みなさまのご協力のおかげさまで、昨日達成率100%を超えることができました!テーマが賛否両論ありうるものだったので、心配でしたが、多くの皆様のご支援をえることができ、資金面だけではなく研究のモチベーションにおいても心強く、感謝しかありません。
当初の目標額50万円を上回るご支援につきましては、継続的なアリ相調査旅費や研究費に優先的に使わせて頂くとともに、福島県内での成果報告会、サイエンスカフェの開催費用にも使用させていただきます。
今回の調査、研究のプロセスはこのページで順次オープンにしていきます。どのように調査や実験を行っているのか、ぜひ注目してください。アリ類がわれわれに身をもって知らせてくれる貴重なデータを、皆さんにお伝えできるよう全力で頑張ります。
いま、日本各地の研究者がバラバラに行っている原発事故後の調査をこれをきっかけに取りまとめ、国際誌に発表し、きちんと日本でも科学的アプローチで事故を評価していることを発信していきます。
有り難うございました!
2011年3月に東日本で発生した地震および津波は、東京電力福島第一原発を直撃し、1ヶ月で77万TBqの放射性物質を放出する重大な事故を引き起こしました。この歴史的な事故を受けて「研究者として何ができるだろうか?」と考えていました。私の出した結論は、自分自身が長年研究しているアリ類の観察を通じて、福島原発周辺の放射性物質の影響を長期的に評価し、「ここまでは生物の影響が出ていない、ここからは危険」という指標を出していこう!というものでした。
アリ類は、極域を除く全ての地域に普遍的に存在しています。女王アリは、5年前後と比較的長い寿命を持ち、移動能力はそれほど高くありません。また、一つの巣には、100個体から多い種で数100万個体の働きアリが存在します。アリの巣の採集は他の哺乳類や鳥類の採集に比べれば格段に簡単で、室内での飼育も容易であるため、放射線の被曝影響を評価するうえでとても重要です。
放射性物質の被曝による影響評価で最も信頼性のある指標は、核型解析といわれています。核型(染色体)の変異は不可逆的であり、一度変化したら元に戻りません。染色体の数や形だけではなく、そこにどういった遺伝子が乗っているのかということも重要な指標となります。私は、アリ類の核型解析から、福島原発周辺の放射性物質の被曝の影響を見ていきたいと考えています。
2016年9月に、福島原発周辺で15以上のアリのコロニーを採集する予定です。比較対象として、低線量地区と被曝の全くない地域でも同様に採集を行います。そこからアリの蛹を探し、解剖して神経節を取り出します。そして、細胞周期を止める試薬と固定液を使い、神経細胞を固定し、染色体標本を作ります。染色体の数や形の観察に加えて、染色体上に乗る遺伝子をFISH法(蛍光色素をテロメア遺伝子にくっつけて、さらに染色体に結合させ、遺伝子の乗っている部分を明らかにする方法)で検出します。
福島第一原発事故後の5年間で、すでに3回のアリ相調査を行い、合計11種、38コロニーのアリを採集しました。現在、実験室で73個体のアリを解剖することで284枚の染色体標本の作製を行い、FISH法で染色体上に乗る遺伝子の位置や数を解析している最中です。下の図は、ウメマツアリの染色体末端にある細胞周期をコントロールする「テロメア配列」と呼ばれる領域を蛍光で染色したものです。赤いシグナルがテロメア配列のある部分です。このような解析をすることで、染色体の構造変化を追うことができます。
これまでの調査では、1回目は自費で、2、3回目は民間の助成金を獲得して進めてきました。しかしながら、このような資金獲得方法では持続可能な調査にはなりません。私はこの調査を最低25年以上(残り20年以上!)は継続的に行いたいと思っています。
旧ソビエト科学アカデミーは、高線量であったチェルノブイリ原発事故数週間後から研究者を現場に派遣し、調査を主導してきました。事故後の土壌動物相調査を担当しているZaitsev博士の調査結果は、放射線量が高ければ高いほど土壌動物の多様性が低くなることが示されています。また、2010年までの調査結果から、原発周辺の土壌動物相は個体数こそ事故前のレベルに回復していましたが、種レベルでは75%程度しか回復していない事が示されました。レベル7の原発事故の影響というのは、25年という長い年月が経過しても、大きな傷跡を残すことが明らかになっています。
現段階では、日本政府から長期的な展望は示されていないため、われわれ研究者が立ち上がり、多くの市民の方々の支援を得ることで、調査を企画・実施・報告・再調査していくしかないと思っています。地元の方々の利益をどのように守っていくかという問題もありますが、これはわれわれの研究チームの中に合意形成や災害教育を専門にしている方がおられますので、その方の協力を得ながら進めていきたいと考えております。
