多くの方々からのご支援をいただき、ひとまず当初の目標額の80万円に到達することができました。ここまでご支援いただいた方々、SNSでの拡散に協力いただいた方々、本当にありがとうございました。
これで今年8月のキャンプを開催する予算については何とか確保できましたが、来年度以降の開催予算の見通しは依然厳しい状況のままです。今回、かなり早くファーストゴールに到達できたので、7/10までのセカンドゴールとして160万円を設定し、来年度以降も継続的にキャンプを開催していくための費用を募りたいと思います。追加のご支援についても同様に、キャンプに参加する高校生の旅費に充てさせていただきます。
支援してくださった方からの心温まるコメント、一つ一つ読ませていただいています。私たち研究者が高校生むけ素粒子キャンプBelle Plusに込めた想いにこれだけ多くの方々が賛同してくださったこと、本当に嬉しく思います。また、キャンプ卒業生やその親御さんからも続々と応援が届きました。卒業生たちはキャンプでの経験を活かしてそれぞれの道で頑張っているようです。キャンプ運営スタッフとして何よりの喜びです。
次世代を担う高校生たちに少しでも多くチャンスを与えられるよう、皆様からのご支援を何卒よろしくお願いいたします。
西田昌平・中山浩幸
宇宙には、まだ解明されていない謎がたくさん残っています。そのカギを握る加速器を使った実験では、宇宙の創世記に近い高エネルギー状態を人工的に作り出し、未知の素粒子を発見することを目指しています。
茨城県つくば市にある研究施設・高エネ機構(KEK)で行っているBelle II実験では、SuperKEKB加速器で生じる大量の素粒子反応データを蓄積、解析を行います。前身であるBelle測定器の50倍のデータを収集し、粒子・反粒子の対称性の破れや、新しい物理法則を探究します。大量の実験データが可能にする精密な測定により、未知の素粒子によるわずかな影響も見逃さずにとらえることができます。この実験から、「宇宙から反物質がなぜ消えてしまったのか?」「暗黒物質の正体は何なのか?」という、現代科学に残された謎の手がかりが得られるかもしれません。
加速器実験には、運転前の建設期間を含めて15年以上の長い年月がかかります。そのため、実験と同時に次世代の育成も進めていかなければなりません。私たち研究者は研究の合間を縫って、高校生や大学生に向けた科学教育にも熱心に取り組んでいます。
Belle IIグループでは、科学を志す高校生に最先端の素粒子研究を体験してもらうサイエンスキャンプ「Belle Plus」を2006年からほぼ毎年開催してきました。
Belle Plusでは、全国から男女合わせて約20名の高校生を4日間KEKに招待します。研究者と大学院生がつきっきりで指導しながら大学院生レベルの高度な実験を行います。さらに、高校生自身で結果をまとめて研究者たちの前で発表してもらうという、野心的なプログラムです。過去10回の開催のたびに改良を重ね、高校教諭からも高い評価をいただけるプログラムへと成長してきました。
キャンプを行う場所は、縦・横・高さが8メートル、総重量が1400トンの巨大「Belle II測定器」があるKEK。この測定器は、7種類の異なる素粒子センサーで構成されており、いわば巨大なデジタルカメラです。1秒間に3万回の超高速シャッターを切り、加速器で人工的に作り出した電子・陽電子ビームの衝突反応の様子を記録できます。世界最先端の素粒子実験の現場で、高校生たちは本格的な測定に挑みます。
Belle Plusでは、4つのグループに分かれて研究します。そのうちのひとつである「新粒子探索」班では、実際の実験で収集した素粒子の衝突反応のデータの中から、新しい粒子を探索します。BelleIIの前身であるBelle実験ではこれまで数多くの新しい粒子を発見してきましたが、参加者は、Belle検出器で記録された本物の素粒子衝突反応のデータの中から、粒子の探索を研究者とほぼ同じプログラムを使って行います。
Belle 実験のビーム衝突で生まれた重い粒子は、より軽い粒子に壊れていき、Belle検出器で捉えられます。この捉えられた軽い粒子の情報を組み合わせて、元の重い粒子が何かを調べます。2つの粒子に壊れる場合には比較的簡単なのですが、参加者の中には3つ以上の粒子に壊れた粒子や、壊れてできた粒子がさらに別の粒子に壊れたような複雑な過程で、新しい粒子を探す生徒もいました。これまで、未知の粒子を見つける大発見…はありませんでしたが、Λc(ラムダシー)という珍しいバリオン(陽子の仲間)を発見した生徒もいました。
この粒子、Belle実験の研究者でも見つけるのは大変な珍しい粒子で、高校生が見つけるとは研究者も思っていなかったので、うれしい驚きでした。今回、また何か別の粒子を高校生がみつけるかもしれません。
住んでいる場所や、家庭の経済状況によらず、科学を志す高校生にはチャンスを与えてあげたい。そんな運営メンバーの思いから、Belle Plusに参加する高校生には、KEKまでの旅費・滞在費を、居住地によらず全額サポートしてきました。東北や九州、沖縄や北海道、石垣島などの遠方からも参加者が集まることで、高校生たちの新たなつながりも生まれています。
しかし、国の昨今の科学技術関連予算の削減により、Belle Plusの運営予算の確保が難しくなっています。半額の予算で行った去年は、やむを得ず近郊からの参加者に絞らざるを得ませんでした。全ての高校生に平等なチャンスをとの思いが込められた Belle Plusは存続の危機にあります。長い年月をかけてさまざまな宇宙の謎を探求する素粒子実験には、その探究の道筋を途絶えさせないためにも、次世代の育成は不可欠です。Belle Plusは、未来の研究者を発掘し、育てる絶好の機会であるといえます。
