公益財団法人国際高等研究所 客員研究員(本務:京都大学学際融合教育研究推進センター准教授) プロフィール詳細はこちらをご覧ください。
これまでのプロジェクト
「真理探究」とは何か?全分野の研究者79名で挑む!
「学会」は本当に必要か?全分野の研究者と考えたい!
「京大100人論文」で分野を超えた学問の対話の場を創る!
全分野の研究者と「学問の評価」を議論する研究会を開催したい!
⼤学なのに「学問」がしづらくなってる状況をなんとかしたい。
現在の大学は、事業戦略立案やKPI設定、ガバナンス強化、大学ランキング対策などに多大な時間を費やしています。社会の中の大学としての中長期戦略を考えることはもちろん重要です。しかし、利益誘導的政策では、大学が企業体に形式的に近づくだけで大学の色合いが薄まり、学問の魅力の低下につながっているのではないでしょうか。実際、この20年で研究時間や博士課程進学率は減少傾向にあり、また現場でも短期的な成果創出のプレッシャーにさらされています。このままでは、我が国の学問の土壌はどんどん枯渇し、先細りの未来しかなくなってしまうのではないでしょうか。
論文生産や資金獲得もさることながら、その根本に位置する探求者としてのピュアな「問い」を磨きあい、かつ、それらを多様にすることこそが学問の営みです。しかし、現状では、 学問の灯火を単独の大学で守ることは困難と言わざるをえません。 であれば、 全国規模で学問を掘り起こすしかない! そこで今回、研究者の「問い」にフォーカスした研究ポスター発表大会を、全国で実施することを計画しています。
最⼤の特徴は、「問い」にフォーカスするため、あえて匿名で発表することです。これにより、所属組織や専⾨名だけで内容を判断してしまいがちな先⼊観を取り除き、本⾳で意⾒交換することができます。
この匿名制での研究ポスター発表大会を全国9地区で2年かけて開催します。各地区では、その地区の大学、研究機関に所属する教員、研究者、大学院生、そして高専生が研究ポスターを掲示し、来場した人たちは誰でも付箋紙でコメントを残すことができます。
さらに、「問い」を豊かなものにするためには、来場者とのコミュニケーションが重要です。そこで、初対面でグループセッションを実施する仕掛けを盛り込んだり、新たな共同研究を創出する「コラボ用ハッシュタグ」を準備したりするなど、さまざまな工夫をこらしてい ます。また地方新聞社と協力し、各地方ならではの課題や要望をまとめたポスターを掲示し、研究者がそれに応答するコメントを掲載する取り組みも実施します。これらは企画後に冊子としてまとめ、大学や行政、文科省等の中央省庁、メディア等に 広く配布する予定です。(詳細は特設サイトをご覧ください!)
2024年1月現在は、キャラバンの初回開催(中国地区)に向けた準備を進めています。
参画した研究者は、「問い」を深めるとともに、存在すら知らなかった語彙や視点、テクニックを得ることで研究の幅が広がります。また、自分の研究テーマにさまざまな反応があるという喜びを得て、前向きに研究をがんばれると同時に、多角的な意見を浴びることにより、自身の研究の内省につながる機会になります。
来場者は、研究者のピュアな探究心に触れることで、知的好奇心が刺激されるだけでなく、「役立つかどうか」とは異なる学術研究の意味(価値)を体感することができます。また、地域の課題について研究者がどう考えているのかを知り、異なる視点で課題と向き合えるようになります。
このようなムーブメントを拡大することは、我が国における「市民、社会にとっての学問の価値」を問う気風を高め、大学ないしは学問の公益について、アカデミアと社会との熱い議論のきっかけになると信じています。そして、我が国の学問の豊かな土壌づくりに大いに貢献し、最終的には、善く生きる(=その総体としての善き世)のためという、本来の学問の在り方に近づけたいと考えています。
今日、「役立つ研究」とか「稼げる大学」というワードに違和感をもつ方々も多いはず。そういう方に「まだ、あきらめてませんよ!」と言いたい。本来の学問を守り抜こうとして、研究者自身、大学組織自身が自力で己を磨くこのプロジェクトの旗揚げを知って、安心してもらいたい。そしてそれを応援してほしいと思い、プロジェクトを立ち上げました。
皆さまからのご支援は、参加する研究者への交通費補助や、現地スタッフへの謝礼などの運営費として使用します。また、ご支援いただいた方には、サポーター専用の活動報告閲覧権(個別氏名も入ったかなり踏み込んだ本音でのドキュメンタリーレポート)を最低毎月1回お届けします! その他、年2回の担当者(宮野)とZOOMでの密な交流会にもご招待します。
本音での対話の場づくり、地域課題への研究者からのレスポンス。それらを達成すべくさまざまな工夫(苦悩)のドキュメンタリーを共に味わい、共に学問を立て直す営みに参画し、見守っていただけませんか。正直言って、2年にもわたるしんどいプロジェクトです。応援いただける方が一人でも多ければ、ほんとうに励みになります。応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします!
