近年「シチズンサイエンス」という市民によって行われる科学的活動にも注目が集まっていますが、私はそのような職業研究者でない人が行う(もしくは関わる)知識生産に関心があります。
知識生産にはいくつかのタイプがあります。学術的な貢献性の高いアカデミックな研究、社会の課題解決を目的とするもの、そして最近では趣味や自由研究のようなタイプまであります。私は、「自らの好奇心や課題意識に基づいて、様々な人が知識生産を愉しめる文化」を醸成していきたいです。
このような文化の基盤として、職業研究者、非職業研究者そして様々なステークホルダーが、程よい関わり合いを持ちながらも、近しい好奇心をもとに自律共生している「知識生産エコシステム」の形成と持続的な発展が必要であると考えています。
しかし、そのようなエコシステム形成には様々な課題もあります。例えば、様々な人々が利用可能な研究資金制度、研究や調査プロジェクトの広報、幅広い参加者が生まれた際の研究倫理を保持する基盤、非職業研究者と職業研究者の接点作り、などです。
これら課題を解決し、多様な人びとが知識生産を愉しめるエコシステムを作ることが私の成し遂げたいことです。
知識生産エコシステムの形成や持続的な発展に向けた課題解決のために、職業研究者と非職業研究者が互いに敬意をもって参加し、発展してきた「鳥学(鳥類学)」の分野を対象に研究したいと考えています。日本鳥学会、日本野鳥の会、山階鳥類研究所など、日本には鳥類の学問に、多様な人びとが関わってきた歴史があります。そこにはどのような環境や仕掛け、そして参加者の思いや努力、そして仕組みづくりがあったのでしょうか。この鳥学という分野が形成してきたエコシステムについて事例研究から明らかにします。
具体的には、鳥学の国内での発展に関する先行研究や文献を整理しながら、実際に職業研究者や非職業研究者がともに参加する研究プロジェクト事例などを対象に、その参加者や運営者およびステークホルダーに対して聞き取り調査を行い、プロジェクトが実現し継続する背景やポイントを理解していきます。
鳥学におけるエコシステムについて下調べをする中で、認定NPO法人バードリサーチの「調査研究支援プロジェクト」に出会いました。
これは、鳥類の調査・研究に特化した研究資金の支援プロジェクトで、職業研究者や大学院生はもちろん市民研究者の方もエントリー可能です。資金は寄付によるものですが、その集め方や配分の仕方が大変ユニークです。寄付者はエントリーされた研究計画の中から支援したい調査や研究を選び、寄付金を贈ることができます。寄付金額は1口あたり3000円で、口数に応じて支援する計画に投票できます。集まった寄付のうち、2割を全員に均等に分配し、8割を得票数に応じて支援先に分配します。企業からの寄付も全員に均等に分配します。
このプロジェクトがなんと10年以上も継続され、提案される研究プロジェクト数も維持されながら、寄付金の総額は毎年増加しています。なぜこのようなことが可能になっているのでしょうか。プロジェクトに関わる運営者、参加者、投票者(寄付者)などに聞き取り調査を行い、この活動を紐解くことで、本研究の問いに迫る良い知見が得られるのではないかと考えました。
(画像:バードリサーチより提供)
今回のプロジェクトは、主に、先行研究に関する文献の購入、インタビュー調査に応じてくださった方々への謝金、そして出張交通費に充てたいと考えています。
また、リターンに「研究の方向性を決める投票への参加権」を加えました。今回のテーマでも様々なステークホルダーとの知識生産には触れていますが、ぜひご支援を頂けた皆さんと一緒に研究を進めてみたいと考えました。今後の研究の方向性や、出版についてなど、いくつか研究行動の選択肢を私から支援者の皆さまに提案しますので、投票で選び、それに沿って進めてみたいです。こちらに進むと面白いんじゃないか、有意義なんじゃないかと感じるものに投票をしていただけます。またそれに関わるディスカッションの場として、オンラインでのサイエンスカフェや個別ディスカッションの機会も作る予定です。
鳥学では多くの市民科学者が活躍しています。しかも、非職業研究者がたくさんの知識を有し、互いに尊重し合いながら繋がり、協力して知識生産がされています。研究対象にしていただく私たちの活動も、応援の気持ちや、新しい知識が得られるわくわくを共有する
ことを大事にしています。森田さんの研究も、支援者と一緒に研究の方向性を考えて行く仕掛けがされていて面白いです。たくさんの支援が集まることを願っています。
日本では、いわゆる在野の研究者やナチュラリストと呼ばれる方々が、生態学の研究や環境保全に大きな貢献をしてきました。このプロジェクトが注目する、日本の鳥学では、野鳥観察から、調査研究、保全へと、様々な人が関わって発展してきました。鳥学で長年培われた「自らの好奇心を基に研究を愉しめる文化」が明らかになれば、日本ならではのシチズンサイエンスの発展にもつながると思います。
時期 | 計画 |
---|---|
2023年10月~2023年11月 | 先行研究の整理 |
2023年11月 | サイエンスカフェと方向性の投票 |
2023年11月~2024年3月 | 関係者へのインタビュー調査 |
2024年4月 | サイエンスカフェと方向性の投票 |
