サポーターの皆様
おかげさまで100%達成となりました!
ご支援を、そしてたくさんの応援コメントをいただきました皆様に心より感謝申し上げます。
未利用キノコの成分について少しでも多くの知見を得られるよう、自分のできる限りを尽くしていきたいと思いますのでどうかよろしくお願い致します。
今後の成果報告やリターン等については進捗報告にて随時お知らせいたします。
また、プロジェクト終了まで期間がありますので、セカンドゴールを40万円に設定させていただき、引き続きプロジェクトの方を進めさせていただきます。
ご支援いただきましたお金は成分を単離精製する際に用いる各種カラムや新たな成分探索源とするためのキノコ菌株の購入、外部の研究機関に分析を依頼する際の費用、生理活性評価や構造解析時における化合物の誘導体化などに用いる各種試薬類の購入などに充てさせていただく予定です。
引き続き本プロジェクトを宜しくお願い申し上げます。
キノコに含まれる成分が、実はまだ詳しくわかっていないことを知ったのは修士課程進学直前に参加した学会でのことでした。「これからはキノコの時代です!」と熱く語る発表者の言葉に惹かれるようにして、これまで植物成分を卒論のテーマとして扱ってきた私はキノコの成分に興味を持つようになりました。そこで修士課程では研究室に保管されていたツキヨタケという毒キノコの抽出物に含まれる成分の探索を研究テーマとし、3種の新規化合物を発見するに至りました。
さらに研究を続けたいという思いから博士課程に進学後、新たに3種の新規化合物を発見しこれらの成果を元に1報目の論文を執筆しました。研究を通じて、特にこれまで食用などの用途で利用されてこなかったキノコの成分が、自分が想像していた以上に未知であることを知りました。そこで未利用キノコに特化した成分研究を通じて、キノコの知られざる有用性や化学成分の多様性を明らかにすることを目指し、日々研究に取り組んでいます。
一般にキノコと総称される菌類は日本国内だけでも5000種ほどが存在していると言われています。そのうち食用などで利用されてきたのはわずか100種類程度。栽培・流通しているものとなるとさらにそのごく一部にすぎません。つまり、日本に生息するキノコのほとんどが未利用資源なのです。これまで見向きもされて来なかった未利用キノコですが、なかには優れた生理活性や新規な骨格を有する成分の報告のある種もあることから、化合物探索という点においては知られざるフロンティアなのではないかと考えています。
私はこのような未利用キノコに着目し、これまでに報告のない化学構造を有した新規化合物を探索・単離精製・構造解析して生理活性を調査することで、未利用キノコの知られざる生態や機能・有用性などについて、化学の視点から解明することを目的として研究を行っています。
さらにその発展として、キノコの人工栽培条件下において環境要因を人為的に制御することでさまざまな環境特異的な成分を誘導し、同じ菌株からより多様な新規成分を含有したキノコを生み出す技術の開発を目指しています。本手法の確立に成功すれば、食用キノコの機能性向上による高付加価値化技術へと応用できることが期待されます。
一言で「キノコから新規成分を探す」といっても、方法はたくさんあります。最もイメージしやすいのは子実体(いわゆるキノコの状態)からの成分探索かと思います。この方法では採取したキノコに含まれる成分について各種クロマトグラフィー法を用いて探索を行います。ところがこの方法では1kg程度のキノコが必要となり、量の制約を受けます。
そこでキノコの菌糸培養による方法が有効となってきます。キノコは菌類ですので普段は菌糸と呼ばれるカビのような状態で生活しています。この菌糸を子実体から分離・培養すれば培養物を多量に得られるので、希少なキノコでも成分探索が可能となります。さらに菌糸は培養条件を変えると作る成分が変化するといわれています。つまり同じ菌糸から多様な成分を誘導出来るのです(OSMAC法といいます)。
一方、同じキノコでも子実体と菌糸体では作る成分が異なるといわれています。よって菌糸から人工的に子実体を形成させて両者の成分を調べれば、より多様な成分が得られることが期待されます。
さらに子実体も環境条件制御により作る成分が変化すると考えられるのですが、実はこのような探索方法は前例がありません。そこで子実体を簡単に誘導できるヤグラタケやスエヒロタケなどを用いてこの方法を研究することでキノコ成分の多様性の一端を明らかとするのみならず、新規化合物探索の新たな戦略を生み出すことを最終的な目標としています。
食用キノコと違い未利用キノコの研究は、日の目を見る機会が少ないのが現状です。加えて未利用キノコの成分を調べている研究者自体国内には少ない状態です。しかし、大村智先生らが放線菌からavermectinを発見し、その業績で2015年にノーベル賞を受賞したように、優れた医薬品は天然から見つかった物質に由来する場合が多くあります。
特に未利用キノコからはこれまでにも、マツカサシメジより単離されたstrobilurin類が農薬のリード化合物になった例があり、さらなる新規有用物質が見つかることが大いに期待できます。
ところが研究を続けるにあたり、必要となる試薬や機器類が十分ではなく、また論文の英文校正や掲載料・学会の渡航費などにも資金が必要な状態となっています。特に培養関係に必要な消耗品にかかる費用が、自分の目指す研究を行うためには足りていないのが現状です。クラウドファンディングで皆さんからご支援いただいたお金は主に上記の用途に充てさせていただきます。皆様からの支援をお待ちしております。
時期 | 計画 |
---|---|
2020年2月27日〜29日 | International Symposium:*Artificial Intelligence applications on Forestry and Agriculture Research*にて研究発表予定 |
2020年3月27日 | 日本農芸化学会にて口頭発表予定 |
2020年12月 | 博士論文提出予定 |
研究の詳細な進捗などをレポートにまとめてお送りします。応援よろしくお願いいたします!
研究報告レポート(PDF版)
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学会にて本研究に関する発表をする際、謝辞にお名前を掲載させていただきます。また、発表資料(電子版)を送付いたします。お力をお貸しください。応援よろしくお願いいたします!
学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
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本研究成果を発表する際の謝辞にお名前を掲載させていただきます。 ※研究成果をまとめられるよう努力いたしますが、論文の掲載に至らない可能性もございますこと、ご承知おきいただけますと幸いです。
論文謝辞にお名前掲載 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
5人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
単離した化合物の構造解析に使用した実際のNMRやMSなどのスペクトルデータを解説付きPDFファイルとして送付いたします。 ※研究成果をまとめられるよう努力いたしますが、化合物の単離や十分なデータの取得に至らない可能性もございますこと、ご承知おきいただけますと幸いです。
化合物のスペクトルの生データ(解説付き) / 論文謝辞にお名前掲載 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
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