厳しい予算状況ではありますが、今後も高校生への全額サポートを続けられるようにしたい。そういう思いから、今回のクラウドファンディングの挑戦を決めました。皆さまから頂いたご支援は、全国各地から集まる高校生の旅費・滞在費の不足分に充てさせていただく予定です。ぜひ、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。
時期 | 計画 |
---|---|
2017年6月1日〜7月10日 | クラウドファンディング挑戦 |
2017年8月7日〜10日 | Belle plus開催 |
2017年9月3日 | 開催報告会 |
今年のBelle Plusの様子を報告書にまとめて、メールにてお届けします。高校生たちの活躍にぜひご注目ください。
Belle Plus 報告書(PDF版)
10人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
1000円のリターンに加えて、Belle2実験とその前身のBelle実験の公式ロゴのステッカーをお送りします。このロゴのデザイン、小文字の「e」と「裏返しのe」が合体して「B」になっているのがわかりますか? 電子(e-)と陽電子(e+)を衝突させてB中間子を作る、私たちの実験の特徴をよく表しています。
Belle オリジナルステッカー / Belle Plus 報告書(PDF版)
5人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
3000円のリターンに加えて、Belle2実験グループ内で作ったTシャツ(非売品)をお送りします。研究者たちもイベントや取材などでよく着ています。胸にBelle2測定器のイラスト、背中には歴代ノーベル物理学賞の受賞者たちのリスト、腕にはBelle2実験のロゴがあしらわれています。
Belle2実験グループTシャツ(非売品) / Belle オリジナルステッカー / Belle Plus 報告書(PDF版)
167人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
5000円のリターンに加えて、プロジェクト報告会@KEKにご招待いたします。2017年9月3日の一般公開の日にあわせて開催いたしますので、ぜひお越しください。なお、当日お越しになれない方々には、当日利用した資料をメールにてお送りいたします。
KEKでの報告会への参加券 / Belle2実験グループTシャツ(非売品) / Belle オリジナルステッカー / Belle Plus 報告書(PDF版)
28人のサポーターが支援しています (限定 40 個)
10000円のリターンに加えて、1980年頃にKEKで行われていた「泡箱実験」の写真フィルムの実物を加工したしおりをお送りします。実際の素粒子反応が記録された非常に貴重なもので、映った模様は一枚一枚違います。液体水素を充填した容器に粒子を通過させると、通り道に沿って微小な泡が生成します。これを三つのカメラで同時に撮影することで、粒子の三次元的な軌道がわかります。当時の研究者たちは、写真フィルムに映った模様を丹念に調べることで、素粒子に働く物理法則を理解しようとしていました。
泡箱フィルムしおり / KEKでの報告会への参加券 / Belle2実験グループTシャツ(非売品) / Belle オリジナルステッカー / Belle Plus 報告書(PDF版)
8人のサポーターが支援しています (限定 15 個)
30000円のリターンに加えて、KEKの各施設を見学するツアーにご参加いただけます。KEKで働く現役研究者が、大型の加速器やそれを使った実験の内容についてご説明いたします。実施日は、ご都合に合わせてある程度の調整が可能です。
KEK解説ツアー(日程調整可) / 泡箱フィルムしおり / KEKでの報告会への参加券 / Belle2実験グループTシャツ(非売品) / Belle オリジナルステッカー / Belle Plus 報告書(PDF版)
6人のサポーターが支援しています (限定 10 個)
今回準備したすべてのリターンに加えて、高校生による感想文の冊子と、Belle2ロゴ入り作業着をお送りします。高校生の氏名や学校名などは冊子に記載しません。裏表紙は、小林・益川両博士がノーベル物理学賞を受賞した際、書いていただいた色紙の写真です。作業着は、実験ホールで作業する際、私たちが着ているのと同じものです。Belle2実験の研究者の中でも、現場作業に携わる人しか持っていないレアものです。
高校生感想文冊子 / ロゴいり作業着 / KEK解説ツアー(日程調整可) / 泡箱フィルムしおり / KEKでの報告会への参加券 / Belle2実験グループTシャツ(非売品) / Belle オリジナルステッカー / Belle Plus 報告書(PDF版)
2人のサポーターが支援しています (限定 5 個)
当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。
Belle Plus 報告書
10
人
が支援しています。
(数量制限なし)
Belle オリジナルステッカー 他
5
人
が支援しています。
(数量制限なし)
Belle2実験グループTシャツ(非売品) 他
167
人
が支援しています。
(数量制限なし)
KEKでの報告会への参加券 他
28
人
が支援しています。
(限定 40 個)
泡箱フィルムしおり 他
8
人
が支援しています。
(限定 15 個)
現役研究者によるKEK解説ツアー(日程調整可) 他
6
人
が支援しています。
(限定 10 個)
高校生感想文冊子とロゴ入り作業着 他
2
人
が支援しています。
(限定 5 個)