支援者の皆さま、これを読んでくださっている方、こんばんは。いつもありがとうございます。
ボストンでの発表本番まで残り約1ヶ月半となり、iGEMの活動もますます忙しくなってまいりました。
さて、今日はこれまでまとまってご報告できなかった実験の進捗についてご報告したいと思います!!
アカデミスト公開中に概要に載せることができた当初の実験計画から、多くの変更がありました。
変更の理由はiGEM2019の規約であったり、技術的な困難であったりしました。その度にメンバーやPI(指導教授)、他大iGEMの先輩などと議論を重ねて決定してまいりました。
一目でわかりやすいよう、一番最初の計画~現在の計画の変更とその理由・背景をまとめてみました。ご覧いただけますと幸いです。
〈アカデミストに掲載当初の計画〉
★プラン1.0:東大2016年チームのプロジェクトを踏襲して代替わりで色が変わる+4代目で死ぬ
↓
★プラン2.0:BL21(DE3)pLysSという市販の大腸菌株とRNAポリメラーゼを用いて、大腸菌がある程度増殖したあとに自滅するシステムを作成する
【変更点】
・死ぬシステムをccdBからリゾチームに変更
・代替わり要素を取りやめる
【変更の理由】
・iGEM2019ではccdBが使えなくなったことが判明したため
・東大チームOBより、結局色を1色ずつ発現させることができなかったと教えられたため
↓
※現在の実験計画
★プラン2.5:プラン2.0+毒性タンパク質を発現するプラスミドを製作、BL21(DE3)pLysSに導入して溶菌させやすくする
【変更点】
・毒性タンパク質入りのプラスミドの作製
・プラスミドをPCRで増やすためのプライマー設計
・BL21(DE3)pLysSに新しいプラスミドを入れる(遺伝子組換え実験)
【変更の理由】
・代替わりの機構を除いたことで遺伝子組換え実験をする必要がなくなってしまったが、iGEMの活動として遺伝子組換え実験を行う必要があったため。
【メモ】
〇BL21(DE3)pLysSは微生物の細胞壁を溶かすリゾチームを常時発現しているので、低張条件など経験的にタンパク質が膜外に出るとされている環境に置かれると微生物を溶菌させて死なせる。
〇リゾチームによって細胞壁が溶けた後は細胞膜のみが残り、浸透圧によって微生物は溶菌する。毒性タンパク質は細胞膜と相互作用しダメージを与えることで溶菌しやすくすると考えられる。
以上が簡単ですが弊チームのプロジェクトの変遷です。
写真は最近行った実験で、毒性タンパク質MPX-G入りプラスミドを形質転換した大腸菌BL21(DE3)pLysSのコロニーの様子です。
活動が本格化してから約1年半、iGEMに取り組んできて感じたことがあります。それはiGEMがハードな活動だと承知していても、予想以上にたくさんの仕事が生まれ、なかなか思い通りには進まないということです。
しかし私たちはご支援くださった皆様への感謝と、iGEMをやりたいと思った初心を忘れずに最後まで進んでまいります。
どうか皆さまも最後までお見守りいただけますと幸いです。
当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。
大会報告レポート(PDF版)
19
人
が支援しています。
(数量制限なし)
大腸菌が主人公のゲーム 他
7
人
が支援しています。
(数量制限なし)
サイエンスカフェ参加権 他
15
人
が支援しています。
(数量制限なし)
オリジナルTシャツ 他
0
人
が支援しています。
(数量制限なし)
iGEM発表資料の謝辞にお名前掲載 他
1
人
が支援しています。
(数量制限なし)