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ロケットや月惑星探査機の高精度着陸技術向上に向けた飛行実験に挑戦!

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SUCCESS
新井久旺
東京大学、博士課程1年
Pledged: 1,151,000 JPY
Target Amount: 500,000 JPY
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230 %
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Reached the funding target!

今回のクラウドファンディングでご支援・ご協力頂いた皆様へ

皆様のご支援・ご協力のお陰で,目標金額50万円を達成することができました.そして,株式会社ビットマイスター様による特別追加支援も受けて,合計100万円を超える支援を頂くことになりました.
何よりも嬉しかったのは,これまで46名の方にご支援頂いたことと,多くの応援コメントです.厚くお礼申し上げます.
皆様の支援金を活用し,これより実験機の製作を開始致します.
今後,製作過程や飛行実験について,今回のファンディングページやTwitterを通して随時報告致します.

Tritter URL
https://twitter.com/arai64656238

チャレンジ終了まで残り10日となりましたが,引き続きよろしくお願い致します!

Comment from academist staff
2020年6月の初フライトを目指し、小型ジェットエンジン搭載の実験機を開発する

academist編集部

近年、盛り上がりを見せる宇宙産業や宇宙科学探査には、再使用ロケットや月惑星探査機の利用が重要です。そこに欠かせないのが、誘導航法制御(GNC)を用いた高精度着陸技術。日本では、複数の研究者がこの技術の研究に取り組んでいますが、コンピュータシミュレーションでの検証に限られ、着陸を模擬した飛行実験は行われていません。現実の物理現象には不確実な要素が多いため、飛行実験でこれらを適切に考慮し誘導制御を行うことで、より高精度で安全な着陸が可能となります。そこで新井さんは、GNC技術の飛行実験が可能な小型実験機の開発に取り組もうと考えています。2020年6月の飛行実験開始を目指すという挑戦的な目標を掲げ、クラウドファンディングにチャレンジします!

人類の宇宙進出を支える高精度着陸技術

民間企業の参入が相次ぎ、宇宙産業が世界的に盛り上がりを見せているなか、ロケットや月惑星探査機の高精度着陸技術が注目されています。高精度着陸が必要な再使用ロケットは、我々の生活に欠かせない測位(GPS)や地球観測、通信を担う人工衛星を低コストで高頻度に打ち上げることを可能にします。これは、人工衛星群(コンステレーション)を用いた新しい情報インフラの構築や、エンターテイメントも含めた新しい宇宙利用に繋がります。

月や火星探査においても、高精度着陸技術は重要です。貴重な科学サンプルが露出する険しい地形や水資源が存在する月極域の探査、拠点構築のための同地点への継続的で安全な着陸を可能にするためです。特に月探査は、米国が中心に進める国際的な有人探査計画に代表されるように、日本を含む各国の宇宙機関や新興企業が取り組んでいます。

これら高精度着陸を実現する誘導航法制御(GNC)技術は、ロケットエンジン制御に必要なアルゴリズムや計算機、位置等を測定するセンサからなります。これらは研究すべき課題が多く、今後継続的な発展が必要で、飛行実験を通した検証に大きな意義あります。

日本でも私を含めた複数の研究者がGNC技術の研究をしていますが、コンピュータシミュレーションでの検証に限られ、着陸を模擬した飛行実験は2019年12月現在行われていません。そこで私は、さまざまな技術の飛行実験が可能な小型実験機を製作し、他の研究者にも利用していただくことで、この分野の研究全体を後押しすることにしました。

宇宙科学探査や宇宙産業において日本のプレゼンスを示すために

実験機による飛行実験の意義は、研究成果の実用性を限定的にも証明し、将来の可能性を目に見える形で示すことです。コンピュータシミュレーションでは数多くの状況を簡単に検証できますが、自然界の不確実性の再現は難しく、実験には勝りません。飛行実験では、実際の自然界の条件を踏まえたうえで、他のさまざまな機器と統合された状態での動作や、そこでの新技術の効果を明らかにすることができます。飛行実験から大きな期待の集まる効果が確認されれば、その技術は将来の地球や月惑星への着陸ミッションに活用される可能性が高まります。

実験機によるGNC技術の検証には多くの前例があり、実際のロケットや探査機への応用に先駆けて行われてきました。たとえば、米国スペースX社の再使用ロケット「Falcon 9」で使われている誘導技術の元となる研究は、次世代の火星探査機の着陸技術としてNASAで研究され、米国Masten社の小型実験機で実験が行われていました。

