この度は多くの方々よりご支援をいただきまして、目標金額を達成することができました。本当に安堵しております。サポートしていただいた皆さまに、心より御礼申し上げます。
いよいよプロジェクトを開始します。今後も継続的に活動について発信いたしますので、高島市・栗東市・近江八幡市・米原市と滋賀県各地において展開される、コミュニティ・ミュージアムにぜひ足を運んでいただければ幸いです。また各地のこうした活動の交流を通してノウハウや知見を共有し、さらに新たな活動を生み出す波及効果をも生み出すことができればと考えております。書籍の方も楽しみにしていただければと存じます。
引き続き、私どものプロジェクトにご注目ください。何とぞよろしくお願いいたします。
私たちが成し遂げたいことは、「地域社会の思い出や歴史を地域の中で語らったり展示したりする個性的なコミュニティ・ミュージアムが各地にできる社会」の実現です。地域住民がそれぞれの地元における歴史や暮らしについて自ら調査し、その成果を展示や郷土誌、映像作品などさまざまな形で発表し、自らが生きる地域を再発見し盛り立てていく、そうした取り組みを通じて住民たち自身が地域の継承者として次世代を育むことができる、そんな社会を目指します。
近年、各地で住民に開かれた博物館を志向する住民参加型博物館の試みが行われてきましたが、私たちが目指すのは住民が自ら「学芸員」となり、専門家からの助力も得ながら自分たちの住まう地域の歴史・民俗・文化について自らの関心や必要に応じて調査して、成果を展示・共有する活動です。地域に残された史資料や文化財を住民が再発見・活用し、自らの地域社会の来歴を掘り下げ、成果を共有する私設の地域博物館の設立、字誌の編集・刊行といった活動について調査・支援すること、またそうした活動を行う住民同士が相互に刺激を得てさらに活動を発展していくためのネットワークの構築と方法論の共有・発展が本研究の課題です。
私たちはこれまで、地域住民によって行われる歴史遺産の継承や歴史の叙述、また伝統文化や史料を基盤とした地域での活動に意義を見出してきました。それらについて具体的に明らかにするとともに、住民と協力して地域博物館を学生たちと運営したり、地域の方たちの家に眠る資料からご本人たちも気づいていないような地域の価値を発見したりしてきました。
たとえば、滋賀県には集落や個人が設立した博物館が多くあるものの中には活動が停滞しているものもあることを知り、学生とともにそのサポート活動をおこなってきました。2009年度より滋賀県高島市の古民家を活かした地域博物館である白谷荘歴史民俗博物館の資料整理および展示作業を進め、また近江八幡市円山のヨシ問屋西川家でも資料整理をおこなっています。米原市東草野地区では廃校となった小学校教室を利用した東草野山村博物館の整備を実施し、2022年7月には開館しています。
このように、各地における地域の方たち自身による歴史や地域遺産をめぐる実践が持つ可能性を分析するとともに、自らもそこに積極的に関わりサポートしていく点に私たちの研究上のアプローチの特徴があります。本プロジェクトでも、まずは一緒にコミュニティ・ミュージアムを作ってくださる地域の方たちとの対話の場をつくります。そして、一緒になってミュージアムの構想を練ったり、資料を集めたり、展示を企画したりしてプロジェクトを進めていきます。さらに私たちの実践と成果をウェブサイトで発信するとともに、書籍として刊行します。
私たちは「地域社会の思い出や歴史を地域の中で語らったり展示したりする個性的なコミュニティ・ミュージアムが各地にできる社会」を実現するために、次の4つのテーマを掲げて研究を進めます。
1. 先行事例の調査と活動支援
住民運営による地域博物館の設立や郷土誌の刊行という形で既に一定の成果を挙げつつある先行事例について、開始に至るプロセス、予算・人員の確保、拠点となる設備等、運営のノウハウ、専門家との連携等を調査し、その活動を支援します。具体的には、兵庫県姫路市香寺町の住民による石造物調査・民俗行事調査・「大字誌」づくり・自治会文書の保全整理といった活動について分析し、地域社会における歴史的な遺産をめぐる実践の可能性を探ります。また前章で紹介した滋賀県の博物館にて、住民たちが将来にわたってその運営を持続的に続けていく上での課題と方策を探ります。これらの情報を基に、他地域での運営ノウハウの共有・応用を目指します。
2. ミュージアム設立支援
