私の目標は、再生可能エネルギーから生成される水素を燃料として活用した、クリーンで枯渇の心配がないエネルギーシステムを構築することです。その鍵となるのは、水素と酸素を燃料に電力を得る「燃料電池」の普及です。
燃料電池には「触媒」と呼ばれる材料が不可欠です。この触媒の性能が燃料電池のパワーを決めます。現在、この触媒には高価な白金が使われ、触媒だけで1MJあたりのエネルギーに対して100万円ほどの高コストがかかり、このコストが大規模普及を妨げています。私はこの問題に対処するため、白金の1/300の価格かつ、耐久性も勝る炭素で新たな触媒の材料開発に取り組んでいます。
2030年には水素がガソリンよりも安価な燃料になると予測されています。これにより、物流、公共交通機関、自家用車の燃料費が削減され、私たちの生活水準も向上するでしょう。
私はこの研究を通じて、枯渇しない水素を用いた新たなエネルギー革命の実現をさせたいです。そして、30年後の世界がエネルギーに溢れ、さらなる発展を遂げた社会を構築できることを目標にしています。
私たちは燃料電池の触媒を炭素材料で実現するために、その課題である性能が発揮されにくい原因に着目しています。
従来の「とりあえず作ってみる」スタイルから脱却し、表面科学の厳密な実験データに基づく原理の解明に重点を置き、この分析結果を触媒設計に反映させます。これにより、従来の触媒開発では成しえなかった高性能ながらも大量生産に適した炭素触媒の設計が可能になります。これまでの研究では、窒素やリンなどの元素を炭素原子の一部と置き換えることで性能を引き出せることがわかりました。
燃料電池の電力は「電圧×電流」です。今回のプロジェクトでは、2つのチームでそれぞれ「高電圧の獲得」と「大電流の実現」を目指し、課題を分担して取り組みます。これにより、両者の成果を統合し実用化に達する高性能な炭素触媒設計を目指します。
触媒作製が成功した後は、現在原料を購入している企業に触媒の製造を委託します。さらに完成した触媒をデバイスに組み込む作業も外部に委託することで、製造プロセスを効率化します。最終製品は私たちから燃料電池メーカー等へ直接販売し、安価で高性能な燃料電池用の炭素触媒を市場に普及させたいと考えています。
燃料電池では高い電圧と大きな電流を得るために、異なる課題を同時に解決する必要があります。私たちはこの課題を克服するため、2つの研究を連携させ、実用化に達する高性能な炭素触媒の作製を目指します。
1. 酸素分子の吸着の強さと触媒性能(電圧)の関係性解明
触媒への酸素分子の吸着の強さが性能に影響を与えるとされていますが、どのようなミクロ構造が、その吸着の強さや触媒性能に影響するかは十分に解明されていません。そこで表面科学の手法を用いて、ミクロ構造とエネルギー準位を観察し、酸素分子の吸着の強さとの関係を見ていきます。本研究により、触媒性能の向上に必要な要素を明らかにし、原子レベルでの高性能な触媒設計を実現します。
2. マクロ構造制御による触媒性能(電流)の向上
1の成果をもとにミクロ構造を最適化し、さらにより大きなマクロ構造を調整することで、発電性能の向上を目指します。炭素触媒では電流値が十分に出ないことが課題です。その原因は、触媒内部での反応物の移動が阻害されるためです。本研究では、性能の測定と分光分析を組み合わせて、触媒内部の反応物移動メカニズムを実験的に解明し、電流値を向上するために必要なマクロ構造の設計指針を確立します。
化石燃料の枯渇やカーボンニュートラルの達成が急務とされる現在、水素を基盤としたエネルギー革命は不可欠です。しかし、燃料電池に必要な白金は貴重であり、価格や資源面から広範な普及が難しいです。このため、数十年後を見据えると、安価で資源リスクの少ない炭素材料での代替が必須となります。
本プロジェクトは、水素燃料による石油以来のエネルギー革命を目指します。この挑戦的な研究で、再エネと燃料電池技術の組み合わせによる、循環するエネルギーシステムの完成に貢献します。
皆様からのご支援は、実用試験の測定や市場調査の費用に充てさせていただきます。市場調査では、販売可能な触媒に求められる具体的な性能を明らかにし、実用試験測定から現状の触媒を普及するために足りない要素を特定します。これらの調査と私たちの研究成果で、高性能で安価な炭素触媒を実現します。
本研究の成功は、エネルギー問題の解決だけでなく、日本が省エネに続く新エネの分野で世界をリードするきっかけにもなります。資源に乏しい日本にとって、新たなエネルギー環境の構築は急務です。世界共通のエネルギー問題解決に向けて、どうかご支援をお願いします。
林田くんは、燃料電池の白金代替触媒の研究に情熱的に挑み、学術的なメカニズム研究を基盤に、高コスト問題を解決する革新的触媒の開発に成功してきました。今回その社会実装を目指し、燃料電池デバイスの開発に本気で取り組んでいます。彼の挑戦が次世代クリーンエネルギー普及の突破口となることを確信しています。皆様の温かいご支援をお願い申し上げます。
気候変動は地球生命体の深刻な危機ですが、CO2排出削減は実質的に進展していません。燃料電池はカーボンニュートラルに不可欠ながら、高コストが課題であり、特に白金触媒に代わる低コスト触媒の開発が急務です。中でも有望なカーボン触媒の実用化には、基礎研究に基づく挑戦が重要であり、この若い世代の果敢な取り組みに期待します。
時期 | 計画 |
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2025年4月 | 価格競争のための市場調査 |
2025年5月 | 依頼測定による現状の触媒の発電試験 |
2025年9月 | ドイツのグループと、高性能な炭素触媒の作製に向けた共同研究 |
2026年9月 | 安価で高性能な炭素触媒の完成 |
2026年10月 | 発電試験による性能確認と調整 |
2028年4月 | 炭素触媒の商品化 |
メールでお礼のメッセージをお送りします。
このリターン実施は2026年3月を予定しています。
お礼のメッセージ
支援する2人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
国立国会図書館などで公開される博士論文の謝辞にお名前を掲載させていただきます。
