【第1目標達成のご報告、及び第2目標への挑戦】
サポーターの皆様へ、
皆様のご支援によって、クラウドファンディング第1目標を達成いたしました!!
3月24日に始まったクラウドファンディングですが、5月13日現在286人の方々にサポートしていただいております。
この活動を通して出会った皆様のご協力のおかげです。本当にありがとうございます!!!
現在の私を突き動かしているのは、皆様からの応援の言葉です。改めて心から御礼を申し上げます。
この度、第2目標金額として700万円に挑戦させていただきたいと思っております。
追加支援いただきたい300万円の使用用途は、この研究プロジェクトを実施する研究員の雇用費(半年分)です。本研究プロジェクトにかかる雇用費をクラウドファンディングで獲得することができれば、この研究プロジェクトをより迅速に遂行することができます。
学術系クラウドファンディングでこの金額への挑戦は無謀に思えるかもしれません。第1目標の400万円でも、基礎研究でこの金額は不可能だと言われました。
しかし、このプロジェクトにご賛同してくださった皆様のおかげで、不可能と言われた第1目標を達成することができました。
私には夢があります。それは、「一般の方が正しい科学の知識を得られ、科学に寄付する事が当たり前な文化を日本につくること」です。多くの人々が科学をもっと身近に感じ、そしてその応援が研究推進の力になる、そんな社会を実現したいと考えます。
そのためには、この記憶研究のプロジェクトを、もっと多くの人々に届ける必要があります。
「諦めたらそこで試合終了だよ」。ここからが本当の私の挑戦です。
皆さん、私と一緒に健忘症ゼロの世界を実現しませんか?
挑戦期間終了日の5月27日17時まで全力で頑張ります。
引き続き、ご支援の程どうぞよろしくお願いいたします。
竹内倫徳
皆さんは、昨日の朝ごはんに何を食べたか思い出せるでしょうか。比較的多くの方が思い出せるかもしれません。それでは、1週間前の朝ごはんはどうでしょうか。おそらく自信を持って答えられる方は、あまりいないように思います。朝ごはんにどこで何を食べたかというような日常の記憶は、海馬と呼ばれる脳の領域に形成され、その多くは1日の間に忘れ去られてしまいます。
しかし、日常の記憶を長期間忘れない記憶(=長期的な記憶)に変えられることが知られています。たとえば、「小学校の頃、朝ごはんを食べた後に、親がサプライズで遊園地につれていってくれた」というように、新奇で思いがけない出来事(=新奇な体験)が起こると、記憶を安定化させるメカニズムが脳に働きます。「あの日の朝ごはんを昨日のことのように思い出せる」ということが起こるのです。
私は、この記憶を安定化させるメカニズムについて研究を重ねた結果、新奇な体験をしたときに、青斑核(せいはんかく)と呼ばれる脳の領域から海馬にドーパミンが放出されることで、通常は忘れさられる日常の記憶から長期的な記憶が形成されることを発見しました。この成果は、2016年に科学雑誌Nature誌に掲載されました。
これまでの研究から、新奇な体験による長期的な記憶の形成には、ドーパミンが海馬に放出され、それを受け取った神経細胞の中で新しいタンパク質因子が作られる事が必要であることがわかってきました。しかし、どのタンパク質因子が記憶の安定化に働き、長期的な記憶の形成に重要であるのかは、よくわかっていません。
今回の研究プロジェクトの目的は、新奇な体験による長期的な記憶の形成の鍵となるタンパク質因子を見つけ出し、その作用メカニズムを明らかにすることです。このためにまず、新奇な体験によって海馬の神経細胞内で作られる鍵タンパク質因子の候補を探します。次に、それらの鍵タンパク質因子の候補が、新奇な体験による長期的な記憶の形成にどのような役割を担っているのかを、独自に開発した行動テストを使って検証します。
鍵タンパク質因子を同定することができれば、通常忘れさられる日常の記憶から長期的な記憶が形成されるメカニズムの一端を明らかにすることができると考えます。記憶を安定化させるメカニズムのさらなる理解により、私たちの日常生活において効率良く記憶する方法の確立、加齢により日常の記憶に障害がみられる健忘症などの原因の解明、さらには、その鍵タンパク質因子をターゲットとした有効な薬の開発などに貢献することができると考えています。
今回は、ネズミを用いた実験を進めていきます。ネズミは人間と共通の脳のメカニズムを持っているため、動物モデルとして記憶の研究によく用いられています。
実験1:まず、ネズミは「新奇箱」の中を探索することで、新奇な体験をします。そのネズミの脳の海馬神経細胞を採取し、新たに合成されたタンパク質因子を分析することによって、鍵タンパク質因子の候補を選定します。