先行事例調査と並行して、同調査で明らかになった課題や可能性を踏まえつつ、滋賀県栗東市で自治会を中心とした地域の方たちと協力して、新たなコミュニティ・ミュージアムを住民とともに始めます。具体的には昔の東海道が通っていた街道筋の集落や、今も民俗行事が多く残る山間地の集落を想定します。
3. ネットワーク構築
本研究で扱うようなコミュニティ・ミュージアムの類似事例は全国に広がっているものの、活動同士は十分な連携を図ることができていません。本研究は、各メンバーがこれまで実績を積んできた滋賀県を舞台としていますが、実は県内だけでも地域博物館のとりくみも3、40箇所が存在しています。貴重な歴史文化資源に恵まれ、住民がそれらを守るための活動が数多く見られる滋賀県を手始めに、各地のコミュニティ・ミュージアムがその活動を互いに知り、刺激しあい、それぞれが活動を展開させていくための研究会を立ち上げることがまずは目標です。その上で将来的に、そのネットワークをより広範に拡げていくことを目指します。
4. 成果の発信・刊行
コミュニティ・ミュージアムでの史資料・民具等の調査や地域での活動の進捗についてウェブサイトで継続的に報告を行っていきます。実際にどのように住民とともにミュージアムを立ち上げていくのか、史資料・民具の調査や展示を行っていくのか、多くの方々に成果を見ていただくべくどのように活動しているのかについて定期的にウェブサイトで発信します、さらに③における各地の活動との交流とネットワークの成果も加えて、書籍『コミュニティ・ミュージアムのつくり方(仮題)』を刊行し、成果を共有します。
この研究を進めるために、全体を統括する武田俊輔を代表とし、2班体制をとります。先行事業班として市川秀之・高田知和、新規事業班として笠井賢紀・木村敏・竹山和弘で構成しますが、各班は対応する事業について責任をもって担当しつつ、全体で綿密な連携を図ります。
今回のプロジェクトでは、学術研究を対象とした研究助成では支払いが難しい経費を中心にご協力いただきたいと考えています。
1. 先行事例の調査と活動支援 では、地域に密着した活動を行う大学生たちと共に先行事例を調査し、またそこでの活動に参画します。そのための活動費に充当します。それによって先行事例の活動そのものも活性化し、新たな活動にもそこでの知見を活かすことができます。2. ミュージアムの設立支援 では、運営に不可欠で、長期的に活用可能な文書箱、アクリルケース、パネルなどを購入して活動の基盤を整えます。ただし人件費や光熱費などの経常費については、ミュージアムを運営する地域の方たち自身に支払っていただき、活動の持続性を高めます。3. ネットワーク構築 では、同じような活動をされている方や、これからしたいと考えている人たちを集めたシンポジウムを開催します。このことを通じて緩やかなつながりや新たな協議体を生み出します。そのために会場費や登壇者の旅費・謝金が必要です。4. 成果の発信・刊行 ではミュージアムの所蔵品のオンラインアーカイブを構築するとともに、調査の進捗状況をウェブサイトで発信します。また私たちの成果を書籍にまとめて刊行し、各地でコミュニティ・ミュージアムの活動にとりくむ方々、ご協力いただいた方々に配布します。そして、プロジェクトの運営・広報にあたる事務職員を雇用します。
「コミュニティ・ミュージアムが各地にできる社会」の実現のためには、それぞれ地域の方たちとの連携が必要不可欠です。今回のプロジェクトをきっかけに、皆さんと一緒に実現を目指したいと考えています。応援よろしくお願いいたします。
以前、私が『学校で地域を紡ぐ』(2020、小さ子社)を編んだ時、その問いの中心にあったのは、地域コミュニティにおけるヒト、モノ、情報の結節点としての学校という場の役割だった。じっさい、少なからぬ学校が、郷土資料室とよばれるミュージアム施設を有し、結節点としての機能を果たしている。近江コミュニティ・ミュージアム研究会が取り組む課題も、これに近接し、重複するもののように見受けられる。その活躍を大いに期待し、全力で応援する。
江戸時代、京都の各町に必ずあった会所は明治以降維持できなくなり、現在旧市街で会所を保有する町は百以下です。会所のある町には祭礼用具や古記録など、その町独自の歴史が蓄積します。今でいう博物館の収蔵庫のようなもので、そうした町はコミュニティー力が高いのです。等身大の地域の歴史は、コミュニティーの力の源泉です。アカデミズムをはじめ様々な立場性の方々が地域住民とともに作り上げる地域博物館運動は、地域知の拠点としてのひとつの可能性の提示です。
