学術系クラウドファンディングサイト「academist(アカデミスト)」
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SUCCESS
原田 陽子
フリーランス、流しの洋裁人
支援総額: 456,900 円
目標金額: 350,000 円
達成率
130 %
サポーター
47
残り時間
終了
募集期間は終了しました

目標金額を達成しました!

ご支援いただいた皆様

お礼が大変遅くなり、申し訳ございません。
総勢47人もの方々にご支援賜りました。
また、知り合いなどに呼び掛けて頂いたり、SNSでシェアして頂いたりと
47人の方々以外にも多数の方に応援していただいたことを大変うれしく思っています。
また、日本生活学会の方々には、このクラウドファンディングへの挑戦に大きな後押しをしていただき
誠にありがとうございました。

流しの洋裁人の製作や子育て、自身の体調不良などなかなかはかどっておりませんが、
皆様の応援を力に頑張ります。

挑戦者の自己紹介

原田 陽子

私は普段「流しの洋裁人」という、洋裁の光景をつくる活動をしています。日本各地の繊維産地を巡って入手した表情豊かで希少な布を用い、日常着をセミオーダーでつくっています。流す場所は都内のストリートをはじめ、一般的に洋裁の光景が見られないような場所です。
この研究テーマのきっかけとなったのは、10年前に友人から「足利織姫神社」のお守りをもらったことです。その後、生地の仕入れで全国を巡るうち、数件の機屋さんから機織りの神様について聞くことがあったのです。
2018年に織物産地である山梨県富士吉田市へ移住しましたが、ハタオリのお祭りであるハタオリマチフェスティバルの開催時に、実行委員会一同が当日早朝に「ハタガミ様へイベントの成功を祈願してきた」という話を聞き、これは新たな信仰の形だなぁと一層興味がわいたのです。かつて養蚕が盛んな頃には各地に蚕を祀る社も多数あったそうです。
現代において、まだ産業としてのこるハタオリにまつわる機神様は、どのような形で信仰されているのでしょうか。自らの流しの洋裁人としての活動と並行して、服以前の布のことを知り、布が出来上がるまでの背景も伝えていけたらと考えています。

あなたが研究を通して成し遂げたいことはなんですか?

私はこの研究を通して、日本各地の機織りに携わる人々の日常生活に埋め込まれたような、習慣化している現代に寄り添った信仰の形を探りたいです。それがひいては、モノづくりにかける人々の思いを記録することにもつながり、明らかにして発信することで布の価値を高め、生産プロセスを自覚した消費者を増やせるのかもしれない。この研究を明るいアパレル産業の未来を描くことにつなげたいと思っています。

私は普段、職業的研究者ではなく、流しの洋裁人という屋号で、現代では日常的に見られなくなった洋裁の光景を街中に作りだす活動をしています。それは、服は人が縫っているということを再認識し、モノの裏側にある生産の現場に思いを巡らせた消費行動をとる人が増えてほしいという願いからです。

全国各地にはその地域ならではの布があり、1960年代にはそれを訪ね歩いた先達の記録※1 が存在します。しかしながらそれらも伝統や工芸品認定を受けたのち、産業としては消えていったものが多数あります。かつてこの国で最先端の技術を生み出し、輸出産業として国を支えていた機織り産業ですが、残っている機織り産地は価格競争や高齢化と担い手不足などの問題を抱えながら生き残りをかけて奮闘しています。そのような日々の中で、1反が無事に織り終わりますように、商売繁盛しますようにと祈りを捧げる機神様の存在があるようです。時に日常すぎて忘れられ、時にはここぞとばかりに祈られる、そんな現代の機織りの神様を記録として残したいと思います。

※1 富山弘基・大野力著,『日本の伝統織物』,徳間書店,1967

どのようなアプローチで実現しようとしていますか?

流しの洋裁人の活動は、普段自分たちが着ているものが、どういうプロセスを経て作られているのか、それを実際に体験してもらう活動を各地で実施し、記述してまとめることで、芸術学の修士号を取得しました。

これまでは生地から服ができあがるプロセスを見せることをメインとしてきましたが、今回の研究では流しの洋裁人として各地の布を仕入れるうちに気づいた布生産のプロセスの尊さも結果的ににじみ出てくればいいなと思っています。今回の研究で得た成果を今までの流し先以外のルートにも伝導していくことで、異なった分野からモノ作りのプロセスに興味を持つ人が増えることを期待しています。各地の機屋さんや神社を訪ね歩き、観察し、記述していくため、歴史学や芸術学的な実践的アプローチではなく、フィールドワーク研究の手法や民俗学的観点を取り入れていきます。

今回のプロジェクトで行う研究テーマはなんですか?

