【追記】
返金に関しまして、柴藤CEOからのご連絡も含めた訂正をさせて頂きますと、
「クレジットカード決済」の出資者様は決済自体が行われず(従って口座からの引き落としも無い)、「銀行振込」の出資者様は消費税も含めた口座への返金が行われます。
語弊があったことをお詫び申し上げます。
報告者:増永
出資者の皆様へ、
当プロジェクトにおけるクラウドファンディングは「停止」「返金」にて増永・エネ双方で2020年7月末に合意致しました。
以下、増永・エネ両名の最終報告になります。よろしくお願い申し上げます。
【アカデミスト社によるクラウドファンディングのための進捗報告】
増永 真悟
2020年8月10日
「日本・エストニア関係史の200年」Bookプロジェクトにおいて共著者の予定になっており、クラウドファンディングの企画・運用を担当させて頂きました増永と申します。
現在、クラウドファンディング(以下「CF」)の停止と返金に関しまして、出資者の皆様に大変なご迷惑をお掛けいたしております。誠に申し訳ございません。
CFの停止に至った経緯に関しましては、共著者のエネ=セラルトさんとのCFを巡る意見の相違と文化の衝突という点に集約されると思います。これに関しましては全ての内容が文章化されているわけではなく、口頭報告や両人の思い込みなども含まれていると思い、もはや細部に至っての検証は不可能である点から、経緯に関するご報告は不可能と判断いたしました。
いずれにせよ、2020年7月28日、セラルトさんと最後のZoom会議を行い、CFの保留もしくは停止(後に停止で合意)と増永のプロジェクト離脱について合意に達しました。現時点で私はもうプロジェクトメンバーではありませんので、セラルトさんご提案の今後のプロジェクト進行方針については何も語ることはありません。
ただし、CFの停止については7月下旬のメールのやり取りの中で両者間にて合意に達しておりますので、こちらは実行させて頂きます。
再々ながら、CFの責任者と致しましては今回のような事態に陥った事を深くお詫び申し上げますと共に、出資者の皆様への返金に関しましては、最後まで私が責任を持ってアカデミスト社との交渉を続けさせていただく所存でございます。
増永 真悟
【アカデミスト社によるクラウドファンディングのための進捗報告】
エネ・セラルト
2020年8月10日
現時点におきまして、本件出版のためのクラウドファンディングは停止となることが予定されており、本報告が寄付者の皆様への最終報告となる見込みでございます。私の力ではいかんともしがたい理由により、このような形でクラウドファンディングを終了せざるを得ないことにつきまして、私自身も極めて残念に思っておりますことを寄付者の皆様にお伝えしたいと存じます。また、寄付者の皆様の権利が守られるよう最善を尽くすこと、計画している本につきましては完成を目指すことを申し添えます。
日本とエストニアの200年に及ぶ関係史を扱った本の執筆は、私の人生の夢です。この本は是非とも完成させようと思っております。他の研究者仲間の助けを借りてそれが実現することを望んでおります。こうした本を執筆できることは光栄なことであり、また、私がタルト大学で仕事をしている最大の目的です。
いま一度、この本を完成させるためにご寄付の意思を示してくださいました皆様に、心よりの感謝を申し上げたいと存じます。状況改善の努力にもかかわらず、不幸ともいうべき状況が生じてしまいましたことを残念に思っております。ご寄付は、出版費用(すなわち、編集作業、翻訳、デザイン、印刷など)にあてさせていただく予定でしたが、引き続き他の手段を探ってまいりたいと存じます。
以下、本件出版事業に関する活動の概要についてご報告申し上げます。
1)2020年1月22日〜2月4日: 出版準備のための日本出張(旅費および調査費用はすべて自弁)
詳細:1月23日:防衛研究所訪問。所長、副所長、担当職員、研究員との面談
(同研究所所蔵資料についての調査)
1月29日: 在京エストニア大使館訪問
1月24日〜1月31日: 国立国会図書館、外交史料館、ドイツ・インスティテュート図書室等における資料調査および資料収集
2)タルト大学日本史コース担当(過去4年間)
このコースの授業のために、これまで日本・エストニア関係の史資料を収集してきました。しかしながらこれらの資料や文献を系統立てて整理する余裕がなく、ようやく本件出版事業のために、近年、着手しました。
詳細:2020年2月:本書の第1章となる予定の19世紀の歴史に関する資料を整理・分析した。第1章で主として扱うのは、19世紀に来日した探検家の旅行記となる予定である。
3)2020年3月:日露戦争(1904〜1905)に関する資料の整理
