7月4日のミッションは「動くモノを探す」でした。当初「揺れているモノ」と提案していましたが、保育者の判断で「動くモノ」になりました。
朝、豪雨にも見舞われましたが、カメラワークの活動の直前に雨が上がり、カメラを手にした子どもから聞こえてきた第一声は、「雨の滴」。確かに動いています!風に揺れる葉っぱ、木を這うアリ、石を動かすとダンゴムシやミミズが見つかります。
木と木に渡されたロープを目にした男児は、それを揺らしながら撮影。歩いている私も、被写体に。揺れるハンモックを見つけた女児は、ハンモックに乗って撮影を始めました。景色が揺れているかと思ったのでしょうか。しかし、しばらくすると、カメラの向きが反対に。自分が動いている存在であることに気づいた様子です。
振り返りの時間、「動くモノは目で見つけた!」という発言のほかに、「音で動いているモノに気づいた!」という子どもがいました。鳴き声を聞いて虫の存在を知り、ブーンバタバタという音でヘリコプターを認識し、空を見上げる。視覚優位に暮らしているように思われていますが、実は、聴覚もしっかり働いている。「動くモノ」を見つけるカメラワークにより、無意識の側にあった「音」の存在が意識されるようになると、子どもたちの生活・表現にはどのような変化があらわれるでしょうか。来週実施される表現の調査(音・音楽を色・カタチに表現する)が楽しみです。
カメラで、その日のテーマ(ミッション)を撮影する活動が、先週から始まりました。
6月22日の午前中、子どもたちの活動の様子を参観させていただきました。
最初のテーマ(ミッション)は「赤い色を見つけよう」。
子どもたちは、保育者からテーマを聞くやいなや、園庭に走り出て、思い思いの場所で「赤」をカメラに収めます。ヤマモモの「赤」、フェンスの向こうにある「赤」、靴を脱いで自分の靴下の「赤」を撮影したり、置物の猿のほっぺの「赤」に気づいたり・・・・。ふだんは気づかないかもしれないところに、たくさんの「赤」を「目」で捉えました。
二つ目のテーマは「ギザギザの形を見つけよう」。子どもはすぐには動きませんでした。「ギザギザ」ってどんな形かな?ギザギザだと思うもの、ギザギザだと感じるもの・・・・・。しばらく考えて、まずは葉っぱの形に着目した様子でした。子どもの姿を追っていると、木肌に触っている女の子がいました。「目」だけではなく、「触って」ギザギザを感じたのでしょうか。
調査は4グループで実施していただいていますが、2グループが実験群です。統制群、実験群ともに、終了後に振り返りを行います。統制群は、撮影したモノの情報や感想の共有です。実験群ではそれに加え、からだの諸感覚の何を使って見つけたかを確認します。「赤」は「視覚(色)」「ギザギザの形」は「視覚(形)」と、この二つのテーマでは「視覚」を確認していただく予定でしたが、「触ってみたらギザギザだった」と言う活動中の子どものつぶやきを、保育者はしっかり受けとめていて、そのことを振り返りで共有していました。
ギザギザは視覚だけではなく、触感覚でも捉えられる。子どもの感性の柔軟さをあらためて素晴らしいと思うと共に、しっかりとその声を拾い、共感し、クラスで共有している保育者の姿にも感激しました。
ミッションは、あと5つ。「風の音」「つるつる」「揺れているモノ」「美味しそうな匂い」「うれしそうに見えるモノ」と続きます。楽しみです!
調査(2)の刺激音楽は、調査園でゲストチーチャーをなさっているトパさんの制作。本研究に共感してくださって、協力していただいています。音楽に耳を澄ませ、感じたことを感じたままに、色・カタチ・言葉に置き換える調査です。聴覚からの刺激を、色・カタチ・言葉に置き換えていく子どもたち。音をどのように表現していたのか、録画を通し、そのプロセスを分析するのが楽しみです。
子どもが使用するカメラ、録画用ビデオ・三脚、保育者が装備するウェアラブルカメラといった機材を調査園に搬入しました。
また、調査(1)の前に実施する、音楽を聴取してそのイメージを色・形、言葉に表現する活動のpre実験を、明日から行いますので、床に敷くビニールシート、絵の具、模造紙等のモデルセッティングも行いました。
調査協力園にお伺いすると、こんなウェルカムボードと子どもたちのハグ!
