みなさま、こんにちは。iGEM群馬大学です。
いつも応援していただき、ありがとうございます!!!
iGEM2019のプロジェクトが完了しましたので、ご報告をさせていただきます。
結果から申しますと、弊チームは無事ボストンで開催されたGiant Jamboreeに参加し、銅メダルを獲得いたしました!!
リーダーの北を含む3名のメンバーが代表として、10/30~11/5の約1週間ボストンに滞在しました。
ボストンは群馬よりも寒く、気温が2℃~12℃くらいの日もありました。
Giant Jamboreeは世界中のiGEMチームが成果を発表する場所です。
Hynes Convention Centerという大きな建物内で開催され、5000人以上の学生たちが集結しました。
私たちは10/31にチームとしてのチェック・インをすませ、翌日の11/1にプレゼン+質疑応答と2回のポスターセッションを行いました。使用言語はすべて英語です。
緊張しましたが、自分たちの発表をたくさんの人が注目して聞いてくださるという状況には胸が高鳴りました。
今年度、私たちはBL21(DE3)pLysSという株の大腸菌を溶菌しやすくする遺伝子パーツをデザインしました。
iGEMでメダルを獲得するには、それぞれ設けられた条件を満たす必要があります。
私たちに起こった問題は、pLysSと私たちオリジナルのパーツを載せたプラスミドバックボーンの抗生物質に対する耐性はどちらもクロラムフェニコールに対するものであることでした。大腸菌に望みの遺伝子が導入されたかどうかは、抗生物質(耐性を持たない大腸菌を殺す物質)入りの培地で全ての大腸菌を培養して確認します。つまりそのままでは両方のプラスミドをもつ大腸菌を選別することができないので、私たちはオリジナルパーツを別のプラスミドに移そうとしました。
しかしこの実験に予測より何倍も時間がかかったため、残念ながら時間切れとなり金、銀の条件を満たすことは結果的にかないませんでした。
今年は例年に比べて金メダルを取ったチームの数も多く、世界中から集まった他のチームのプロジェクトの完成度に驚かされることも多くありました。ですが、私たちは初年度で銅メダルという結果をきちんと残すことができたことを誇りに思います。
数多の障壁を乗り越え、最後までたどり着くことができたのも、温かく支えてくださったみなさまのおかげです。心から感謝申し上げます。
より詳しいご報告については、現在大会レポートを作成中ですので今しばらくお待ちください。
こちらは弊チームのチームwikiです(英語)。
もしよろしければこちらもぜひご覧ください。
https://2019.igem.org/Team:Gunma
改めまして、弊チームをお見守りいただき、また応援していただき本当にありがとうございました。
来年以降もできることならばチームを存続させ、いずれ銀、金メダルを獲得したいと考えておりますが、関係者各位とよく相談した上で今後の進路を決めていければと思っております。
ただいま各種お礼の準備が進行中ですので、続報をお待ちいただければ幸いです。
iGEMの公式ページはこちら:https://2019.igem.org/Main_Page
私が合成生物学に出会ったのは浪人中、スポーツジムで走っていたときでした。ランニングマシーンについた小さなテレビで、偶然、合成生物学についての番組を見ました。一生かけて打ちこめる大きなテーマを探していた私は、雷に打たれたような気持ちになりました。知識をためこむことがメインであった高校の生物の授業とは異なり、その知識を応用して新たな生命システムを人工的につくる合成生物学という分野がとてもおもしろかったからです。2時間ほど続いたその番組が終わるまで走り続け、家に帰ってから「合成生物学」と検索しました。そして、見つけたのが「iGEM」でした。
iGEMは高校生・大学生などを対象とした非常に規模の大きな合成生物学の国際大会です。10人前後のチームで1年かけて計画・実験・結果のまとめを行い、最後は研究について英語でプレゼンすることを求められ、研究者を目指すうえでのよい訓練でもあります。私はこのiGEMに参加したいと思い、一緒に挑戦する仲間集めから始めました。そして、研究者を目指す人や合成生物学に興味をもつ人など、多くの意欲的な仲間と出会うことができました。私たち群馬大のチームは、今回のiGEMが初参加となります。現在、チーム一丸となって、「ある回数だけ細胞分裂すると自滅する大腸菌の作成」に取り組んでいます。
今回の研究テーマは2016年の東京大学チームの研究「細胞分裂で発色が変わる大腸菌の作成」を発展させたものになります。iGEMではいくつかの審査基準がありますが、そのなかに、既存の研究からの発展性とユーモア性があります。私たちのチームではこれら2つの基準に着目して研究テーマを決定しました。
東大チームでは、各世代で異なる遺伝子を発現させることで、細胞分裂に伴い発色を変えることに成功しています。細胞分裂に起因する機能の設計という点において、今回私たちが取り組んでいる研究と重なる点があります。一方で違いは、設計する機能の種類にあります。私たちの研究では細胞分裂が永遠と継続されるのではなく、特定の世代ですべての大腸菌が死ぬ、つまり「自滅する」機能をもたせることを目的とします。
また、私たちは「呪い」というサブテーマを設定して群大オリジナルなユーモアのある研究にしていきたいと考えています。このサブテーマは「末代まで呪ってやる」という伝統的なフレーズにヒントを得て生まれました。親となる第一世代の大腸菌に遺伝子操作を行って数世代後に自滅するような機能を埋め込み(呪いをかけ)、実際に細胞分裂で世代が変わった後に自滅する(呪いが発動する)仕組みが、呪いのイメージを彷彿とさせます。
大腸菌を自滅に導く手法として、現在、細胞毒性をもつccdBというタンパク質に着目することを検討しています。ccdBは、DNAのねじれを解消する役割を担う酵素(総称:トポイソメラーゼ)に対して、毒性を示します。DNAのねじれの解消はDNA複製に必須なため、トポイソメラーゼに異常があったりその機能が阻害されたりすると、その細胞は複製することができず、死に至ります。
