今月は久しぶりにマヤ文明の一大中心地、ティカルのデータ入力をしました。奈良時代のデータ入力も並行して行い、完了させる予定でしたが時間が足りず、来月の課題としたいと思います。
さて、ティカルに関してはアメリカ大学のペンシルベニア大学が1950年代末~1970年代に大規模調査を行い、発掘調査報告書を刊行しています。それがティカル・レポートです。およそ50年も前の調査ですが、参加者がほとんど亡くなってしまった現在も尚刊行され続けているものです。
今回扱ったのはNo.21で、「Groups with Shrine」の副題が付いています。つまり建造物グループの中で、個人神殿を伴う住居群に関する発掘報告書となっています。内容は建造物の平面図・断面図、調査中に判明した建造物の石材使用やマヤアーチの有無、漆喰床面の有無、墓の構造、副葬品の概要です。今回はこれらのデータを入力して、これまでに得られた知見によって作成したモデルとの整合性を図ろうと試みましたが、、、
個人用の小神殿を含む建造物グループは、建造物グループのサイズ、墓の構造、副葬品の内容(土器の量、その他の遺物の種類)において、悲しいことにこれまでの理論をぶち壊す内容でした。正直、どうしていいのかよく分かっておりません。そのためひとまず来月までにNo.21のデータ入力を終わらせ、モデルの修正あるいは新たなモデルの立案を行いたいと思います。
これまで順調であったモデル構築とは打って変わって苦しい状況ですが今後もご支援をお願い致します。また最近はご支援者の人数、とご支援額が減少傾向にあります。可能であれば、お近くの歴史に興味ある方をお誘い頂ければ幸いです。
画像の著作者:Freepik

クラウドファンディング後の研究活動
2025/09/01 研究成果 Tikal - Reporte de Excavaciones No.2: “Artefactos en el Hotel Jungle Lodge”
2025/06/02 メディア掲載・講演など 埋蔵遺物量推定研究から物質文化システム論の構築へ ―考古学における統一的方法論の確立―
2025/04/01 研究成果 Tikal-Reporte de Excavaciones N0.1: “Grupos en 6H”
2024/04/01 研究成果 マヤ文明における「顔・身体付き道具」の社会分布
2024/04/01 研究成果 ティカルのうわさ vol.2
2023/04/01 資金調達 村田学術振興財団 研究助成
2023/04/01 資金調達 髙梨学術奨励基金 若手研究助成
2023/04/01 研究成果 ティカルのうわさ vol.1
2022/10/06 メディア掲載・講演など 未発掘マウンドの埋蔵遺物量の予測モデルの構築 - 古代国家ティカルにおける階層性と経済格差 -
2022/05/31 メディア掲載・講演など 2021年度調査速報 —ティカルの社会格差—
2022/04/01 資金調達 髙梨学術奨励基金 若手研究助成
2021/04/01 資金調達 JSPS科研費 特別研究員奨励費
2021/04/01 研究成果 マヤ文化 ―― 先古典期と古典期
2019/04/01 資金調達 JSPS科研費 研究活動スタート支援
2017/04/01 資金調達 共生の人文学プロジェクト
2015/04/01 資金調達 JSPS科研費 特別研究員奨励費
2014/04/01 資金調達 共生の人文学プロジェクト
2013/06/13 メディア掲載・講演など 考古学とは何か 古代日本と古代マヤの相違点とその魅力について