現代における機織の神様の祀られ方や、祀る人々の関係性を明らかにしていきます。各地で出会った機屋さんたちの営みのなかで育まれてきた、習慣化して本人すら気づかないような信仰や所作を、仕事と生活のグラデーションのなかでつぶさに見つけていく観察とインタビューを行います。また、機屋さんだけではなく、現代の地域での機神様の祀られ方やその変遷などを明らかにしていくため、氏子や地域住民、神主さんへのアンケートも行います。

日本生活学会に所属しているため、フィールドワーク研究を得意とされる笠井賢紀先生にご協力頂きながら、このクラウドファンディングを機に民俗学に詳しい方々からのアドバイスも受け、全国の機神様情報を集め、記録として残していきたいです。

まずは、今現在自らが住み、この研究のきっかけにもなる機神様が存在する富士吉田市を拠点に調査を始め、ひとつの形(ブックレット)を完成させたのち、周辺地域、関東、関西へと研究の輪を広げていきます。

研究費サポートのお願い

現在、研究機関に属しているわけでもないため、野生の研究者となります。自営で行っている「流しの洋裁人」事業の中から研究費や研究時間を捻出することとなるため、研究費サポートは切実にお願いしたく、クラウドファンディングにチャレンジしています。また、このプロジェクトを公開することにより、各地の機神様情報を集めやすくなり、民俗学的知見を集めるためのオンラインディスカッションの場づくりにもできると考えています。

また、自身は未満児2人を育てる自営業者でもあります。研究を諸事情でいったん離れている誰かのencouragementにもなればよいなと思います。

支援金の用途としては、取材対象者への謝礼・研究で必要な用具・消耗品の購入・資料収集のために大きな研究機関や大学図書館へ通う交通費や資料購入、資料のコピー代・記録をまとめたブックレット製作にかかわるデザイン経費や発行代金、に充てます。

推薦者コメント

饗庭 伸
東京都立大学都市政策科学科 教授

あちこちを流しながら、服についての固定観念をかきまわし、一方で富士吉田でしっかり根をはりつつある原田さんの活動と生き様は、本当に魅力的で、多くの人たちに是非とも知ってもらい、応援してもらいたくあります。機神様を博物館に閉じ込めてしまうのではなく、現代的な意味をもって蘇らせるような、ダイナミックな研究プロジェクトが計画されており、たくさんの支援が集まることを願っています。

笠井 賢紀
慶應義塾大学法学部 准教授

対象とどう出会い、どう向き合うのかが大事だと思います。原田さんは「流しの洋裁人」をやっていたからこそ「機神様」に出会えました。そして研究の経験もあるからこそ、記録することで向き合おうと思えたはずです。信仰や民俗の歴史や正統性は重要ですが、今回は日々のくらしの中で「機神様」信仰がどう生きているかに迫るものです。生き生きと流しをしてきた原田さんだからこその新しい形の記録が生まれると確信し応援しています。

丸山 僚介
元 デザイン・クリエイティブセンター神戸 企画部門チーフスタッフ/株式会社POS建築観察設計研究所 スタッフ

生活を支えるあらゆるモノ・コトの根っこにある「つくる」という行為が、簡易化・自動化されてその本質が見えづらいまま盲目的に消費してしまう現代において、原田さんのプリミティブで透明性の高い「つくる」行為は、泥臭くも見えるその奥深くに神聖さを秘めているように感じています。そんな彼女の視点で行われる信仰の調査は、日々の営みの中でものづくりに携わる人々の創造に向き合う真摯な姿勢が浮き彫りになるのではないでしょうか。

今なお息づく神様とのご近所さんのような関係性が見えてくること、そして私たちの日々の消費行動に新たな視点が得られるような成果が紡ぎ出されることを楽しみにしています。

研究計画

時期 計画
2023年12月 研究開始 富士吉田、慶応義塾大学にて打合せ、聞き取り調査開始
2024年1月 研究内容検討、分析、再聞き取り調査準備
2024年8月 再インタビュー
2025年1月 研究成果をまとめたブックレット製作開始
2025年8月 ブックレット完成