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このプロジェクトでは、ご支援開始時より2026年1月まで、毎月330円(最大24ヶ月分で7,920円)、1,100円(最大24ヶ月分で26,400円)、3300円(最大24ヶ月分で79,200円)お支払いいただくメニューとなっていますが、一括でご支援いただくことも可能です。
〈一括支援プラン〉
【Aプラン】30,000円(税込):活動報告閲覧権
【Bプラン】50,000円(税込):Aプラン特典に加え、本事業の大本にある一番最初の青写真ポンチ絵送付
【Cプラン】100,000円(税込):Bプラン特典に加え、担当者(宮野)による国際高等研究所ご案内ツアー(旅費は支援者負担)
【Dプラン】300,000円(税込):Cプラン特典に加え、ご希望によりWEB記事(1件)の謝辞にお名前掲載(どのWEB記事になるかはつど判断)
【Eプラン】500,000円(税込):Dプラン特典に加え、ご希望により当全国キャラバン特設サイトにお名前(または企業ロゴ)の掲載と、担当者(宮野)と個別でリアルまたはZOOMにて、お礼を兼ねた企画説明や今後の展望(野望)について歓談
上記、一括支援については、こちらのフォームよりお申し込みをお願いいたします。
また、法人としてのご支援をご検討いただける場合は、特設サイトの申し込みフォームにてお問い合わせください。
いただきましたご支援は、国際高等研究所への基金として入金され、本事業に係る案件および本事業のさらなる発展にかかわる案件のみに使用されます。なお、ご支援は、サポーター様の寄付金控除の対象となりません。
大学を中心とする今の学問を支える仕組みは、あきらかに疲労しています。高度に制度化された知的生産を効率的にすることにとらわれて、学問に本来あった「遊び」としての意義が軽視されてはいないでしょうか。内発的な知的関心を制度化された専門領域を越えて共有し、「遊び」の精神を回復する試みとして、この事業に賛同する研究者もきっと多いことでしょう。盛り上がることをとても期待しています。
この事業がおもしろいのは、分野横断もさることながら、研究者を東京などの都会に集めるのではなく、自ら出向くこと! この「足で稼ぐ」気概は、昨今の行政や政策にはあまり見られないことだと思います。2年後には、今までになかったような研究者コミュニティーが生まれ、新しい研究の芽が育つ「畑」ができます。その畑をどう耕し、どんな種をまくかはみなさん次第。期待しています!
分野横断や越境を推進するためには、分野というラベルを無かったことにすればいい。こんな大胆な発想は、思いつくことはあっても実践は難しい。それに挑戦する本事業は、専門性という壁に閉じ込められがちな学術界に突破口を開くものとなると思います。今、学術界は政治的難局をむかえていますが、このような企画に、たくさんの研究者が関与することは大学自らの変革を促すものともなり、非常に意義が大きいと思います。
私は、大学の研究はもっと一般の方を巻き込んだほうがいいと考えています。それは起業という形に留まらず、行政との共同でも、市民対話でもいい。何かしら具体的な社会との接点、その質と量は、まちがいなく大学における研究の糧になるからです。この事業で実施する「研究者が地域課題に応答するブース」。2年後には全国9地区ぶんの課題や希望が集まるわけで、それはきっとビジネスだけでなく、日本の将来にとっての宝のようにも思えます。
アカデミストとしても、この事業に大いに共感し賛同しており、一部出資していることから、推薦者として加わることにしました。新しい学術の在り方において学術系クラウドファンディングとして貢献できる道筋をより強固にしたいと考えており、全国の様々な研究者の方々との新しい出会いに大きな可能性を感じています。2年間にわたる壮大なプロジェクトです。ご支援、何卒よろしくお願い申し上げます!
時期 | 計画 |
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2024年1月 | 特設サイトローンチ!https://www.iias-3questions.info/ |
2024年3月3-6日@広島大 | 記念すべき第一回目、中国地方で開催! 《中国 3 QUESTIONS》 |
2024年4月 | その後、広く幹事校を募り、順次、各地区での 3 Questionsを実施 |
2024年12月 | 2024年のうちに4地区実施 |
2026年1月 | 2026年1月までに残り5地区で実施し、終了! |