実験2:鍵タンパク質因子の同定と役割の解析を、ネズミで日常の記憶を評価する「日常の記憶テスト」を用いておこないます。この方法は、私たちと会話することのできないネズミで記憶を定量的に評価するために、私とイギリスのリチャード・モリス博士とともに確立したものです。この実験において、ネズミにとっての「日常の記憶」は、報酬のエサが隠された砂つぼの場所であり、「新奇な体験」は、新奇箱の中の探索となります。報酬を含む砂つぼの場所を憶えさせる弱い訓練の30分のちに、5分間の新奇な体験をともなうと、普段は数時間で忘れてしまう報酬を含む砂つぼの場所の記憶が、24時間のちにも保持されることが過去の研究からわかっています。
実験1で選定した鍵タンパク質因子の候補群の働きを調べるために、新奇な体験時に各タンパク質因子の機能を阻害します。もしそのタンパク質因子が、記憶の安定化において重要な働きを担っているならば、そのタンパク質因子が働かなくなることにより、新奇な体験による長期的な記憶の形成が起こらなくなるはずです。
果たして鍵タンパク質因子を見つけることはできるのでしょうか。今回、クラウドファンディングを通じて、サポーターの皆様と一緒にこの謎に挑みたいと考えています。目標金額は400万円です。頂いたご支援は、装置や試薬(鍵タンパク質因子の候補の選定に使用する分析装置の試薬、遺伝子改変ネズミを作るための試薬、ネズミの行動実験のための消耗品)を購入に充てる予定です。
私は2018年より准教授として自分の研究室をデンマーク・オーフス大学で持つことができました。しかし、研究室の立ち上げは、ネズミの行動実験を行うための実験室の設計からはじまり、すべての実験装置の購入、および実験方法の確立を自分たちで行う必要がありました。現在、ようやくすべての実験系が動きはじめ、研究環境が整ってきました。これまでの私の記憶研究に対しての経験と知識、および私が開発してきた技術力を最大限発揮できれば、新奇な体験による長期的な記憶の形成のメカニズムを解明し、健忘症ゼロの社会が実現できると信じています。
皆さまからのご支援によって、この研究費を確保することができれば、研究の速度を飛躍的に高めることができると考えております。この学術系クラウドファンディングを通して、研究費獲得の新たな選択肢に挑戦させていただきたいです。そして、支援してくださった皆様には記憶研究の最新の情報をお届けしたいと思っています。ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
時期 | 計画 |
---|---|
2021年3月 | クラウドファンディング挑戦 |
2021年7月 | 実験1:新奇な体験によって作られる鍵タンパク質因子の候補の選定 |
2021年11月 | 鍵タンパク質因子の機能解析を行うため遺伝子改変ネズミの作成開始 |
2021年12月 | オンライン・サイエンスカフェを開催予定 |
2022年11月 | 実験2:鍵タンパク質因子の候補の動物個体での機能解析実験の開始 |
2023年11月 | 学会発表 |
2023年12月 | 論文投稿 |
●専属イラストレーターのイラストとお礼状(電子版)
当研究室の専属イラストレーターによる「デンマーク」✕「研究」をテーマにしたオリジナルイラストと、感謝を込めたお礼状をサポートしてくださった皆様全員に送付させていただきます。
専属イラストレーターのイラストとお礼状(電子版)
54人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
●研究報告レポート(電子版)
プロジェクトの研究成果を、学会ポスター風にまとめてお送りします。
●デンマークのミニ動画(生活編)
デンマーク第2の都市であるオーフスでの日常生活を数分間の動画として、サポーターの皆様にお送りいたします。海外の大学の雰囲気を楽しみたい!デンマーク旅行の雰囲気を味わいたい!そんな皆様と、デンマークの日常生活を共有できればと思います。
例
・デンマークの美しい街並みや、美味しい食べ物の紹介
・おすすめの癒しスポット(混んでない鹿公園、海の上に座れる橋)
・デンマーク・オーフス大学構内の紹介
研究報告レポート(電子版) / デンマークのミニ動画(生活編) / 専属イラストレーターのイラストとお礼状(電子版)
66人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
●学会発表資料の謝辞にお名前掲載
学会にて本研究に関する発表をする際、謝辞にお名前を掲載させていただきます。また、発表資料(電子版)を送付いたします。
●研究報告レポートの説明用音声ファイル
学会ポスター風の研究報告レポートについて説明した音声ファイルをお送りします。学会発表の雰囲気を味わいつつ、記憶研究の過程をご確認いただければと思います。
●デンマークのミニ動画(研究編)
オーフス大学の研究施設と研究室の実験風景を数分間の動画として、サポーターの皆様にお送りいたします。研究者の日常生活を疑似体験(新奇な体験)して脳を活性化させてみませんか?
