Mihoko EDA
このプロジェクトへ目を向けてくださりありがとうございます!
私は九州大学芸術工学部音響設計学科にて「フルートの材質による演奏者実感と音響特性の差異に関する研究」というテーマで2019年に卒業論文を執筆し、現在はヤマハ株式会社にてフルートをはじめとする木管楽器(管楽器)の開発に従事しています。(2025/4時点)
この度、長年の夢であった博士号取得と本研究テーマのさらなる探究のため、2025年春より東京女子大学大学院博士後期課程にて、本業と両立しながらの社会人博士生活がスタートしました。
開発者、研究者、そしてフルートが大好きな一人のフルート吹きとして、長年の問いに答えを出せるよう頑張ります!
フルートの材質差が演奏者の知覚に与える影響のメカニズムを明らかにすることで、誰もが納得して自身の相棒となる楽器を選べる世界を実現したいと考えています。
フルートは金、銀、洋白、木など様々な材質のものがあり、材質によって音が異なることは奏者や製作者などにより経験的に指摘されています。
一方で、1971年のColtmanによる研究をはじめとする学術的研究では管壁の材質によって検知できるほどの音質の違いをもたらすことはないという結論に落ち着いており、未だ研究者と演奏家の間では認識のズレが生じているのが実情です。
私は高校生のときに吹奏楽部でフルートを演奏しながら楽器について調べていく中でこの認識のズレに疑問を持ち、もしこの謎が解明できれば、地方在住や初心者などの理由で購入時の試奏が難しい状況であっても一人一人が納得して自分に合った楽器を選べる世界がつくれるのではないかと考えるようになりました。
フルートの購入は決して安い買い物ではなく、人生のうちで何度も経験できるものではありません。だからこそ、未来のフルート吹きにとってこの経験をより豊かなものにするために、この研究を成し遂げたいです。
これまでの取り組みとして、九州大学在籍時に演奏者が演奏時に感じる「吹奏感」と「音色」に着目した主観評価実験および演奏音,管壁振動の客観分析を行いました。
(詳細:https://hdl.handle.net/2324/2202923)
これは業界内で経験的に指摘されている「材質によって音が変わる」という認知が実際に発生しているのかについて学術的に明らかにするためのものであり、本研究結果から演奏者はプラシーボ効果などではなく実際に「吹奏感」や「音色」の違いを認知しているだろうということが分かりました。
そこで、これからの研究では、演奏者が聴覚・触覚・視覚などさまざまな感覚器から多感覚的に知覚する「演奏」という行為において、どのように材質による音色差を認知しているのかを認知科学の観点から明らかにするために、演奏時に知覚する情報を制御して提示し、演奏を伴う実験を繰り返すことでそのメカニズムを解明したいと考えています。
現在は、博士課程での初回実験に向けて実験条件の検討を進めています。
フルートを演奏するときに知覚する情報は直接楽器から放射される音だけでなく、耳から入る他の情報や楽器から伝わる振動、重さや環境情報など多岐にわたります。
これらを実験条件にてどのように制御し、提示すれば精度の高い実験結果を得られるのかについて、予備実験などを含めて検討するのが直近の課題です。
また、私は今回の進学にあたり、「大学卒業後、企業・学校・官公庁等に研究者、教員等として原則として4 年以上勤務した経験を有する者で、研究等の成果等により、修士の学位を有するものと同等以上の学力があると本学大学院が認めた者(東京女子大学大学院 募集要項より引用)」として修士課程を経ずに博士後期課程に入学することとなりました。つきましては、本来修士課程にて学ぶ、研究に必要な心理学や統計学・論文執筆に関する知識の習得についても実験準備と並行して全力で取り組んでいく予定です。
【経済的な理由】
今の仕事を続けながら社会人博士としてこの研究に取り組むにあたり、実験準備、勤務地である浜松-東京間の交通費、東京滞在費などに多額の費用がかかります。これまで6年間働いてきたお金は進学・研究費用として貯めてきたものの、今後は支出が収入を大きく上回る見込みです。一方で、社会人であるが故に奨学金の申請や公的な研究費獲得は難しく、少しでも研究費の足しになればと思いこの挑戦を決意しました。
【社会的な理由】
奏者にとって、こういった楽器の研究をもっと身近で親しみやすいものにしたいと考えたからです。
九州大学在籍時、実験参加者からこの研究をシェアしたいという声をいただくことがありました。そこで卒業論文を公開したところ、PDF閲覧回数4万回超えと、学部生の卒業論文としては異例のDL数を記録しています。
しかし、論文として公開されるのは研究過程のほんの一部に過ぎず、その裏には泥臭い努力や失敗など、もっともっと隠れた面白さがあります。そこで、活動報告を通して研究の途中経過や想いを含めてお伝えすることで、もっとありのままを知り・身近なものとして感じていただく機会になるのではないかと考えました。
楽器の材質で音が変わるのは当然だと思われるでしょう。私自身、アマチュアのサックス吹きとしてそう信じていました。しかし、驚くべきことに物理的な音そのものが変化する科学的証拠はありません。つまり、ある意味「勘違い」だったのですが、さらに追求していくとそう感じられる背後には興味深いメカニズムがありそうです。彼女の研究は専門家からも大きな注目を集めており、このユニークな研究が進展すれば学問的にも社会的にも大きなインパクトがもたらされるでしょう。
私は、九州大学において、枝美穂子さんの卒業研究の指導にあたりました。私自身、学生時代に所属したオーケストラでは、マレットやヘッドによって打楽器の音色が大きく変わることを経験し、枝さんの楽器と演奏者の関係を探る研究には大きな期待を寄せています。音響学的にも、管楽器の材質は音の減衰、共鳴や音色に影響を与え、演奏者はその違いを様々な感覚系を通して知覚できるものと思われます。ぜひこの研究に興味を持っていただければ幸いです。
材質が異なると音色が変わるという体験をした音楽経験者は少なくないと思います。楽器を吹く行為は実に多感覚な体験で,調べるべき要因の多さが研究を難しくしています。同時に我々がまだ知らぬ知見が多く潜むことの示唆でもあり,本研究課題も多感覚体験を科学的に詳述するという学術的意義が大きいものです。企業に勤めながらの研究推進は並ならぬ努力が必要ですが,確かな実力と情熱を備えた枝さんならば,学術的・社会的にとても面白い成果を創出すると期待できます。
Date | Plans |
---|---|
2025年4月 | 月額支援型クラウドファンディング開始 |
2025年4月 | 博士後期課程入学 |
2025年9月 | 論文執筆・学会発表(随時) |
2028年3月 | 学位取得 |
2028年3月 | 月額支援型クラウドファンディング終了 |
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