1945年8月22日、樺太からの引き揚げ船3隻が他国の潜水艦に攻撃されました。「第二号新興丸」はなんとか留萌港にたどり着いたものの、「小笠原丸」と「泰東丸」は沈没。1700名以上の引き揚げ者と乗組員が犠牲となった、いわゆる「三船殉難事件」です。小笠原丸は1,403トン、1906年に日本国内で初めて建造されケーブル敷設船です。泰東丸は880トン、戦時標準船です。
沈没した2船は過去に潜水調査がおこなわれ水中写真が撮影されてはいるものの、海底にどのような状態で横たわっているのか、その全体像は明らかになっていません。海洋調査の基本は、マルチビームソナー(MultiBeam EchoSounder:MBES)を使って地形図を作ることですが、戦後の潜水調査ではそれはおこなわれておらず、潮がきつく、透明度も悪いことから、船名確認を含め、十分な調査はできていないのが現状です。
そこで私たちは、最新鋭のマルチビームソナーを用いて沈没した小笠原丸と泰東丸の三次元計測をおこない、立体図を作成し、2船が現在、海底でどのような状況にあるのかを明らかにし、犠牲者の慰霊をおこないたいと考えています。 また、調査を通じでマルチビームソナー調査技術の詳細や海底調査活動の実態を紹介します。
本調査では、遊漁船を1隻借り受け、マルチビームソナー(SONIC2024(東陽テクニカ提供)R2SONIC社製)やGPS等の調査機器、および放送に必要なアンテナ類を取り付け、現場において2船を含む詳細な海底地形図を作成します。
2船の位置は、過去におこなわれた調査でダイバーにより確認されているため、ほぼ正確であると考えらえます。ただし、当時の測位精度を鑑みて上記地点を中心として1浬 × 1浬の範囲を調査する予定です。
マルチビームソナーは、扇型に音響ビームを出し、反射点の位置を計測していきます。小笠原丸と泰東丸の深度はそれぞれ100m・60mと比較的浅いこともあり、高い分解能のデータが取れると期待されます。
調査の様子はYoutube のニコニコ公式チャンネルで生中継し、調査技術と小笠原丸および泰東丸の状況をリアルタイムで皆さんに広く知ってもらいたいと考えています。またデータはすべて公開し、今後のROV調査や遺骨収集などの潜水調査活動に役立つ基礎資料を提供します。
※ 配信方法がYoutubeからニコニコ生放送に変更となりました。(2024年8月13日 追記)
【調査日程】
8月19日(月):艤装
8月20日(火):調査予定
8月21日(水):予備日
8月22日(木):予備日(殉難の日)
これまでの6回の調査は、クラウドファンディングからの支援金などで賄ってきました。ご支援・ご声援いただいた方々に対してここに改めてお礼申し上げます。利益を求めないボランティアベースによる沈没船調査は、多くの方々からのご協力で行ってこそ意義があるものと考えています。すべての情報を公開し、また、実況中継することで参加意識を高めることが大切であり、今回も同じような考えに立って行います。
今回の調査もボランティアベースでおこないますが、用船料、輸送費、交通費、広報費などでおよそ200万円が必要となります。そのうち120万円を皆さまからご支援いただきたいと考えています。第7回目の調査によろしくご支援、ご声援ください。
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本調査はYoutube のニコニコ公式チャンネルにて生配信します。また、8月3日には三船殉難事件と本調査に関する解説番組も配信します。
※ 配信方法がYoutubeからニコニコ生放送に変更となりました。(2024年8月13日 追記)
【8月3日(土)14:00-】
北海道沖で撃沈された「三船殉難事件」の沈没船を追う
〜なぜこの調査が必要なのか 解説&プロジェクト紹介〜
https://youtube.com/live/p_oBQaUuqms
【8月20日(火)朝6:30-(予定)】
北海道沖で撃沈された「三船殉難事件」の沈没船を追う
〜船上からマルチビームソナー調査の全工程をライブ配信〜
https://live.nicovideo.jp/watch/lv345479660
時期 | 計画 |
---|---|
2024年8月19日 | 艤装 |
2024年8月20日 | 調査予定 |
2024年8月21日 | 予備日 |
2023年8月22日 | 予備日 |
今回の調査の様子をまとめた「調査結果概要(PDF)」をお送りいたします。気合いを入れて作成しますので、ぜひご支援ください。(画像は、2022年、マルチビームソナーで発見した米国潜水艦「アルバコア」)
調査報告概要(PDF)
46人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
サポーターの皆さまにお送りする調査結果概要にお名前を掲載します。(アルバコアを発見したときのニコニコ生放送画面)
調査報告概要(PDF) / 調査報告概要にお名前掲載
56人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
調査終了後、できるだけ早い時期に結果をとりまとめ、報告を兼ねたオンライン講演会を開催します。当日のアーカイブ動画は参加者の皆さまに限定公開します。(画像は、「伊58」プロジェクトの際の特別報告会の様子)
調査報告概要(PDF) / 調査報告概要にお名前掲載 / オンライン特別報告会
52人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
調査全体の詳細な報告書をお送りします。ぜひご支援ください!(画像は、マルチビームソナーの送受波器)
調査報告概要(PDF) / 調査報告概要にお名前掲載 / オンライン特別報告会 / 調査報告詳細版(PDF)
7人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
マルチビームソナーで計測された、沈没船を含む詳細な地形図をお送りします。ぜひご支援ください。(画像は、松浦武四郎記念碑の向こう側に殉難の海を望む写真)
調査報告概要(PDF) / 調査報告概要にお名前掲載 / オンライン特別報告会 / 調査報告詳細版(PDF) / 詳細な海底地形図
6人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
小笠原丸と泰東丸の調査について、オンラインでディスカッションしましょう! 日程や内容は個別にご相談させていただきます。(1時間程度)(画像は、三船殉難の碑)
調査報告概要(PDF) / 調査報告概要にお名前掲載 / オンライン特別報告会 / 調査報告詳細版(PDF) / 詳細な海底地形図 / 個別ディスカッション
2人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
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調査報告概要(PDF)/お礼メッセージ
46
人
が支援しています。
(数量制限なし)
調査報告概要にお名前掲載 他
56
人
が支援しています。
(数量制限なし)
オンライン特別報告会 他
52
人
が支援しています。
(数量制限なし)
調査報告詳細版(PDF) 他
7
人
が支援しています。
(数量制限なし)
詳細な海底地形図 他
6
人
が支援しています。
(数量制限なし)
個別ディスカッション 他
2
人
が支援しています。
(数量制限なし)