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土田 亮

東京大学、特別研究員PD

挑戦期間

2024/09/03 - 2025/08/31

最終活動報告

2025/05/13 09:52:44

活動報告

33回

サポーター

85人

経過時間

2024/09/03 08:00:00

活動報告#031 企業賞ビットマイスター賞受賞!ありがとうございます!

みなさん、こんにちは。つっちーです。
いつも温かいご支援・応援、本当にありがとうございます。
 
前もって言っておくと、長めです。それだけに喜びと考えていたことが盛りだくさんです。
ゆっくり自分のペースでご笑覧ください。
  
さて、このacademist Prizeも気がつけば折り返し地点を走り抜けていました。こうした取り組みのなかで、研究者は"1,000 True Fans"と、研究をどう加速できるのでしょうか?
先日、4/24(木)に「若手研究者の ”1,000 True Fans” 実現企画会議 - みんなでつくる研究の未来」に登壇し、上記の問いに対して私なりの方法や今後のアプローチ、考え方についてピッチトークと個人ブースお話しました。
 
ブースでは以下の企画を掲げていました。
「復興の透かし図:聴く、書く、語る、見る、重ねる、ずらす」
今回はスリランカや日本の復興に関する文章や写真の展示と、復興に携わる現場の人との対話から復興とは何かを考える場をみなさんとともにつくります。
  
改めて「透かし図」というのは不思議な言葉です。
なんとか捻り出した言葉で、言葉にしておきながらだんだんプロセスを通してわかってきたところでもありました。
 
発想は、実は普段の資料づくりや写真編集から来ています。
  
私は視認性や編集の工夫のために、例えばパワーポイントだと透明度の調整や重なり合ったオブジェクトの並び替え、illustratorだとオーバーレイの機能を多用することがあります。
一見すると、これらは画面上では一つの次元として表現されるけど、実際はたくさんの層や次元が重なり合って見えているわけです。それらを調整して透かして見ることで見えるものもあるし、一個一個のレイヤーも何らかのこだわりがある。
こうしたアプリ上の編集作業をアナロジーとして、普段の私たちのイメージに働きかけるような表現や言葉、実践はできないかな……と。
 
例えば、復興という言葉も一様なレイヤーではないと思います。完全に重なるわけでもないわけです。
復興の方向ははじめから決まっていないし、一意に進むわけでもなく、ときに大きく動くこともあれば、日常の些細な出来事の積み重ねでもあるとも、私はフィールドワークを通して考えています。
そうやって重ね透かしてみた復興と取るに足らないかもしれない日常が結果として復興という言葉や残っている風景、都市計画などに現れていると考えます。
これらに対していかに私たちは注意や関心を向け、さまざまな表現から映し出されたもの、その知覚や認識に対して、「復興とは何か」「翻って私たちの日常って何だろう」とゆっくりとでも思考をむき出しにしたり、揺れ動いたり、まなざしや解釈を開くことができるのでしょうか。
  
ここに、ブース企画の趣旨文の意図があります。
言葉を通してよりグッとみなさんと考えていきたかったので、あえて明示的にしてこなかったというところではあります。
 
 
この企画に向けて、私がすごく信頼できる協力者たちや改めてコラボしたいなと前々から思っていた友人たちに声をかけていろいろ実験的に表現の可能性と議論を行ってきました。
 
一つは、サポーターであるしほさんこと東詩歩さんと、彼女のフィールドワーク先で出会った珠洲市高屋町に住むはなちゃんこと吉田華子さんと鼎談して、これまで撮ってきた写真とそのイメージや考えられることを様々な視点や記憶から紐解いたこと。
これはかなり興味深いお話だなと思ったので、後日編集してYouTubeにPodcastで投稿します。
ゴールデンウィーク明けくらいには出したい。もう少しお待ちください。
 