日常の保育の中での調査協力って本当に大変なのに、こうして歓迎していただき、感謝感激です😀(サポーターのお一人、東京学芸大学の先生も同行してくださいました!)
進捗状況のご報告が滞り、申し訳ありません。
2月末に研究計画書等を準備し、3月下旬、本学の研究倫理委員会から調査の許諾を得ました。その後、オンラインにて調査協力園の園長・副園長、そして調査に協力を申し出てくださった作曲家トパさんと、調査内容について打ち合わせを行いました。
さらに調査内容を見直し、昨日、調査協力園にお伺いして、5歳児クラスの先生と園長先生、主任の先生と打ち合わせをいたしました。先生方は、まるで活動をしている子どもたちの姿が見えるかのような眼差しで、さまざまに質問をしてくださいました。研究をとても楽しみに、そして面白がってくださっていて、本当にありがたいです。
園庭のどこにカメラを設置するか、先生のウェアラブルカメラの装着方法、活動の手順等詳細に打ち合わせを行い、実践をしてくださる先生方と活動をシミュレーションすることで見つかった新たなる課題について、今、検討しているところです。
来週は、保護者の皆さまに調査内容の説明の時間をいただくことになっています。明日、その動画を作成します!
みなさま、応援ありがとうございます。
本日、クラウドファンディングの期間が終了いたしました。おかげさまで、多くご支援を賜り、また、研究への応援コメントをいただき、感謝申し上げます。
初チャレンジのクラウドファンディングは、ドキドキの毎日でした。しかし、みなさまからの応援が増える毎に、この研究に共感をいただいていることへの喜び、こうして研究を続けられることへの感謝、「頑張るぞ〜」という勇気、そして責任の重さを感じて参りました。
私は、この研究が大好きです。
新年度からの協力園での調査に向け、入念に準備をして参ります。
逐次、進捗状況をご報告いたしますので、これからも引き続き見守ってくださいますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
この景色に耳をすませてみてください。
どんな音が聞こえてきますか?
正解のないハーモニーが聴こえてきませんか?
物理的に聞こえている音は、街を走る車の音であったり、隣室の生活音だったりするのだけれど。でも、見つめていると、柔らかな音の重なりを感じたり、なめらかなメロディーが心の中に届きます。そんな気分を味わっていると、まわりの空気さえも自分をやさしく包み込んでくれるような気持ちになりました。
幼稚園教育要領、保育所保育指針の保育内容領域「表現」の内容の取り扱いに新しく加わった「風の音や雨の音、身近にある草や花の形や色など自然の中にある音、形、色などに気付くようにすること」は、わたしたち大人の生活にゆとりをもたらすのですね。そのゆとりが、子どもの感受への気づきとなり、受容につながります。そのことにより、感性的な出会いのある環境が構成されていく・・・そうした循環を『音感受教育』と呼んでいます。
本日、CBCラジオ番組「燃えよ!研究の志士たち」の収録があり、研究内容についてお話しさせていただきました。
放送は、2月6日、13日の午前11時40分~55分(小堀勝啓のトークジャンボリー内)です。ふと思い出していただけましたら、チャンネルを合わせてください😀
https://hicbc.com/radio/kenkyu/
みなさまに応援いただき、目標を達成いたしました。ありがとうございます。
残り2週間ございますので、NEXT GOALにチャレンジし、望遠・防水、耐衝撃機能に優れたワンランク上のカメラの購入経費とさせていただきたいと考えました。
引き続き応援くださいますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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お礼メッセージ、 寄附金領収書 他
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