Challenge period
2021-10-20 - 2026-10-31
Final progress report
Wed, 01 Oct 2025 16:05:40 +0900
Progresses
77 times
Supporters
90 people
Elapsed time
Wed, 20 Oct 2021 10:00:00 +0900
坂本美理、竹内彩也花、浅葱
坂本美理:応用哲学・倫理学、特に生殖と養育やParenthoodに関わる倫理を研究しています。現在は東京大学大学院死生学応用倫理専攻の博士後期課程に在籍しています。私は、哲学をする/研究する上で、数少ない女性の先輩や同輩に助けられてきました。私も誰かの助けになりたい、哲学への道が全ての人に開かれていてほしいという思いからWOMEN:WOVENの運営を行っていきたいと考えています。
竹内彩也花:専門は近代日本哲学、特に西田幾多郎をはじめとする京都学派の哲学。現在は京都大学文学研究科修士課程に在籍しています。「女性」ということを介した経験をもつ人とのつながりが少ない中で、WOMEN: WOVENという場は、私の研究にとって陰に陽に支えになってきたと感じています。こうした取り組みを引き継ぎつつ、私自身の哲学の関心や、さまざまな生のあり方へについて、学びを深めていけたらと思います。
浅葱:國學院大學文学部哲学科卒。在学時は性自認とは何か?というテーマで分析フェミニズムやジュディス・バトラーの著作を取り扱っていました。現在は税務に携わっており、将来は再び哲学アカデミアの場に戻りたいと考えています。自閉スペクトラム症。私自身が哲学の営みに繋がり続けることを通して、WOMEN:WOVENの活動と発展に貢献できれば幸いです。
なぜ、学部、修士課程、博士課程と進んでいくにつれて、哲学を専門とする女性の数は相対的に減っていくのでしょう。私たちの活動の原点にあるのは、この問題意識です。各大学によって事情は少しずつ異なりますが、女性の比率が低いこと、それも学年が進むにつれて不均衡が激しくなっていくことは、哲学における全体的な傾向と言えます。
結果として、哲学科の女性教員の数が男性に匹敵するほど増えることはなく、またそのことが哲学の道に進もうとする女性の足を止めてしまう、という悪循環を生み出しています。ロールモデルの不在は、哲学を志した場合の自分の人生をまったく想像のつかないものにしてしまうからです。
もちろん、アカデミア全体の未来が不透明である現状において、男性の研究者もまた、育児・介護・単身赴任をめぐって、想像のつかない人生に困難を感じているでしょう。しかし、女性の場合にはその数の少なさゆえに、研究を継続していく中で生じる女性特有の悩みを分かち合う相手を探すことがなかなかできません。私たちはこの現状を変えるため、哲学する女性が互いを支え合うことのできるネットワークを作ることにチャレンジしています。
私たちは上記の現状に鑑み、哲学を志し研究する女性がロールモデルを発見し、日頃の研究活動のなかで感じている悩みや痛みを共有し合うことで共に解決策を考えることのできるネットワークを構築したいと考えています。
過去2回、この目的のためにイベントを開催した実績があります。
・2020年12月19日「女子学生のための哲学研究者ウィンタースクール」
・2021年3月22日、24日、26日「WOMEN: WOVEN Vol. 1」
それぞれのイベントでは、3名の登壇者をお呼びしてご自身の研究活動や、研究に従事する女性として考えることについてレクチャーを行なっていただきました。レクチャーのあとは、参加者全体でディスカッションをするネットワーキングタイムを設け、横の繋がりを作ることを試みました。これにより、大学院進学や研究に従事する女性を取り巻く環境について、大学などの所属機関の垣根を越えて問題共有をすることができました。
イベントのない期間でも、Slackを運営することで、各自の疑問を共有したり、互いに連絡を取ったりする場所を確保しています(現在の登録者:264名)。
哲学研究者を志す女性のネットワークを構築するために、私たちは以下の課題に取り組んでいます。
・イベント企画
2021年10月から2022年9月までの一年間で3回開催することを目標に、初期キャリアの研究者を招いたイベントの企画をしています。現在は、2021年12月に開催予定のイベントに向けた準備をしています。
・Slackコミュニティの運営