一つは、大学院からの友達で今は写真家として活躍している天羽生悠矢くんにお願いして、私がこれまで撮ってきたスリランカと能登の復興と日常の写真をプロトタイプな写真集として編集していただきました。
本当は当日印刷して出来たてホヤホヤを見せたかったけどあいにく折り合わず、後日刷り上がりです。
プロトタイプのデータ版を先行で共有します!ぜひご笑覧ください。
▼▼▼
・Tentative Eternity in Sri Lanka
https://drive.google.com/file/d/1YEr4D_nYYr3ZR4jtak_3bvxlo58nvHb3/view?usp=drive_link
・Tentative Eternity in Noto
https://drive.google.com/file/d/1A1kBR6G_Iq_sQYVw8cXBJ1pYKD_OGyLa/view?usp=drive_link
 
ほかにも、今進めている「こだまのかけあいっこ」の編集もあって、いろんな復興と日常の重ね透かし方ができるだろうなと考える手を動かしてわかってきたことでもあります。
ぜひ書いてみたい人がいましたら、メールやSNSのDMなどでお気軽にお声がけください。
「こだまのかけあいっこ」
https://note.com/kodama_kakeaikko
 
これら一連の取り組みや活動報告の発信なども含め、当日発表される企業賞「ビットマイスター賞」を光栄なことにいただくことになりました。
Academist Prize4期のGold スポンサーである株式ビットマイスターは、研究者の最先端の研究成果を世に展開することと、技術者が持つスキルを最大限に発揮できるステージ作りの2つの理念を掲げて設立された会社です。
https://www.bitmeister.jp/
 
代表者である笠原勉さんからは、被災から復興にかけて研究者が地道にかつさまざまな展開を通して研究と発信をしている点、災害時におけるインフラを想起しながら活動の重要性を評価していただきました。
 
受賞コメントや帰り道に考えたことを含めて、以下私の言葉で今回の活動報告を締めたいと思います。
 
この度は大変光栄な賞をいただき、嬉しく存じます。
ひとえに、これは私だけがいただいた賞ではありません。それはまずもって現地を訪れ、出会った人たち、言葉や心、アクションを通して信頼関係を結んできた人たちがあってこそ、こうして復興や日常の語りや風景を記録できました。
そして、academist Prizeのクラファンで応援していただいているファンの皆様、会場の皆様、直接のご支援がなくてもいつも気にしていただいている皆様、スポンサーの皆様、アカデミスト株式会社の皆様など、私に心から気にかけてくださる皆様のおかげです。
本当にありがとうございます。
先ほど笠原さんからインフラについてのお話があがりました。災害のなかで顕著に現れる影響の一つにインフラの反転が挙げられます。近年人類学や諸分野でもインフラは大きな社会の撹乱の際に不可視化された存在をあらわにする重要なアクターであることを明らかにしてきました。
日々何気ない生活もいつか破滅を迎えるかもしれない。それまでの存在も、目に見えてわかりやすいものではなく浮かび上がらなかった関係性も、その時に見えていては瞬間的な気づきでしかならない。そんな構造をどのように私たちは動かすことができるのか。被災も復興も同じような問いになるでしょう。この問いはまだ分かりきっていないです。
研究もインフラによって支えられています。研究ファンもクラファンもインフラであるかもしれない。
そう考えた時、こうして賞をいただきながら、研究クラファンもファンもより流動的に巻き込みながら動かしていくことがインフラを下部構造として見えにくくさせるのではなく、より共同創発的に関係性を再編することが私たち研究者を取り囲む不確実性をより打破できるのではないか、と考えるように至りました。
こうして気づけたのは、再度申し上げるように、ファンの皆さんのおかげです。
引き続き、精進してまいります。この度はありがとうございました。
 
 
今日の写真
イベント後、自宅に写真集が届きました。当日お披露目できれば…と思ったけど間に合わず。今回はプロトタイプとしてすごく簡素に作ったところもあり、またの機会にヴァージョンアップを図りながら編集していきます!
これまでお世話になったり情報を聞いたりしている人たちの写真集やパンフレット、別のクラファンのリターンなどと一緒に。

土田 亮 2025/04/28 17:53:08
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