ドイツやフランスの宇宙機関は、ジェットエンジンを搭載した小型実験機を独自に開発し、JAXAとの共同による大型実験機CALLISTOの飛行実証計画も進めています。あらゆる規模で実験が行われることは、次世代技術の挑戦的な基礎研究から実用化間近の技術までを同時に一貫して成長させます。日本において小型実験機の開発を進めることは、日本が世界第一線の着陸技術を絶えず保有し、宇宙科学探査や成長の続く宇宙産業での将来の利益に繋がります。

1日に何度も飛行可能な小型ジェットエンジンを搭載した実験機で、技術検証を繰り返す

今回の研究では、1日に何度も飛行可能な小型ジェットエンジンを利用した実験機を開発します。飛行実験では、実験機を高度100m以上から降下させ、逆推進による着陸までのあいだにGNC技術の検証を行います。模型飛行機用の小型ジェットエンジンであれば整備・運用が行いやすく、1日に何度も飛行させることが可能です。またジェットエンジンの動作は回転力を伴うため、機体が回転しないよう小型のファンでその影響を打ち消します。

実験機の開発と試験は、システムの動作と安全性を確認するため段階的に進めます。最初はジェットエンジンの代わりにダクテッドファンを搭載し、室内でホバリング飛行させます。次に、機体をワイヤーで拘束した状態で、ジェットエンジンによる低高度のホバリング飛行を屋外で行います。これらを通して正常に実験機が機能することが確認できた段階で、高度150mまでの範囲で飛行実験を行います。

場所は、安全を確保できる模型飛行機の飛行場や北海道大樹町を予定しています。安全に飛行実験を行うため、実験機に異常が生じた場合や事前に指定した飛行安全域を逸脱する可能性のある場合は、各々冗長化された、自動および遠隔操作でエンジン停止と非常用のパラシュート開傘を行います。

将来的には、国土交通省への申請が必要なより高い高度や速度を必要とする実験につなげ、より発展的な小型ロケットエンジンを搭載した実験機の開発を目指します。

Why we need your support

実験機を開発するためには、小型ジェットエンジンやセンサ、無線機等のさまざまな機器を購入する必要があります。飛行実験をする際の旅費や飛行場の使用料も必要です。日本学術振興会の科研費(特別研究員奨励費)の申請も行う予定ですが、採択された場合でも、実験機開発と飛行実験を実施するには研究費が十分ではありません。今回のクラウドファンディングでご支援いただく研究費は、これらの費用の一部に充てさせていただきます。

これまで私は、横風やセンサノイズ等の不確実性を考慮した着陸機の誘導制御方法を研究してきました。現実の物理現象には不確実な要素が多く、これらの大きさや特徴から適切な誘導制御を行うことで、より高精度で安全に着陸が実現できます。また国内の他の研究者のあいだでは、燃料効率の良い着陸方法の高速計算法や、飛行経路を予測した制御技術、また、新しい航法レーダーや航法アルゴリズム等の研究がされています。これらはすべて、次世代の宇宙開発に生かされます。

今後は皆さんの協力をいただきながら、2020年6月、東京オリンピック前に最初の飛行実験実施を目指します。これはやや挑戦的なスケジュールですが、確実に飛行実験をするために必要な適度な厳しさでもあります。またクラウドファンディング終了後も取り組みや結果を公表していきます。少しでも興味を持っていただけると嬉しく思います。

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本プロジェクトは、「<BitMeister × academist>マッチングファンド」に選出されたものです。クラウドファンディングが成立した場合、BitMeisterとacademistの特別マッチングファンドとして、50万円の追加支援を実施いたします。
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Profile

新井久旺

私は大学生のとき、小型ハイブリッドロケットを製作する学生サークルに所属し、小型ロケットエンジンの運用と開発、搭載アビオニクスの製作、飛行解析をしていました。そして、火星探査機や再使用ロケットの着陸に惹かれ、大学院からこれらの誘導制御研究に取り組むことにしました。

修士課程時はJAXA宇宙科学研究所の研究室にて、月惑星探査機の着陸誘導研究をしました。そこでは、カメラ等の航法センサの感度や航法アルゴリズムを考慮した新しい着陸誘導方法を研究し、月惑星へのより高精度で安全な着陸が行える可能性を示しました。