研究費は25万円を福島への旅費に(研究者3名分・2泊)、25万円を試薬代(蛍光色素:3万円、テロメア配列に蛍光色素を結合させるプロセスにかかる試薬:10万円、染色体上に結合させるプロセスにかかる試薬:10万円、細胞の固定:2万円)に使わせていただきます。クラウドファンディングに挑戦することで、国の施策に左右されることなく、多くの人が必要である、重要である、そして興味深いと思われる研究が、どんどん発展してくるように信じています。ぜひ、ご支援いただけるとありがたいです。
時期 | 計画 |
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2016年6月 | クラウドファンディングに挑戦 |
2016年8月 | 実験室にある標本を利用した核型解析 |
2016年9月 | 福島原発周辺でのアリ相調査(3泊4日) |
2016年10月〜12月 | 実験 |
2017年3月 |
日本生態学会で小セッション開催
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現地で撮影したアリの生態写真を3枚セットでメールにてお送りいたします。調査終了後の2016年10月末までにお届け予定です。
オリジナル画像3点セット
3人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
日本生態学会にて開催予定の小集会資料(謝辞付き)でメールにてお送りします。皆さんから頂いたご支援の成果を含めてわかりやすくまとめる予定ですので、ぜひご予約をお願いいたします。郵送時期は2017年4月末です。
学会小集会資料(謝辞付き) / オリジナル画像3点セット
2人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
地球上でもっとも成功した高等生物ともいえるアリは、どのように社会を高度に進化させてきたのでしょうか。また、人間社会とどのように関わっているのでしょうか。私を含めた若手のアリ研究者が腕によりをかけて解説した一冊「アリの社会」を、サイン&コメント付きでお送りします!2016年10月末までにお届けします。
「アリの社会」(直筆サイン+コメント付き) / 学会小集会資料(謝辞付き) / オリジナル画像3点セット
34人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
2017年3月18日にサイエンスカフェ@東京都内を開催します。少しだけ先のイベントとなりますが、ご興味のある方は是非ご参加ください!当日ご参加いただけないかたには、当日の発表資料をお送りします。
サイエンスカフェ参加チケット / 学会小集会資料(謝辞付き) / オリジナル画像3点セット
8人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
論文の謝辞に皆さんのお名前を記載いたします。5年間の研究成果をまとめる予定です。2017年度末までの出版を目指していきます!
論文贈呈(謝辞に氏名掲載) / サイエンスカフェ参加チケット / 学会小集会資料(謝辞付き) / オリジナル画像3点セット
6人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
ハキリアリやグンタイアリ、世界最大のアリ、パラポネラやPheidologetonなどのソルジャーなどなど、私が採取したアリを標本にしてお送りします。簡単な解説も同封いたしますので、専門家ではない方々も是非ご予約ください!
オリジナルアリ標本 / 論文贈呈(謝辞に氏名掲載) / サイエンスカフェ参加チケット / 「アリの社会」(直筆サイン+コメント付き) / 学会小集会資料(謝辞付き) / オリジナル画像3点セット
3人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。
オリジナル画像3点セット
3
人
が支援しています。
(数量制限なし)
学会小集会資料(謝辞付き) 他
2
人
が支援しています。
(数量制限なし)
「アリの社会」(直筆サイン+コメント付き) 学会小集会資料(謝辞付き) オリジナル画像3点セット 他
34
人
が支援しています。
(数量制限なし)
サイエンスカフェ参加チケット 他
8
人
が支援しています。
(数量制限なし)
論文贈呈(謝辞に氏名掲載) 他
6
人
が支援しています。
(数量制限なし)
オリジナルアリ標本 他
3
人
が支援しています。
(数量制限なし)