例
・研究所の施設紹介(シェアの精神あふれるオープンなラボスタイル)
・研究室の実験風景(日常の記憶試験、ネズミの海馬神経細胞の顕微鏡での観察)
学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポートの説明用音声ファイル / デンマークのミニ動画(研究編) / 研究報告レポート(電子版) / デンマークのミニ動画(生活編) / 専属イラストレーターのイラストとお礼状(電子版)
105人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
●サイエンスカフェにご招待
サポーターの皆様をサイエンスカフェにご招待いたします。本プロジェクトを通して、記憶研究の最前線をお伝えします。発表後、皆様とディスカッションできればと思います。サイエンスカフェはオンラインで実施予定です。録画した動画を、Youtubeにてサポーターの皆様に限定公開しますので、当日ご参加できなかった方もご覧になることができます。
●中間報告レポート
プロジェクト期間中(約1年分)の進捗状況を中間報告レポートにまとめ、サポーターの皆様にお送りします。
●デンマークのミニ動画(インタビュー編)
海外で研究に励む日本人研究者へインタビューをおこない、数分間の動画として、サポーターの皆様にお送りいたします。
例
・どうして海外で研究をしているのか?
・海外生活で苦労したこと
・海外に行く前と行った後の違い
●デンマークのミニ動画のリクエスト権
デンマークのミニ動画を作成する上で、「大学の学食を見たい!」、「研究室を見たい!」など、内容をリクエストできる権利です。アンケート形式でリクエストを募集したいと思います。
サイエンスカフェにご招待 / 中間報告レポート(PDF) / デンマークのミニ動画(インタビュー編) / デンマークのミニ動画のリクエスト権 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポートの説明用音声ファイル / デンマークのミニ動画(研究編) / 研究報告レポート(電子版) / デンマークのミニ動画(生活編) / 専属イラストレーターのイラストとお礼状(電子版)
96人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
●論文の謝辞にお名前掲載
本研究成果を科学雑誌に発表する際の謝辞にお名前(個人名、企業名等)を掲載させていただきます。論文の出版までには長い時間がかかることがあると思いますが、ご了承くださいますようお願いします。
論文の謝辞に名前掲載 / 中間報告レポート(PDF) / サイエンスカフェにご招待 / デンマークのミニ動画(インタビュー編) / デンマークのミニ動画のリクエスト権 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポートの説明用音声ファイル / デンマークのミニ動画(研究編) / 研究報告レポート(電子版) / デンマークのミニ動画(生活編) / 専属イラストレーターのイラストとお礼状(電子版)
44人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
●個別ディスカッション権
記憶研究に関して、個別にディスカッションさせていただきます。また、研究者の進路・キャリアパス・海外留学に関する相談等にもお答えできればと思います。状況にもよるかと思いますが、日程によってはオフライン開催も実施できればと思います。具体的な内容について不明な点がありましたら、プロジェクト挑戦中にツイッターかメール(tomonori.takeuchi[at]biomed.au.dk)にご連絡いただき、ご相談させていただければと思います。
個別ディスカッション権 / 論文の謝辞にお名前掲載 / サイエンスカフェにご招待 / 中間報告レポート(PDF) / デンマークのミニ動画(インタビュー編) / デンマークのミニ動画のリクエスト権 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポートの説明用音声ファイル / デンマークのミニ動画(研究編) / 研究報告レポート(電子版) / デンマークのミニ動画(生活編) / 専属イラストレーターのイラストとお礼状(電子版)
12人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
●記憶や神経科学に関するオンライン授業(サポーター限定公開)
これまで大学の授業や、大学院生の研究指導など国内外で教育に携わってきました。この経験を活かし、記憶研究や神経科学に関する授業をおこないます。具体的な内容について、プロジェクト挑戦中・期間中にツイッターかメール(tomonori.takeuchi[at]biomed.au.dk)にでご相談させていただければと思います。本リターンのサポーターが5名を超えた場合は、本授業は本プロジェクトのサポーター全員が参加できる形とし、オンライン授業終了後はYoutubeにて全てのサポーターに限定公開させていただきます。(5名未満の場合は、本リターンのサポーター限定で公開いたします。)
