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Want to improve healthy life expectancy through early detection of vertebral compression fractures with osteoporosis among elderly individuals with acute low back pain!

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SUCCESS
Tatsunori Ikemoto
一般社団法人ペインサイエンス研究会、代表理事
Pledged: 1,018,100 JPY
Target Amount: 1,000,000 JPY
Funded
101 %
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57
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Support period closed

Reached the funding target!

支援者の皆様へ

本日、目標金額に達成しました。
皆様からのご支援に感謝いたします。

5月19日~5月22日、日本整形外科学術総会に参加し、データ取得への研究協力者を募集し、協力していただける医師候補も集まってまいりました。
研究開始に向けて、具体的進めていきたいと思います。
また進歩があれば、随時、進歩状況を発信していきます。

引き続きよろしくお願いいたします。

池本竜則 

Comment from academist staff
脊柱負荷動作に着目したスクリーニングで脊椎圧迫骨折を見つけ出す

Maiko Abe

高齢者のぎっくり腰のなかには、骨粗鬆症に起因する脊椎圧迫骨折が原因となっているケースが多く含まれています。しかし圧迫骨折の診断にはMRI検査を必要とするため、見逃されて悪化してしまうことも少なくありません。疼痛医学が専門の池本さんは脊柱負荷動作に着目し、寝返りや起き上がり動作の困難度などから骨折の有無のスクリーニングができるスマートフォンアプリの研究開発を行っています。専門医やMRI設備のないところでも、骨粗鬆症の早期発見・早期治療ができる社会を目指す池本さんに、応援よろしくお願いします。

急性腰痛には、骨粗鬆症に伴う脊椎圧迫骨折が潜んでいる?

厚生労働省が定期的に実施している国民生活基礎調査において、病院受診のきっかけとして、男性は第1位、女性では第2位の症状が「腰痛」です。腰痛は、多くの人が経験する症状ですが、急性腰痛(いわゆる“ぎっくり腰”)の原因として高齢者では脊椎圧迫骨折の頻度が高いことが知られています。

高齢者で骨粗鬆症がある場合は、(尻餅をつくなど)比較的弱い外傷で脊椎圧迫骨折が生じてしまいます。しかし、骨粗鬆症自体は自覚症状が乏しいうえ、軽微な圧迫骨折では腰痛症状が2週間程度で改善することもあるため、患者さん本人が「骨折が生じていることに気づかない」こともあります。また急性腰痛の際、病院でレントゲン検査を行ったとしても、「骨折が見逃されるケースが少なくない」ことも知られています。

高齢者の脊椎圧迫骨折に関する疫学調査によると、骨粗鬆症を伴う脊椎圧迫骨折のある人では、生活の質の低下を招くだけでなく死亡リスクが高くなることが知られていますが、複数の骨折歴があるとその後の生活の質がさらに悪化することが知られているため、より早期の骨粗鬆症治療の重要性が示されています。

これまでの研究において私たちは、骨折リスク因子やその症状の性質・重症度から、「急性腰痛が圧迫骨折によるものかどうか」を簡便にスクリーニングできるスマホアプリが開発できないかと考えました。このようなアプリ開発により、高齢者の急性腰痛症状から骨粗鬆症を早期に発見し、より早期に骨粗鬆症治療を行うことで、市民の生活の質の向上、及び、健康寿命の向上に貢献したいと考えています。

MRI検査がなくても的確な診断を

医療の現場ではしばしば、医療者と非医療者の間で「医療言語」へのイメージが異なる場合があります。非医療者の方が「ぎっくり腰」と聞くと、「骨折のない急性腰痛で、数日内に症状が改善する」というイメージがないでしょうか? 実はこの「ぎっくり腰」は、急性腰痛の俗称とされていますが、脊椎圧迫骨折の有無は画像検査をしてみないと分かりません。


非医療者の方が腰痛症状で病院を受診した際、「レントゲン検査を行えば骨折の有無は分かるはずであり、見落としは医療者の過失ではないか」と思われる方が多いのではないかと思います。しかし実際には脊椎専門医でさえ、単純レントゲンだけでは脊椎圧迫骨折の有無の的確な診断は難しいことが多いのです。最終的にはMRI検査を行うことにより診断確定できますが、増え続ける医療費の問題や、検査に必要とされる時間(MRI検査は通常20分~40分必要とします)の問題もあり、すべての「ぎっくり腰」に対してMRI検査を行うことは現実的ではありません。

そこで私たちは脊椎椎体への力学的負荷動作に着目し、骨折椎体に負担のかかりやすい動作を抽出することで、骨折の有無を判定できないかと考えました。

脊柱負荷動作に着目したスクリーニングの確立に向けて

私たちはまず、骨に係る負担がどのような時に生じるかに着目しました。以下は、過去の生体力学研究で示された、脊椎を曲げたり伸ばしたり、回転させたりした際の、骨内の「ねじりの強さ=トルク」を有限要素解析で示したものです。

