附】
・所得税…寄附金額(総所得金額の40%を上限とする)から2,000円を差し引いた額を、当該年の課税所得から控除することができます。
・個人住民税…信州大学を寄付金控除の対象法人として条例で指定している都道府県・市区町村にお住いの方は、個人住民税の控除を受けることができます。
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挑戦者の自己紹介

竹下 徹

竹下徹と申します。素粒子物理学の実験を大学院修士課程から始めました。当時、漠然と宇宙に興味がありましたが、院試(修士課程の専攻を選ぶ試験)の結果、第二希望でこの道に進みました。今、素粒子物理学実験が宇宙の始まりを解読するような研究となり、当初抱いていた宇宙への憧れを自分のものとして研究対象にできることに興奮しています。

大学院を出て就職し、ヨーロッパの加速器研究施設(DESY & CERN)を渡り歩き、電子ー陽電子衝突実験による精密測定実験に携わってきました。インターネットもない時代の8年間の海外生活は、夫婦2人で築き上げた家庭が頼りでした。その間に2人の娘にも恵まれました。日本に帰り、信州大学に着任し、ATLAS実験を始めました。ヒッグス粒子の発見は予定通りでしたが、その後予言されていた新粒子が無いことが実験的に明らかとされるにつけ、自然の不思議さに改めて感銘を受けています。

研究計画

時期 計画
2020年10月〜2021年2月 AIの開発とトレーニング
2021年3月 ヒッグス粒子とトップクオークの結びつきの強さを計測
2021年3月 日本物理学会にて研究成果を口頭発表予定

リターンの説明

リターンの金額に加え、追加支援をすることができます。追加支援分には消費税がかかりません。
1,000 円
注目のリターン : 研究結果概要(PDF)、お礼メッセージ、寄付金受領証

今回の研究の様子をまとめた「調査報告レポート(電子版)」をお送りいたします。

リターン内容

研究結果概要(PDF)/お礼メッセージ / 寄付金受領証

8人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

5,000 円
注目のリターン : 研究報告レポート(PDF版)、CERNで撮影した実験映像(画像・動画)、寄付金受領証

CERN研究所におけるATLAS実験の映像をお送りします。

リターン内容

研究報告レポート(PDF版) / CERNで撮影した実験映像(画像・動画) / 研究結果概要(PDF)/お礼メッセージ / 寄付金受領証

12人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

10,000 円
注目のリターン : ヒッグス粒子とトップクォークが起こす特別な物理事象をAIが解析する画像、寄付金受領証

ヒッグス粒子がトップクオークに結合した事象の画像をお送りします。

リターン内容

ヒッグス粒子とトップクォークが起こす特別な物理事象をAIが解析する画像 / 研究報告レポート(PDF版) / CERNで撮影した実験映像(画像・動画) / 研究結果概要(PDF)/お礼メッセージ / 寄付金受領証

26人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

30,000 円
注目のリターン : AIが物理事象を探索する際の実験画像、寄付金受領証

ヒッグス粒子がトップクォークに結合する事象をAIが探し出す計算の様子を画像・動画で詳細にお送りします。

リターン内容

AIが物理事象を探索する際の実験画像 / ヒッグス粒子とトップクォークが起こす特別な物理事象をAIが解析する画像 / 研究報告レポート(PDF版) / CERNで撮影した実験映像(画像・動画) / 研究結果概要(PDF)/お礼メッセージ / 寄付金受領証

5人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

50,000 円
注目のリターン : 学会資料および論文の謝辞にお名前掲載、寄付金受領証

ヒッグス粒子とトップクォークの結合に関する研究成果の発表を学会などで行う際、サポーターの皆様のお名前を謝辞に掲載いたします。

リターン内容

学会資料および論文の謝辞にお名前掲載 / AIが物理事象を探索する際の実験画像 / ヒッグス粒子とトップクォークが起こす特別な物理事象をAIが解析する画像 / 研究報告レポート(PDF版) / CERNで撮影した実験映像(画像・動画) / 研究結果概要(PDF)/お礼メッセージ / 寄付金受領証

1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

100,000 円
注目のリターン : 個別ディスカッション権、寄付金受領証

ヒッグス粒子とトップクォークの結合や、AIの解析に関して、研究者と直接議論できる場を設定いたします。

リターン内容

個別ディスカッション権 / 学会資料および論文の謝辞にお名前掲載 / AIが物理事象を探索する際の実験画像 / ヒッグス粒子とトップクォークが起こす特別な物理事象をAIが解析する画像 / 研究報告レポート(PDF版) / CERNで撮影した実験映像(画像・動画) / 研究結果概要(PDF)/お礼メッセージ / 寄付金受領証

1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

このプロジェクトは、 2020年10月07日(水) 10時00分 から 2020年12月10日(木) 17時00分 までの間に目標金額500,000円を達成した場合のみ、決済が確定します。
お支払について
お支払にはクレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、Pay-easy、PayPalをご利用頂けます。
追加支援について
リターンの金額に加え、追加支援をすることができます。追加支援分には消費税がかかりません。
セキュリティについて

当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。

1,000 円

研究結果概要(PDF)、お礼メッセージ、寄付金受領証

8 人 が支援しています。
(数量制限なし)

5,000 円

研究報告レポート(PDF版)、CERNで撮影した実験映像(画像・動画)、寄付金受領証

12 人 が支援しています。
(数量制限なし)

10,000 円

ヒッグス粒子とトップクォークが起こす特別な物理事象をAIが解析する画像、寄付金受領証

26 人 が支援しています。
(数量制限なし)

30,000 円

AIが物理事象を探索する際の実験画像、寄付金受領証

5 人 が支援しています。
(数量制限なし)

50,000 円

学会資料および論文の謝辞にお名前掲載、寄付金受領証

1 人 が支援しています。
(数量制限なし)

100,000 円

個別ディスカッション権、寄付金受領証

1 人 が支援しています。
(数量制限なし)

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