挑戦期間
2022/11/01 - 2025/03/31
最終活動報告
2024/11/11 22:34:23
活動報告
51回
サポーター
42人
経過時間
2022/11/01 10:00:00
行動経済学会第16回大会が,東京で12/17-18に開催されます.
そこで,山本祐一さんとの共著という形で,
「寄付型クラウドファンディングの成果に対する『値決め』の影響」
という題で口頭発表を行います.
決まった「価格」のない寄付を考えるときに,そもそも「値決め」はどうファンドレイジングの成果に影響しているのだろう?という素朴な疑問から出てきた研究です.
「値決めは経営」という稲盛和夫さんの言葉がありますが,寄付において,寄付フォームなどの寄付額の選択肢の決定はたいへん重要であるにも関わらず,日本の非営利組織マーケティング論で寄付を見た時に,あまり多くの先行研究がありません.
いろいろな大学がオンラインでも寄付を募ったり,クラウドファンディングで寄付を集めたりしていますが,寄付金額の選択肢に改善の余地があるのか,ないのか?という問いは,私自身,何年実務者を続けていても答えられない問いでした.
もし寄付金額の選択肢がもし寄付者の寄付確率を下げたり,平均寄付額を下げるようなものになっていたら,成果に対して悪影響があるということです.
クラウドファンディングは一時的なキャンペーンなのでまだしも,常時設置している寄付フォームの選択肢ならば影響は甚大です.
今回,この重要なテーマについて,共著者の山本さんのおかげで興味深いデータが取得でき,それを使った分析を行った結果を発表することになりました.
討論者は,京都先端科学大学の石原卓典先生です.
http://www.abef.jp/conf/2022/program.html
私が寄付・ファンドレイジング研究に夢中になったのは,本プロジェクトの推薦者にもなってくださった佐々木周作先生の主催する「寄付の実証社会科学研究ワークショップ」に,実務者としてお誘いいただき,参加したことが大きなきっかけでした.
https://ssasaki.weebly.com/workshop.html
参加されていたのは行動経済学などの分野で活躍されている方々で,この分野に完全に魅了されてしまい,行動経済学会に入会したのでした.
また,博士課程への進学を決めたのも,日本の寄付・ファンドレイジング研究の分野で,まだ経営学の研究者があまり多くないということが分かってきたからでした.
行動経済学会はそういう意味で,自分にとっては研究のスタート地点と近しい憧れの学会であり,今回初めて発表することになりました.
また,同ワークショップでご一緒している石原先生からコメントをいただけるということで,とても楽しみにしております.
分析の方法はよく使われるモデル(重回帰分析,負の二項回帰分析)を用いたものなのですが,他の研究者の方々の目を通って信頼できるものになってから学術誌に投稿しようとしているところです.
当日がとても楽しみです!
(画像は,いつも使わせてもらっている画像サイトUnsplashのRajiv Pereraさんが撮影した写真でして,シアトルのパイクプレイスマーケットの値札です)
https://unsplash.com/@rajivperera?utm_source=unsplash&utm_medium=referral&utm_content=creditCopyText