※こちらのプロジェクトは「購入型」のプロジェクトになりますため、税制優遇措置を受けることのできる証明書の発行はできませんが、電子版での領収書の発行は可能でございます。ご希望される場合はこちらよりお問い合わせくださいませ。
記憶や神経科学に関するオンライン授業(サポーター限定公開) / 個別ディスカッション権 / 論文の謝辞に名前掲載 / サイエンスカフェにご招待 / 中間報告レポート(PDF) / デンマークのミニ動画(インタビュー編) / デンマークのミニ動画のリクエスト権 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポートの説明用音声ファイル / デンマークのミニ動画(研究編) / 研究報告レポート(電子版) / デンマークのミニ動画(生活編) / 専属イラストレーターのイラストとお礼状(電子版)
6人のサポーターが支援しています (限定 10 個)
●記憶や神経科学に関するオンライン授業(全世界公開)
本リターンのサポーターが5名に達した場合、「記憶や神経科学に関するオンライン授業」を録画した動画について、サポーター限定配信という枠をはずし、全世界公開いたします。これにより、記憶や神経科学に興味のある人々が、いつでもこの授業を視聴して学ぶことが可能となります。不明な点について、プロジェクト挑戦中・期間中にツイッターかメール(tomonori.takeuchi[at]biomed.au.dk)にてご相談させていただければと思います。
※こちらのプロジェクトは「購入型」のプロジェクトになりますため、税制優遇措置を受けることのできる証明書の発行はできませんが、電子版での領収書の発行は可能でございます。ご希望される場合はこちらよりお問い合わせくださいませ。
記憶や神経科学に関するオンライン授業(全世界公開) / 個別ディスカッション権 / 論文の謝辞にお名前掲載 / サイエンスカフェにご招待 / 中間報告レポート(PDF) / デンマークのミニ動画(インタビュー編) / デンマークのミニ動画のリクエスト権 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポートの説明用音声ファイル / デンマークのミニ動画(研究編) / 研究報告レポート(電子版) / デンマークのミニ動画(生活編) / 専属イラストレーターのイラストとお礼状(電子版)
3人のサポーターが支援しています (限定 5 個)
本プロジェクトの最高額リターンをご支援いただいた方には、クラウドファンディングで準備させていただいた全てのリターンに加え、企業様・個人様のニーズをもとにご要望に応じたリターンを設計させていただきます。少しでもご関心のある方は、ツイッターかメール(tomonori.takeuchi[at]biomed.au.dk)にご連絡いただき、ご相談させていただければと思います。学園祭、大学ゼミ、高校、福祉の専門学校、企業研修等の出張授業も喜んでお引き受けいたします!
サポーターのご要望にできる限り応えます! / 記憶や神経科学に関するオンライン授業(全世界公開) / 個別ディスカッション権 / 論文の謝辞にお名前掲載 / サイエンスカフェにご招待 / 中間報告レポート(PDF) / デンマークのミニ動画(インタビュー編) / デンマークのミニ動画のリクエスト権 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポートの説明用音声ファイル / デンマークのミニ動画(研究編) / 研究報告レポート(電子版) / デンマークのミニ動画(生活編) / 専属イラストレーターのイラストとお礼状(電子版)
3人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。
専属イラストレーターのイラストとお礼状(電子版)
54
人
が支援しています。
(数量制限なし)
研究報告レポート(電子版)、デンマークのミニ動画(生活編) 他
66
人
が支援しています。
(数量制限なし)
学会発表資料の謝辞にお名前掲載 他
105
人
が支援しています。
(数量制限なし)
サイエンスカフェにご招待 他
96
人
が支援しています。
(数量制限なし)
論文の謝辞に名前掲載 他
44
人
が支援しています。
(数量制限なし)
個別ディスカッション権 他
12
人
が支援しています。
(数量制限なし)
記憶や神経科学に関するオンライン授業(サポーター限定公開) 他
6
人
が支援しています。
(限定 10 個)
記憶や神経科学に関するオンライン授業(全世界公開) 他
3
人
が支援しています。
(限定 5 個)
サポーターのご要望にできる限り応えます! 他
3
人
が支援しています。
(数量制限なし)