このリターンは2026年3月を予定しています。
お礼のメッセージ / 博士論文の謝辞にお名前掲載
リターン | 実施予定日 |
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博士論文の謝辞にお名前掲載 | 2026年03月 |
5人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
academist Journalに寄稿する研究報告レポートにお名前を掲載します。
このリターン実施は2026年3月を予定しています。
お礼のメッセージ / 博士論文の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポートにお名前掲載
リターン | 実施予定日 |
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博士論文の謝辞にお名前掲載 | 2026年03月 |
研究報告レポートにお名前掲載 | 2026年03月 |
4人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
本プロジェクトに関するオンラインサイエンスカフェにご招待します。
このリターン実施は2025年7月を予定しています。
お礼のメッセージ / 博士論文の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ
リターン | 実施予定日 |
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博士論文の謝辞にお名前掲載 | 2026年03月 |
研究報告レポートにお名前掲載 | 2026年03月 |
オンラインサイエンスカフェ | 2025年07月 |
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
今回の研究が論文化した際に、謝辞を掲載いたします。
お礼のメッセージ / 博士論文の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ / 論文謝辞にお名前掲載
リターン | 実施予定日 |
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博士論文の謝辞にお名前掲載 | 2026年03月 |
研究報告レポートにお名前掲載 | 2026年03月 |
オンラインサイエンスカフェ | 2025年07月 |
2人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
北海道大学の当研究室の一般向け研究室見学会にお越しいただくことができます。
このリターン実施は25年の8月を予定しています。
※北大までの旅費は自費となります。
お礼のメッセージ / 博士論文の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ / 論文謝辞にお名前掲載 / 研究室見学会
リターン | 実施予定日 |
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博士論文の謝辞にお名前掲載 | 2026年03月 |
研究報告レポートにお名前掲載 | 2026年03月 |
オンラインサイエンスカフェ | 2025年07月 |
2人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
本研究について個別にディスカッションする機会を設けます。具体的な内容や日程は個別にご相談いたします。
お礼のメッセージ / 博士論文の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ / 論文謝辞にお名前掲載 / 研究室見学会 / 個別ディスカッション
リターン | 実施予定日 |
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博士論文の謝辞にお名前掲載 | 2026年03月 |
研究報告レポートにお名前掲載 | 2026年03月 |
オンラインサイエンスカフェ | 2025年07月 |
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
科学に魅せられた理由やどういった経緯で博士課程まで進んだのかなどの出張講義を中高生向けに行います。まだ博士課程に在学するからこそ話せる進学したメリットなどをお話いたします。
具体的な内容や日程は個別にご相談いたします。
※宿泊費・交通費は別途いただきます。
お礼のメッセージ / 博士論文の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ / 論文謝辞にお名前掲載 / 研究室見学会 / 出張講義(中高生向け)
リターン | 実施予定日 |
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博士論文の謝辞にお名前掲載 | 2026年03月 |
研究報告レポートにお名前掲載 | 2026年03月 |
オンラインサイエンスカフェ | 2025年07月 |
0人のサポーターが支援しています (限定 2 個)
本研究に関する出張講義を行います。具体的な内容や日程は個別にご相談いたします。
※宿泊費・交通費は別途いただきます。
お礼のメッセージ / 博士論文の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ / 論文謝辞にお名前掲載 / 研究室見学会 / 出張講義(研究内容)
リターン | 実施予定日 |
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博士論文の謝辞にお名前掲載 | 2026年03月 |
研究報告レポートにお名前掲載 | 2026年03月 |
オンラインサイエンスカフェ | 2025年07月 |
0人のサポーターが支援しています (限定 2 個)
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