フェミニズムに関連する国際学会の紹介、女性の筆者に限定した書評執筆の募集、選択的夫婦別姓やパスポートの名義の手続き上の問題に関する意見交換を行いました。今後も、様々な「女性」たちがともに支え合うことができるような、より多様性のあるコミュニティを構築できるよう工夫していきます。
・ホームページの運営
イベントの報告やミーティングの議事録をホームページに掲載し、私たちの活動をより広く周知しようと努めてきました。クラウドファンディングの活動報告では、ホームページよりもさらに充実したコンテンツを掲載する予定です。
私たちの活動を持続可能なものにし、次の世代につなげたい。これが私たちがクラウドファンディングに挑戦する理由です。全国に点在する高等教育機関で哲学研究・教育に従事する上の世代の女性たちの経験や知識を集約し、次世代の女性たちへと継承すること、ゆくゆくはその成果を政策提言に結びつけていくことを目指しています。
また、私たちの挑戦の背景には、アカデミアを構成する様々な仕事が、しばしば無償あるいはよくて薄給という現状があります。この現状を変えることも、私たちの挑戦理由です。
支援金は、イベント登壇者への謝礼、画像使用料を含むホームページの制作費、コミュニティ内で万が一ハラスメント・差別発言等があった場合の弁護士等への法律相談料を含む運営費、原稿の執筆料などに活用させて頂く予定です。
活動報告欄では、登壇者の研究や活動の紹介、オーガナイザーが研究に従事する女性として日々感じていることを綴ったエッセイ、哲学分野で活躍する女性の研究紹介などの掲載を予定しています。これらのコンテンツは、将来的には、哲学研究者を目指す女性のためのハンドブックとして出版することを計画しています。
***
(2025年10月追記)
ありがたいことに、本プロジェクトは2025年10月から5期目に入りました。これまでのご支援をもとに、以下のイベントの開催、その他の活動を行うことができました。
2023年10月 「外見に基づく差別とは何か」読書会
2023年12月 イベント vol.6
2024年2月 『自由と社会的抑圧』読書会
2024年3月&5月 『荷を引く獣たち』読書会
2024年4月 イベント vol.7
2024年7月 哲学若手研究者フォーラムにてワークショップを開催
2024年9月 総会
2024年10月 「クワロマンティック宣言」読書会
2024年11月 『恋愛社会学 多様化する親密な関係に接近する』読書会
2025年4月 ミニ研究発表会
2025年5月 総会
2025年8月 『女の子のための西洋哲学入門』読書会
2025年8月 イベントvol. 9
***
・メディア取材 (京都新聞 2024年3月7日)
・登壇 哲学オンラインセミナー主催〈オンライン・コミュニティはどこから来てどこへ行くのか:オルタナティブ・コミュニティの会〉
・哲学若手研究者フォーラム会誌『哲学の探求』第52号へのワークショップ報告掲載
など
WOMEN: WOVENでは、今後も年4回程度のイベント開催を通じて、哲学に関わる「女性」が安心して学ぶことができる場を作っていくという目的を果たしていきたいと考えています。このプロジェクトを継続的に行うためには、イベントの登壇者やオーガナイザーの活動に対する適切な謝礼や、団体運営や読書会の開催にかかる諸経費を支出するための資金が必要です。皆様のサポートによって、こうした活動をより安定した形で継続することができます。第5期もご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
Date | Plans |
---|---|
2021年10月 | 月額支援型クラウドファンディング開始 |
2021年12月 | 第3回イベントの実施 |
2022年3月 | 第4回イベントの実施 |
2022年8月 | 第5回イベントの実施 |
2022年9月 | 月額支援型クラウドファンディング終了(ないし継続の検討) |
View more research plans | |
2022年10月 | 月額支援型クラウドファンディング2期目開始 |
2022年12月 | 「WOMEN:WOVEN vol.5」「W:Wスピンオフ読書会 vol.5」開催 |
2023年3月 | 「WOMEN:WOVEN vol.6」「W:Wスピンオフ読書会 vol.6」開催 |
2023年8月 | 「WOMEN:WOVEN vol.7」「W:Wスピンオフ読書会 vol.7」開催 |
2023年10月 | 月額支援型クラウドファンディング2期目終了 |
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