これらの資料は、タルト大学でのエストニア・ジャーナリズム史の授業で、1905年革命期のエストニアでメディアに生じた変化について講義する際に用いました。日露戦争がエストニアのジャーナリズムに与えた影響が極めて大きかったことは特筆すべきです。例えば、エストニアの新聞において、戦地からの兵士の手紙という新しいジャンルが生まれ、数多くの手紙が主要紙に掲載されました。私の講義(2020年3月11日)では、1905年当時のエストニアのメディアの変化について、日露戦争の影響という観点から説明を行いました。
4)2020年7月:アダム・ヨハン・フォン・クルゼンシュテルン(1770〜1846)関係資料の調査・分析
クルゼンシュテルンは、バルト・ドイツ人で、エストニアで生まれ育った人物です。彼は、ロシア最初の世界周航(1803〜1806)の指揮官であり、この周航中に日本を訪れました(1804〜1805)。
クルゼンシュテルンの来日概要:
クルゼンシュテルンの旅行記と彼の私的文書は、エストニアの国立公文書館に保存されている。この旅行記には、彼の世界周航とともに、日本での経験についての記述もある。世界周航の計画はそもそも容易ではなく、何度も頓挫しかけたが、彼の意思は固く、ついに1802年、準備開始の許可を得た(正式な命令は、8月7日付)。
いま一つの障害は、周航に適した船舶がなかったことである。そのため、船を2隻、イギリスから購入する必要があった。船は、ナジェージダ(希望)とネヴァと、それぞれ名付けられた。クルゼンシュテルンはナジェージダ号の艦長となった。1803年1月、さらに特使のニコライ・レザノフを団長とする一行が加わることが決定された。この一行には5人の日本人が含まれていた。彼らは太平洋のロシア沖で遭難し、この探検隊とともに、ようやく祖国日本に戻れることになったのである。
1803年8月、艦隊はクロンシュタットを出航した。ナジェージダ号は、それから1年余りをかけて、1804年10月に、日本に到着した。日本到着直前の日々は、とりわけ困難であった。台風による大きなダメージを船が受けたのである。
10月8日、とうとう艦隊は長崎湾に到着した。長崎の役人が上船し、すべての火器と剣を放棄するよう要求し、交渉の末、その役人たちが、これらの武器を預かることとなった。艦隊は、出島近くに錨をおろしたが、乗組員の上陸は許可されなかった。オランダと中国の船が長崎港に停泊している間は、船にとどまらざるを得なかった。これらの外国船が出港したのち、ロシアの船はようやく停泊を許され、特使団に滞在所への上陸が認められた。特使は、天皇や地方有力者へ、ロシア製の花瓶、鏡、絨毯、様々な布などを献上品として持参していた。
特使団長であるレザノフは、何か月も待たされた末に、ようやく日本側の使者に会うことができた。しかしながら、使者が伝えたメッセージは色良いものではなく、結局、ロシアの特使団は天皇への謁見を許されず、献上品を渡すこともできなかった。
クルゼンシュテルンもまた、交渉結果に失望させられた。彼らは上陸を許されなかったのである。こうした状況にもかかわらず、クルゼンシュテルンは己れの関心に従い、地理学的な調査を行い、長崎湾の地図を作成した。1805年4月17日まで長崎港での停泊は続いた。
以上が、エストニアから日本にやってきた人物の、日本との最初の邂逅に関する概観である。
2020年7月25日付 進捗報告【一般向け】
【報告事項】
1)駐エストニア日本大使公邸訪問(7/7)
2)エストニアでの史料調査(7/8)
1)駐エストニア日本大使公邸訪問(7/7)
7月7日夜、セラルト・増永両名は駐エストニア日本国特命全権大使の北岡閣下のご招待を受け、大使公邸に伺わせて頂き、今後の日エ関係史広報強化に関するご意見を拝聴することが出来ました。
また、「エストニア占領と自由博物館」(VABAMU)の代表者ケイウ=テルべ女史も同席しており、当プロジェクトとの今後の日エ関係史広報強化に関する実務的協力について合意いたしました。
2)エストニアでの史料調査(7/8)
7月8日、セラルト・増永両名はタルトゥ市にあるエストニア国立公文書館(ERA)本館にて合同史料調査を行いました。
調査対象は日エ関係史の主に外交・軍事・文化面の史料でした。新発見等に関しましては「進捗報告」(クラウドファンディング出資者向け)にて詳しくご報告させて頂きます。
今回の進捗報告【一般向け】は以上となります。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!
セラルト・増永 拝
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