博士課程では、横風などの外乱を受ける環境での再使用ロケット等の着陸にも研究範囲を広げ、現在、制御アルゴリズムも考慮した着陸誘導方法を研究しています。また博士課程2年時の来年度(2020年度)からは、日本学術振興会の特別研究員(DC2)として、これらの研究に取り組む予定です。

Project timeline

Date Plans
2020年3月 室内でホバリング飛行
2020年5月 屋外でホバリング飛行
2020年6月 高度150m以下で飛行実験
2020年11月 日本宇宙科学連合講演会にて学会発表
2020年12月以降 学術論文誌に投稿予定

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You may provide additional support in addition to the amount of your return. No sales tax will be charged on the additional support.
1,100 JPY tax included
Featured : 研究報告レポート(PDF版)

研究の詳細な進捗などをレポートにまとめてお送りします。応援よろしくお願いいたします!

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感謝の気持ちを込めて、研究報告レポートにお名前を掲載させていただきます。応援よろしくお願いいたします!

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5,500 JPY tax included
Featured : 飛行実験映像の謝辞にお名前掲載

最初の飛行実験の映像公開時、謝辞にお名前を掲載させていただきます。映像はYoutubeを通して公開する予定です。 ※飛行実験を成功させるよう努力いたしますが、映像の公開まで至らない可能性もございますこと、ご承知おきいただけますと幸いです。

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11,000 JPY tax included
Featured : 飛行実験報告会&360°VR飛行映像体験

飛行実験報告会にご招待いたします。日時は2020年の夏~秋を予定しており、場所は確定ではないですがX-NIHONBASHIもしくは東京大学本郷キャンパスを予定しています。当日は実験機の開発やその飛行実験結果ついてお話させていただきますので、ご参加をお待ちしています!なお、報告会の前後に、実験機から撮影された映像をVRゴーグルを通してお楽しみ頂ける時間を設けます。 ※当日ご参加いただけない場合には、後日資料を共有させていただきます。

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22,000 JPY tax included
Featured : 実験機解説ツアー

大学にご招待し、実験機を直接公開/解説いたします。実験による機体損失の可能性があることから、拘束飛行テスト後~フリーフライト前を予定しておりますが、日程を複数日設ける等、柔軟に対応する予定です。 ※当日ご参加いただけない場合には、後日資料を共有させていただきます。

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Featured : 学会謝辞にお名前掲載

本研究成果を発表する際の学会発表資料の謝辞にお名前を掲載させていただきます。

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55,000 JPY tax included
Featured : 飛行実験にご招待&論文謝辞にお名前掲載

実際の飛行実験にご招待いたします。最初の飛行実験成功後、日程を調整して実施いたします。場所は東京から車で日帰りで行ける範囲、もしくは、北海道大樹町を中心に検討中ですが、それ以外の場所になる可能性もありますのでご承知おきください。実験場では安全面の関係上、指定の場所からご覧いただくかたちになります。地上へのカメラの設置等は自由に行っていただいて大丈夫です。また、本研究成果を発表する際の謝辞にお名前を掲載させていただきます。 ※画像はイメージです。 ※飛行実験を成功させるよう努力いたしますが、飛行実験のご招待まで至らない可能性もございますこと、ご承知おきいただけますと幸いです。 ※現地までの交通費・宿泊費等は含まれません。 ※研究成果をまとめられるよう努力いたしますが、論文の掲載に至らない可能性もございます。この点もご承知おきいただけますと幸いです。 

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飛行実験にご招待&論文謝辞にお名前掲載 / 学会謝辞にお名前掲載 / 実験機解説ツアー / 飛行実験報告会&360°VR飛行映像体験 / 飛行実験映像の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)

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550,000 JPY tax included
Featured : 株式会社ビットマイスターによる特別追加支援

本プロジェクトは、「<BitMeister × academist>マッチングファンド」に選出されたものです。チャレンジ期間内にクラウドファンディングが成立したため、BitMeisterとacademistの特別マッチングファンドとして、50万円の追加支援を実施いたします。

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株式会社ビットマイスターによる特別追加支援

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Supporters will be charged the funding amount only if the project reaches the funding goal (JPY 500,000) before 19:00 on February 25, 2020 (JST: GMT+9).
Payment options
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Additional Support
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Securities

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