本日、目標金額を達成することができました。ご支援くださった皆様、誠にありがとうございました。
本プロジェクトで集まった資金は、ホンジュラスでの実証研究ならびに論文作成・投稿にかかる費用に使わせていただきます。今後の進捗状況は、このサイトで、順次お知らせしていきます。すでに現地でのデータ収集は終了しておりますので、来年の学会発表、論文作成に向けて、活動していく予定です。
途上国の周産期医療はまだまだ課題が山積みです。今回の超音波の研究も、最初の一歩にすぎません。この研究により実証された方法を用いて、今度はAI搭載の超音波装置の開発に取り組む予定です。さらに、生まれた赤ちゃんを助ける機材の開発も、日本のメーカーとともに進んでいます。
次なる課題にむけて、さらに頑張っていく所存ですので、今後とも皆様のご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
まだ期間は残っていますので、セカンドゴールとして60万円を目指そうと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
academist編集部
現在日本に住む私たちにとって出産とは、新しい命と出会う、人生で最も幸せに包まれた瞬間です。しかしそれは、高度な周産期医療によりお母さんたちが安全に分娩でき、赤ちゃんがさまざまな危険から守られているためである、という事実を知っている人は少ないと思います。
周産期とは、妊娠22週から生後7日までを意味する言葉です。この時期の女性と赤ちゃんに対する医療は近年急速に発展しており、Neonatal Intensive Care Unit(NICU)に代表されるように、高度な機械や訓練されたスタッフなどの豊富な医療資源に支えられています。
日本の女性が妊娠すると、市町村役所に行って母子手帳をもらい、すぐに妊婦健診が始まります。妊娠管理では、血圧・尿検査はもちろんのこと、高額な超音波診断装置(エコー)で赤ちゃんの発育をしっかり管理していきます。分娩時には赤ちゃんの心音を記録する胎児心音陣痛図計などの機械をフルに活用し、助産師さんをはじめとするたくさんの医療スタッフに囲まれてお産をします。
それでも決して安全ではないのが、お産です。妊婦健診でリスクのある人はさらに高度な医療が提供できる病院でお産をし、赤ちゃんに何かトラブルがあればNICUで管理します。ドラマ「コウノドリ」でもあったように、助産師さんやNICUスタッフの献身的な医療、そして輸血をはじめとした豊富な医療資源に支えられてはじめて、安全なお産は成り立っているのです。その甲斐あってか、日本の妊産婦死亡率(出生10万あたり)は3.3人、周産期死亡率(出生1000あたり)は3.3人、新生児死亡率(出生1000あたり)は0.9人となっています。日本は、世界で最も安全にお産ができる国のひとつといえます。
一方で、医療資源の乏しい発展途上国では、お産は常に死と隣り合わせです。我々の活動国であるホンジュラスでは、妊産婦死亡率は129人。実に日本の40倍の女性がお産で命を落としています。新生児死亡率も10人と、やはり日本の10倍以上の赤ちゃんたちが命を落としているのが現状です。なぜ、日本とホンジュラスでこんなにも差があるのでしょうか。原因のひとつは、単純に周産期医療そのものが医療資源を大量に使う贅沢な医療だからです。
日本では当たり前のように、妊娠したら誰でも産科病院にかかることできます。そして、エコーを使って赤ちゃんがお腹の中にいることを確認します。ここで一番重要なのは、出産予定日を決めるということです。こんな当たり前のことが、実は途上国では非常に困難なのです。その一番の要因は、出産予定日を決めるために必要なエコーがないことと、エコーを支える医療者が少ないということです。
予定日がわからないと、お腹の赤ちゃんの成熟度を評価することができません。生まれてきた子供が2kgしかない場合、その子が早産なのか、それとも子宮内で十分育つことができなかったのか(子宮内発育遅延)、判断することができません。妊婦健診を行なうべき時期も、陣痛のタイミングもわかりません。すべてが行き当たりばったりのお産になってしまうのです。
テクノロジーの進歩は、今まで高価で専門家にしかできなかった医療サービスを安価でより簡便なものにすることを可能とします。我々のミッションは、従来先進国の一部の人しか受けられなかった周産期医療を、世界のすべてのお母さんと赤ちゃんたちに届けることです。
かつてエコーは高価な医療機器でしたが、近年、スマートフォンで操作可能なものも登場し、価格も従来の機種の100分の1程度になってきています。そのおかげで現在途上国では、軽量小型の携帯型エコーが徐々に普及し始めています。しかし、出産予定日の正確な決定には、エコー画像から正確に胎児の成長を判断できる技術が必要になります。
胎児の計測から在胎週数ならびに出産予定日を決定する方法は複数ありますが、一番簡単なのは胎児の頭の大きさを計測することです。これは、児頭大横径(Bi-Parietal Diameter; BPD)を計測することにより在胎週数を把握するという方法です。しかし、BPD計測を行なうには、正確に胎児頭部の計測断面を描き出す必要があります。この技術を獲得するにはかなりの時間を要することが今までの我々の研究でわかってきました。
そこで我々は、このBPD描出に必要な条件を簡略化した方法を開発・実証しようと考えています。BPDを描き出す方法が簡略化されることにより、知識があまりない研修医や看護師でも正確に胎児の成長度を測り、出産予定日を正確に予測できるようになるのではないか、というのが我々の仮説です。