何年か前、父母の系譜を遡るファミリーヒストリーを試みて、その家業だった「製麺」「製綿」「牛肉」「魚」や「乾物」の商いが、どれだけその小都市の歴史的な発展と重なりあっているか、友人の酒造会社や砂糖・油の商いがいかに重要な役割を果たしたのかを知って、びっくりした。このコミュニティ・ミュージアムの構想が実現すれば、幾重にも織り重ねられた人びとの生活の営みが、それぞれの地域での等身大でリアルな歴史として甦るだろう。その成果を期待し、推薦する。
「近江コミュニティ・ミュージアム研究会」による「新しい生活学展望型」のクラウドファンディングには大きな期待を寄せている。長浜曳山祭りの研究者である武田先生、滋賀県栗東市を中心に地域社会のコミュニティを調査研究されている笠井先生、そして歴史社会学や地域史の専門家である高田先生など現在、地域社会学やコミュニティ研究者の最高の人たちを集めて、「近江コミュニティ・ミュージアム研究会」を組織し、地元の自治体や博物館の学芸員も巻き込んで構成されている。ここには、新しい生活学構築の期待が込められている。私など、40年も学会に入ってはいたができなかった研究が若い世代の研究者たちによって実現できそうな予感がしているのである。
時期 | 計画 |
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2023年12月 |
研究開始
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2024年2月 | 姫路市香寺町における住民による文書整理および文化財調査、大字誌作成の活動に関する調査 |
2024年5月 | 新設コミュニティミュージアムのオープン。18日(国際博物館の日)にオープン記念シンポジウムを開催。 |
2024年8月 | 白谷荘歴史民俗博物館所蔵の教科書資料による展示開催(滋賀県高島市今津東コミュニティセンターを予定)。 |
2024年9月 | コミュニティ・ミュージアム交流会、シンポジウムに向けた報告書および書籍執筆開始。 |
2024年11月 | 滋賀県立大学で開催される学園祭(湖風祭)において展示。 |
2024年12月 | コミュニティ・ミュージアム交流会、シンポジウム開催。 |
2025年3月 | 書籍『コミュニティ・ミュージアムのつくりかた』(仮題)出版。 |
メールでお礼のメッセージをお送りします。
お礼メッセージ
リターン | 実施予定日 |
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お礼メッセージ | 2023年11月 |
20人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
ネットワーク構築や成果報告のためのシンポジウムで配布する資料をまとめた報告書をお送りします。また成果をまとめた書籍『コミュニティ・ミュージアムのつくり方(仮題)』にお名前とともに謝辞を掲載いたします。
お礼メッセージ / 研究成果となる書籍(冊子)にお名前掲載
リターン | 実施予定日 |
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お礼メッセージ | 2023年11月 |
8人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
ネットワーク構築や成果報告のためのシンポジウムで配布する資料をまとめた報告書をお送りします。また成果をまとめた書籍『コミュニティ・ミュージアムのつくり方(仮題)』にお名前とともに謝辞を掲載し、1冊を贈呈いたします。
お礼メッセージ / 研究成果となる書籍(冊子)にお名前掲載 / 研究成果となる書籍(冊子)の送付
リターン | 実施予定日 |
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お礼メッセージ | 2023年11月 |
53人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
ネットワーク構築や成果報告のためのシンポジウムで配布する資料をまとめた報告書をお送りします。また成果をまとめた書籍『コミュニティ・ミュージアムのつくり方(仮題)』にお名前とともに謝辞を掲載し、3冊を贈呈いたします。さらにコミュニティ・ミュージアムについてのオンラインレクチャーにご招待します。
お礼メッセージ / 研究成果となる書籍(冊子)にお名前掲載 / 研究成果となる書籍(冊子)の送付 / オンラインレクチャーへの招待
リターン | 実施予定日 |
