10月も相変わらず生業で忙殺されており、なかなか研究時間を取れずにおりました。しかしながらライブ配信のタイトルを思い切って「ノーベル賞獲る!」にしたこともあり、研究で使っていた数式が“進化”しました。
物質文化マクロ生態学として新領域を開拓している本研究ですが、これまでは考古学情報(いつ・何が・どこに・どれだけあるか)を分布式(財の社会不均衡分布)として表現し、その分布式が何故変化するのかという考古学が弱点とする解釈部分を数理的に説明する進化式の2階層構造で全体式を構築していました。
10月の成果としては本進捗報告テーマにあるように全体式の「理論的閉合」を目指したことです。財の社会分布を扱う分布式はメゾスケールであり、分布式のパラメータを取り扱う進化式はミクロスケールです。これに生態学における種数-面積関係式(SAR)を考古学的SARとして取り込むことでマクロスケールを導入しました。また従来の進化式(シード項)にノルム項と新財項を追加しました。これにより理論的に閉じる、つまり初期値を与えるだけで全てのパラメータを自己生成・変化させることができるようになり、シミュレーションも可能になりました。更には物質文化史をベクトル場として表現可能となる見込みが出てきました。
さて、風邪はひくし、鼻炎も喘息も合併してくるしで弱ってますが、11月も頑張っていきます!ちなみに月末ライブ配信を月初に移動させた結果、進捗報告もこんな時期になっており、11月前半も終わりかけております。ということで先取って報告すると、11月の作業として既にペンシルベニア大学の旧調査報告からを20基分をデータ化しました。なので11月は進化式のシード項部分の分析を実際に行っていく予定です!
今後も応援よろしくお願いします!