我々は、中米にあるホンジュラスという国で、携帯型エコーを使用した胎児計測技術の臨床研究を実施したいと考えています。今回の研究の第一の目的は、我々が考案している簡易BPD計測方法を用いることにより、最小限の教育資源でかつ短時間で予定日計測の技術習得ができるようになるか検証することです。第二に、そこで教育を受け技術を習得した被験者が自律的にかつ正確に他の医療者に予定日計測技術を教育することができるかを検証します。
ホンジュラスを選んだ理由は、国際協力機構(JICA)の技術協力プロジェクト(2018年終了)を通じて、携帯型エコーによる支援実績があるためです。現地の医療機関をはじめとする協力体制はすでに整っており、現地のエコー技術移転に関するニーズも非常に高いことがわかっています。今回、このクラウドファンディングで集める資金は、計測技術の伝達とデータ分析に必要な経費、論文作成、英文校正費、学会参加費として使用したいと思います。
エコーの技術は1回教われば身につくようなものではなく、臨床現場で経験を積んで習得していく必要があります。しかし、産科あるいは放射線の専門家の少ない途上国では、そうした機会を得ることは難しいといえます。今回の研究は、ガイド機能を持たせた胎児計測の人工知能(AI)化につながるものであると考えています。これにより、技術習得の機会が少ない人たちでもエコーを使いこなすことができるような世界の実現を目指します。正確で簡便な予定日計測法を世界中に普及させて、生きることができるはずの命を確実に救っていくために、ご支援のほどどうぞよろしくお願いします。
小平雄一、小堀周作
時期 | 計画 |
---|---|
2019年8月 | クラウドファンディング挑戦 |
2019年8月〜10月 | ホンジュラス現地にて臨床研究 |
2019年11月 | データ分析 |
2019年12月 | 論文作成 |
2020年3月 | 論文投稿 |
2020年12月 | 学会発表 |
研究の詳細な進捗などをレポートにまとめてお送りします。応援よろしくお願いいたします!(本プロジェクトが達成した場合、決済日は10月7日以降の予定です。消費税率が10%となる可能性があります。)
研究報告レポート(PDF版)
15人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
2020年12月の日本国際保健医療学会にて本研究に関する発表をする際、謝辞にお名前を掲載させていただきます。また、発表資料(電子版)を送付いたします。お力をお貸しください。応援よろしくお願いいたします!※学会発表が叶わなかった場合、その後の学会発表資料の謝辞にお名前を掲載いたします。(本プロジェクトが達成した場合、決済日は10月7日以降の予定です。消費税率が10%となる可能性があります。)
学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
11人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
サイエンスカフェにご招待いたします。日時は令和元年12月で、場所は東京を予定しています。ご参加をお待ちしています!※当日ご参加いただけない場合には、資料をお送りいたします。また、会場までの交通費はご負担をお願いいたします。(本プロジェクトが達成した場合、決済日は10月7日以降の予定です。消費税率が10%となる可能性があります。)
サイエンスカフェ / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
11人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
本研究成果を発表する際の謝辞にお名前を掲載させていただきます。※研究成果をまとめられるよう努力いたしますが、論文の掲載に至らない可能性もございますこと、ご承知おきいただけますと幸いです。(本プロジェクトが達成した場合、決済日は10月7日以降の予定です。消費税率が10%となる可能性があります。)
論文謝辞にお名前掲載 / サイエンスカフェ / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
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NPO法人Webサイトにお名前を掲載させていただきます。(本プロジェクトが達成した場合、決済日は10月7日以降の予定です。消費税率が10%となる可能性があります。)
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講演会に出張いたします。途上国周産期医療または医療事情全般について、ご要望にお応えする形で講演させていただきます!※旅費・宿泊費等は別途頂戴いたしますのでご留意ください。(本プロジェクトが達成した場合、決済日は10月7日以降の予定です。消費税率が10%となる可能性があります。)
出張講演 / NPO法人Webサイトにお名前掲載 / 論文謝辞にお名前掲載 / サイエンスカフェ / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
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