それでは、どのようにすれば大腸菌にccdBを導入できるでしょうか? 実は、ccdBをコードする遺伝子は、もともと大腸菌がもっています。一方でccdAという、ccdBのはたらきを抑制するタンパク質ももっているため、通常は自滅することなく増殖していきます。そこで私たちは、ccdAに対する阻害剤をコードする遺伝子を組み込み、ccdAのはたらきを抑えることで、ccdBによる細胞の自滅を促そうと考えています。
研究テーマを決定したもうひとつの背景として、遺伝子組換え生物をもっと扱いやすくできないか? と考えたこともあります。合成生物学の分野では新しい技術開発もどんどん進んでいます。遺伝子組換えの新技術は、私たち人間のゲノム改変すら可能にするような技術であることから、倫理面・安全面での議論も絶えません。組換え遺伝子を導入された生物(組換遺伝子生物)の取り扱いは、国際的にカルタヘナ議定書(生物の多様性に関する条約)で制限されています。その目的は「ゴジラのような凶暴な新しい生物が産まれるのを防ぐ」という訳ではありません。組換え遺伝子を持つことで有利になった生物が実験室から漏れ出て、周りの多様な生物を駆逐することによって「生物の多様性が失われる」ことを防ぐためです。もし、組換遺伝子生物にあらかじめ時限爆弾をしかけることができれば、多様性が失われる心配もなく、組換遺伝子生物が扱いやすくなり、研究や応用も発展します。
現在は大腸菌が死ぬパートについて研究を進めていますが、今後、大腸菌の分裂回数を区別し、特定の回数で目的の遺伝子を発現する手法についても検討を進めます。ここでは2016年の東京大学チームの成果も参考にしていきます。
iGEMは参加費が約50万円と高額なことに加え、試薬代やボストンに発表に行く際の渡航費・宿泊費も含めると本当にお金がかかります。ですが、私たちはこれがやる価値のあることだと強く信じています。iGEMは海外では評価が高い大会ですが、日本では知名度が低くなかなか支援が集まりにくい状況です。そのため今回academistでクラウドファンディングにチャレンジし、サポートを募ることに決めました。ご支援いただいたお金は、会計係がしっかりと管理します。収支はリターンのレポートにも載せる予定です。
私たちのチームは将来真剣に研究者になりたいと思っているメンバーが多いです。分野はがんの研究から、人工臓器、介護ロボットの開発までさまざまですが、代表が「この人と仕事したい!」と思う強い才能をもった人ばかりです。今回のチャレンジをぜひ応援していただけると嬉しく思います。
時期 | 計画 |
---|---|
2019年1月 | iGEM申し込み |
2019年3月 | クラウドファンディング挑戦 |
2019年2月〜10月 | 実験(試薬購入) |
2019年4月 | 参加費支払い |
2019年10月 | 個人登録費(8万円×渡航者人数)支払い |
2019年10月31日〜11月4日 | ボストンにて発表 |
研究の詳細な進捗やおもしろかったエピソード、大会を終えた反省などをレポートにまとめてお送りします。応援よろしくお願いいたします!
大会報告レポート(PDF版)
19人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
突然変異した大腸菌が群馬大学理工学部キャンパス内を冒険するRPGゲームをWeb上でダウンロードできるようにして配布します。プレイ時間は15~20分程度を予定しています。小学生のお子様でも楽しんでもらえるようなゲームにする予定です。みなさまに楽しんでいただけるものを作りますので、ご参加をお待ちしています!
大腸菌が主人公のゲーム / 大会報告レポート(PDF版)
7人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
サイエンスカフェにご招待いたします(同伴者1名まで可)。日時は未定ですが、場所は群馬大学理工学部キャンパス内を予定しています。ご参加をお待ちしています! ※当日ご参加いただけない場合には、後日資料を共有させていただきます。
サイエンスカフェ参加権 / 大腸菌が主人公のゲーム / 大会報告レポート(PDF版)
15人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
オリジナルTシャツをお送りします。大会当日に私たちが着るものと同じデザインの予定です。応援よろしくお願いいたします! ※デザインは変更する可能性があります。
オリジナルTシャツ / サイエンスカフェ参加権 / 大腸菌が主人公のゲーム / 大会報告レポート(PDF版)
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
2019年10月31日~11月4日のiGEM世界大会Giant Jamboreeにて、発表資料の謝辞にお名前を掲載させていただきます。また、発表資料(電子版)を送付いたします。お力をお貸しください。応援よろしくお願いいたします!
iGEM発表資料の謝辞にお名前掲載 / オリジナルTシャツ / サイエンスカフェ参加権 / 大腸菌が主人公のゲーム / 大会報告レポート(PDF版)
1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
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大会報告レポート(PDF版)
19
人
が支援しています。
(数量制限なし)
大腸菌が主人公のゲーム 他
7
人
が支援しています。
(数量制限なし)
サイエンスカフェ参加権 他
15
人
が支援しています。
(数量制限なし)
オリジナルTシャツ 他
0
人
が支援しています。
(数量制限なし)
iGEM発表資料の謝辞にお名前掲載 他
1
人
が支援しています。
(数量制限なし)