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お礼メッセージ | 2023年11月 |
2人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
ネットワーク構築や成果報告のためのシンポジウムで配布する資料をまとめた報告書をお送りします。また成果をまとめた書籍『コミュニティ・ミュージアムのつくり方(仮題)』にお名前とともに謝辞を掲載し、5冊を贈呈いたします。さらにミュージアムについてのオンラインレクチャーにご招待するほか、国内の希望地(要相談)にてプロジェクトに関連する講演をプロジェクトメンバーが行います。ただし宿泊費(必要に応じて)、交通費、会場費など謝金以外の必要経費はご負担ください。
お礼メッセージ / 研究成果となる書籍(冊子)にお名前掲載 / 研究成果となる書籍(冊子)の送付 / オンラインレクチャーへの招待 / プロジェクトメンバーによる講演
リターン | 実施予定日 |
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お礼メッセージ | 2023年11月 |
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
ネットワーク構築や成果報告のためのシンポジウムで配布する資料をまとめた報告書をお送りします。また成果をまとめた書籍『コミュニティ・ミュージアムのつくり方(仮題)』にお名前とともに謝辞を掲載し、10冊を贈呈いたします。さらにミュージアムについてのオンラインレクチャーにご招待するほか、国内の希望地(要相談)にて地域社会の調査をプロジェクトメンバーが行います。ただし宿泊費(必要に応じて)、交通費など謝金以外の必要経費はご負担ください。また、調査には支援者ご自身も積極的にご協力ください。
お礼メッセージ / 研究成果となる書籍(冊子)にお名前掲載 / 研究成果となる書籍(冊子)の送付 / オンラインレクチャーへの招待 / 出張調査
リターン | 実施予定日 |
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お礼メッセージ | 2023年11月 |
1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
ネットワーク構築や成果報告のためのシンポジウムで配布する資料をまとめた報告書をお送りします。また成果をまとめた書籍『コミュニティ・ミュージアムのつくり方(仮題)』にお名前とともに謝辞を掲載し、10冊を贈呈いたします。さらにミュージアムについてのオンラインレクチャーにご招待するほか、本プロジェクトに連携する形でご参加いただけます。想定しているのは、本プロジェクトに関する専門的な知見を持った個人・団体等です。どのような連携・参加が可能かは、相談を重ねて決めていきます。ただし、連携参加者は本プロジェクトの運営について決定権を持つものではないことに注意の上、寄付の前にプロジェクトのメンバーとコンタクトを取られることを推奨します。このリターンに含まれる出張調査は、連携した事業に必要な場合にのみ行います。
お礼メッセージ / 研究成果となる書籍(冊子)にお名前掲載 / 研究成果となる書籍(冊子)の送付 / オンラインレクチャーへの招待 / 出張調査 / 連携参加権(要相談)
リターン | 実施予定日 |
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お礼メッセージ | 2023年11月 |
1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
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お礼メッセージ
20
人
が支援しています。
(数量制限なし)
研究成果となる書籍(冊子)にお名前掲載 他
8
人
が支援しています。
(数量制限なし)
研究成果となる書籍(冊子)の送付 他
53
人
が支援しています。
(数量制限なし)
オンラインレクチャーへの招待 他
2
人
が支援しています。
(数量制限なし)
プロジェクトメンバーによる講演 他
0
人
が支援しています。
(数量制限なし)
出張調査 他
1
人
が支援しています。
(数量制限なし)
【追加リターン】連携参加権(要相談) 他
1
人
が支援しています。
(数量制限なし)