2024年6月 | 得られた成果を学会で発表 |
2024年6月 | サイエンスカフェと方向性の投票 |
2024年7月 | 論文執筆を開始 |
メールでお礼のメッセージをお送りします。
お礼メッセージ / 研究の方向性を決める投票への参加権
11人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
研究の方向性を決める投票への参加権を差し上げます。私から何度か研究についての方向性を提示しますので、こちらに進むと面白いんじゃないか、有意義なんじゃないかと感じるものに投票をしていただけます。私は皆さまからの投票結果に応じて研究を進めます。
研究の方向性を決める投票への参加権 / お礼メッセージ
11人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
academist Journalに寄稿する研究報告レポートにお名前を掲載します。研究の方向性を決める投票への参加権も付きます。
研究報告レポートにお名前掲載(投票参加権付) / お礼メッセージ / 研究の方向性を決める投票への参加権
20人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
研究の進捗報告と今後の方向性についてディスカッションを行うオンラインサイエンスカフェへの参加権です。研究レポートへのお名前掲載、研究への方向性を決める投票への参加権も付きます(参加権の付与数は1つです)。
オンラインサイエンスカフェへの参加権(投票参加権付) / お礼メッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載(投票参加権付) / 研究の方向性を決める投票への参加権
12人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
今回の研究が論文化した際に、謝辞を掲載いたします。研究レポートへのお名前掲載、オンラインサイエンスカフェや研究の方向性を決める投票への参加券もついています(参加権の付与数は1つです)。
論文謝辞にお名前掲載(投票参加券付) / お礼メッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載(投票参加権付) / オンラインサイエンスカフェへの参加権(投票参加権付) / 研究の方向性を決める投票への参加権
5人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
本研究について個別にディスカッションする機会を設けます。具体的な内容や日程は個別にご相談いたします。研究レポートへのお名前掲載、オンラインサイエンスカフェや論文への謝辞、研究の方向性を決める投票への参加権も付いています(参加権の付与数は1つです)。
個別ディスカッション(投票参加券付) / お礼メッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載(投票参加権付) / 論文謝辞にお名前掲載(投票参加券付) / オンラインサイエンスカフェへの参加権(投票参加権付) / 研究の方向性を決める投票への参加権
1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
シチズンサイエンスプロジェクトを立ち上げたい、シチズンサイエンティストとしてやってみたいなど、今回の研究とは関係なく、色々な相談に乗ります。※対面で行う場合に宿泊費・交通費は別途頂きます。
研究レポートへのお名前掲載、オンラインサイエンスカフェや論文への謝辞、個別ディスカッション、研究の方向性を決める投票への参加権も付いています(参加権の付与数は1つです)
シチズンサイエンスプロジェクトの支援(投票参加権付) / お礼メッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載(投票参加権付) / 論文謝辞にお名前掲載(投票参加券付) / 個別ディスカッション(投票参加券付) / オンラインサイエンスカフェへの参加権(投票参加権付) / 研究の方向性を決める投票への参加権
1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
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お礼メッセージ 他
11
人
が支援しています。
(数量制限なし)
研究の方向性を決める投票への参加権 他
11
人
が支援しています。
(数量制限なし)
研究報告レポートにお名前掲載(投票参加権付) 他
20
人
が支援しています。
(数量制限なし)
オンラインサイエンスカフェへの参加権(投票参加権付) 他
12
人
が支援しています。
(数量制限なし)
論文謝辞にお名前掲載(投票参加券付) 他
5
人
が支援しています。
(数量制限なし)
個別ディスカッション(投票参加券付) 他
1
人
が支援しています。
(数量制限なし)
シチズンサイエンスプロジェクトの支援(投票参加権付) 他
1
人
が支援しています。
(数量制限なし)