下の図をみると、腰の曲げ伸ばしや回転の度合いが増すことにより骨への負担が大きくなることが分かります。これを普段の日常生活動作に置き換えてみると、椎体骨折が生じると、特に「体の起き上がり」や「寝返り」の動作が難しいのではないかと予想されました。

そこで私たちは、高齢者の急性腰痛患者さんを対象として、「起き上がり動作」、「寝返り動作」の動作困難度を「辛くない」・「少し辛い」・「とても辛い」の3段階に重み付けし、それぞれ0点・1点・2点に点数化(0~4点)して、その点数により骨折の有無を見分けることができるかどうかについて調査しました。

具体的には、65歳以上の高齢者で、急性腰痛を主訴とする80名の患者さんを対象として、症状を上記のように点数化し、実際にMRI検査で確定診断を行った骨折有り:40名と骨折無し:40名の解析を行いました。その結果ROC曲線より得られたAUC値=0.88であり、理論的には約88%の確率で骨折の有無を判定しうる可能性が示されました。

Why we need your support

これまで私たちの研究で得られた知見、及び過去の研究結果を統合し、高齢者急性腰痛に対する圧迫骨折診断アプリが開発したい考え、本クラウドファンディングへの挑戦に至りました。

目標例に到達時点で、アプリの有用性を学会発表及び学術雑誌へ報告を予定しています。本クラウドファンディングでは、アプリ開発し、より多くの症例を蓄積してアプリ内のアルゴリズムへ導入することで、精度の高い診断アプリの開発を目指しています。

-アプリ開発手順-
1)データ取得協力医師の募集とアプリ項目の設定
SNSや日本規模の学会の展示を通じて、データ取得協力医師を募集。また協力医師より骨折の際に見られやすい特徴的な症状を募集し、それらをアプリに組み込んでいく。
2)アプリ開発依頼
システムエンジニアにスマートフォンアプリの開発を依頼(i-phone/Android)する。
3)データの取得
日本全国の65歳以上の急性腰痛患者400例を目標として、データを取得。取得したデータをもとにアプリに組む診断アルゴリズムを定期的に更新し、より精度の高い診断制度を目指す。
4)アプリの公表・学術雑誌の投稿

Recommender's comment

新井健一
愛知医科大学疼痛緩和外科学講座 准教授

今回の研究は、骨粗鬆症に起因する脊椎圧迫骨折の診断を簡素化できる問診方法を開発し、そのアプリ化を考えています。計画では、研究データで得られたアルゴリズムを駆使して、精度の高い骨折診断アプリを開発し、日本だけでなく世界に提供する予定です。多くの皆様からのご支援をお待ちしています。

林和寛
アイオワ大学理学療法・リハビリテーション科学科(米国) 研究員

挑戦者は、急性腰痛患者さんの症状を点数化し、この点数が比較的良い精度で、骨折の有無のスクリーニング手段となりうる可能性を示しています。本クラウドファンディングでは、これらの研究結果を統合し、「急性腰痛が圧迫骨折によるものかどうか」を簡便にスクリーニングできるスマホアプリの開発を目指しています。このアプリの開発により隠れ骨粗鬆症を早期に発見することで、市民の生活の質の向上、健康寿命の向上が期待されます。

Profile

Tatsunori Ikemoto

2001年に高知医科大学医学部を卒業して以来、整形外科領域、特に痛みを伴う筋骨格系疾患の臨床と研究を経験してきました(2007年:整形外科専門医)。現在は、愛知医科大学整形外科学講座の講師として在籍し、日常診療では、変形性関節症、変形性脊椎症、関節リウマチ、骨粗しょう症など代表的な筋・骨格疾患の専門的治療に携わっています。
趣味はランニングのほか、学術研究及びのその推進活動。
2011年、NPOいたみ医学研究情報センターの立ち上げ(事務局長~2018)。
2017年、豪州シドニー、ローヤルノスショア病院疼痛管理部門へ留学。
2018年、一般社団法人ペインサイエンス研究・代表理事。世界からの最新の「疼痛医学」に関する情報発信のほか、日本から質の高い研究の創出を目指しています。
現在3つの国際英文学術誌の編集委員を務めています。

Project timeline

Date Plans
2022年5月 データ取得協力医師の募集とアプリ項目の設定
2022年7月 アプリ開発依頼
2022年8月 データ取得開始・アプリアルゴリズムの更新
2025年3月 データ取得終了、アプリの有用性検証、論文作成
2025年5月 学会発表・学術論文へ投稿

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今回の研究が論文化した際に謝辞を掲載いたします。

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アプリ開発段階において、使用可能となって時点で、開発中アプリのβ版のダウンロードが可能となります。

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本研究について個別にディスカッションの機会を設けます。具体的な内容や日程はご相談させていただきます。

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