リターンの説明

リターンの金額に加え、追加支援をすることができます。追加支援分には消費税がかかりません。
1,100 円 (税込)
注目のリターン : お礼メッセージ

メールでお礼のメッセージをお送りします。

リターン内容

お礼メッセージ

実施予定日詳細
リターン 実施予定日
お礼メッセージ 2024年01月

15人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

5,500 円 (税込)
注目のリターン : 研究報告レポートにお名前掲載

academist Journalに寄稿する研究報告レポートにお名前を掲載します。

リターン内容

お礼メッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載

実施予定日詳細
リターン 実施予定日
お礼メッセージ 2024年01月
研究報告レポートにお名前掲載 2025年08月

10人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

8,800 円 (税込)
注目のリターン : 【追加リターン】ファブリックパネル

明治には最盛期を迎え、第二次世界大戦時に消失した山梨の織物『甲斐絹』。現代の機屋さんたちが復元したものをファブリックパネルにしました。
県内産の繭からとった糸でできています。
11cm×16cm厚さ2cm シルク100%
生地の解説文付き。

リターン内容

お礼メッセージ / ファブリックパネル

実施予定日詳細
リターン 実施予定日
お礼メッセージ 2024年01月
ファブリックパネル 2024年04月

5人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

11,000 円 (税込)
注目のリターン : オンラインサイエンスカフェ(ブックレット付き)

研究に関してオンラインで意見交換させてください。ブックレットも送付します。

リターン内容

お礼メッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ(ブックレット付き)

実施予定日詳細
リターン 実施予定日
お礼メッセージ 2024年01月
研究報告レポートにお名前掲載 2025年08月

3人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

16,500 円 (税込)
注目のリターン : 流しの洋裁人のとっておき生地のバッグ

希少な国産生地で作った調査にも便利なコンパクトバッグ(数種の生地から選択)をお届けします。
※ 画像の柄は一例で、地味めになどの要望とご相談の上候補を数点挙げさせていただき、その中から選択していただきます。

リターン内容

お礼メッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ(ブックレット付き) / 流しの洋裁人のとっておき生地のバッグ

実施予定日詳細
リターン 実施予定日
お礼メッセージ 2024年01月
研究報告レポートにお名前掲載 2025年08月
流しの洋裁人のとっておき生地のバッグ 2024年04月

13人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

55,000 円 (税込)
注目のリターン : WSや講演会の開催 流しの洋裁人を呼んでください(8時間)

対象:大学、地域のイベント、公民館、有志の集まりなんでも可能
※交通費は別途支給下さい
※材料やミシンは各自ご準備下さい。1回につき催行人数3人~7人が理想的で、1日に複数回開催も可能
※ミシンスキルは問わず8歳から可能
・サルエルパンツを作るWS(4時間)
・バッグを作るWS(1時間)
・服作り、卒業制作のお手伝い、製作指導
・講演会(仕事づくり、女性の生き方、ものづくり、全国の繊維産地、服飾教育など内容は議論して決定)

リターン内容

お礼メッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ(ブックレット付き) / WSや講演会の開催 流しの洋裁人を呼んでください(8時間)

実施予定日詳細
リターン 実施予定日
お礼メッセージ 2024年01月
研究報告レポートにお名前掲載 2025年08月

1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

このプロジェクトは、 2023年09月29日(金) 10時00分 から 2023年11月15日(水) 17時00分 までの間に目標金額350,000円を達成した場合のみ、決済が確定します。
お支払について
お支払にはクレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、Pay-easy、PayPalをご利用頂けます。
追加支援について
リターンの金額に加え、追加支援をすることができます。追加支援分には消費税がかかりません。
セキュリティについて

当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。

1,100 円(税込)

お礼メッセージ

15 人 が支援しています。
(数量制限なし)

5,500 円(税込)

研究報告レポートにお名前掲載

10 人 が支援しています。
(数量制限なし)

8,800 円(税込)

【追加リターン】ファブリックパネル

5 人 が支援しています。
(数量制限なし)

11,000 円(税込)

オンラインサイエンスカフェ(ブックレット付き)

3 人 が支援しています。
(数量制限なし)

16,500 円(税込)

流しの洋裁人のとっておき生地のバッグ

13 人 が支援しています。
(数量制限なし)

55,000 円(税込)

WSや講演会の開催 流しの洋裁人を呼んでください(8時間)

1 人 が支援しています。
(数量制限なし)

注目のプロジェクト一覧
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