医師の患者さんとのファーストコンタクトは、聴診器です。患者さんも内科を受診すると聴診されると思い、聴診がないと「診てもらっていない」と言う方もいます。
では、医師は聴診でどのような情報を得ているのでしょうか。たとえば心音は、拍動に伴う弁の開閉や血流の状態の変化によって発生する音で、弁の異常だけでなくいろいろな疾患のヒントになります。
しかし、実は医師の経験や専門分野によって、得られる情報の客観性や信頼性の程度には大きなばらつきがあります。聴診音の研究は、現在もさまざまな研究機関や企業が先端技術を用いて進めていますが、多額の費用がかかってしまうためさまざまな診療への応用は簡単ではありません。
そこで私たちは、市販の安価なデジタル聴診デバイスを用いることで研究の場を広げ、多くの参加者と共に心音判定システムの構築を目指すため、医工連携研究チーム「ラピエサージュ」を結成しました。
心音判定システムを構築するためには、異常を見つけるための基準となる正常な心音「標準心音」の特徴的な波形を見つけ出し、指標を策定する必要があります。
まずは10~20人の健常成人心音を録音して基礎的な検討を行い、音声ファイルを次元変換、波形分析し、統計解析を行います。既存の手法での処理を行なったうえで、本研究の技術開発の根幹となる適切な解析方法を導き出します。その後、さらに多くの集団で測定し、標準心音を策定する予定です。
私たちが使用するデジタル聴診デバイスは、本チームの道海が開発に関わり、すでに市販されています。通常のボイスレコーダーと聴診器がベースとなっているため、誰でも簡単に操作が可能です。そのため、さまざまな研究者や被験者に参加してもらい、より多くの心音データを収集できると考えています。
標準心音策定後は、既存の録音された異常心音との比較や、心臓以外の疾患も含めたさまざまな病気の方の心音の測定を行い、心音判定システムの構築へつなげていきます。
また並行して、聴診した心音が本研究で考案した指標で電子カルテに記載されるようにしたいと思っています。それにより、将来的には今まで関係がわかっていなかった疾患や体調の変化も聴診からわかるようになるかもしれません。
医師や研究者は、その専門分野にずっと興味をもって取り組んでいます。その分野の常識や定説が体に染み付いていることは、ある意味、フィルターです。まったく違った分野の人たちがふと気付くことがあると思います。私自身も聴診器は使いますが、心音は専門家ではありません。今回クラウドファンディングに挑戦したのは、広くさまざまな分野の方々にも興味をもっていただき、また本当の専門家の方にはご批判もいただけるように研究を公開したいと思ったからです。新しい人々と新しい研究組織に発展することも科学では重要なことと考えています。
今回いただいた支援金は、主に研究に参加していただける方にお配りするデジタル聴診デバイスの購入、理系エンジニアによる解析に使用します。最も基本的な聴診をより客観的な臨床検査にするため、応援よろしくお願いいたします。
■ 「ラピエサージュ」メンバー
- 道海秀則(こどもクリニックどうかい院長、小児科医師、産業医)
私は子供のころに小児喘息で苦しみ、小児科医に助けられました。そのころから「自分も病気の子供たちを助けたい」と思うようになり、小児科医になりました。長らく子供たちの診療をしていましたが、「聴診器で耳が痛くなる」という悩みを解決するためにデジタル聴診デバイスの開発に携わることとなり、このデバイスが完成しました。聴診音のデジタル化ができるようになり、今後聴診音の研究が広がることを期待しています。まず私たちは心音に注目し「標準的な心音」とは何か、を定義したいと考えております。標準がわかれば逸脱した心音を判定できるようになり、聴診音診断、聴診音学習の発展に寄与できると考えております。
- 松田晋一(東海大学医学部講師、小児科医師、小児循環器学)
- 藤井亮(株式会社Reseablic代表取締役、エンジニア)
- 猪股弘明(PHAZOR合同会社代表、精神保健指定医、エンジニア)
***
ご寄附いただいた皆様へ、確定申告により税制上の優遇措置が適用される領収書を東海大学より発行致します。
なお、領収書の日付は、お申込み受付日やカード決済口座からの振替日ではなく、アカデミスト株式会社より東海大学に入金された日付となります。
【法人・団体様からのご寄附】
・全額損金算入が可能です。(法人税法第37条第3項第2号)
【個人様からのご寄附】
・所得税…寄附金額(総所得金額の40%を上限とする)から2,000円を差し引いた額を、当該年の課税所得から控除することができます。
・個人住民税…東海大学を寄付金控除の対象法人として条例で指定している都道府県・市区町村にお住いの方は、個人住民税の控除を受けることができます。
***
Date | Plans |
---|---|
2022年5月 | クラウドファンディング後の研究開始 |
2022年8月 | 基礎的解析による標準心音(案)策定 |
2023年1月 | 標準心音(案)策定 |
2023年4月 | 標準心音公開 |
メールでお礼のメッセージをお送りします。
お礼メッセージ / 寄付金領収書
2 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)
academist Journalに寄稿する研究報告レポートにお名前を掲載します。
研究報告レポートにお名前掲載 / お礼メッセージ / 寄付金領収書
11 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)
できあがった標準心音のファイルを差し上げます。また、オンラインサイエンスカフェでは健康や医療に関する簡単な講義を行います。
標準心音ファイル / オンラインサイエンスカフェ / 研究報告レポートにお名前掲載 / お礼メッセージ / 寄付金領収書
30 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)
今回の研究が論文化した際に謝辞を掲載いたします。
論文謝辞にお名前掲載 / 標準心音ファイル / オンラインサイエンスカフェ / 研究報告レポートにお名前掲載 / お礼メッセージ / 寄付金領収書
9 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)
今回の研究や医療、医学で疑問に思っていることやご提案など、個別ディスカッションでお答えします。
個別ディスカッション / 論文謝辞にお名前掲載 / 標準心音ファイル / オンラインサイエンスカフェ / 研究報告レポートにお名前掲載 / お礼メッセージ / 寄付金領収書
8 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)
東海大学ホームページにあなたのお名前を掲載いたします。
大学HPにお名前掲載 / 個別ディスカッション / 論文謝辞にお名前掲載 / 標準心音ファイル / オンラインサイエンスカフェ / 研究報告レポートにお名前掲載 / お礼メッセージ / 寄付金領収書
6 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)
大学HPにお名前掲載 / 個別ディスカッション / 論文謝辞にお名前掲載 / 標準心音ファイル / オンラインサイエンスカフェ / 研究報告レポートにお名前掲載 / お礼メッセージ / 寄付金領収書
1 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)
SSL encryption communication is used in this Web site, and the informations filled out are safely transmitted.
お礼メッセージ、寄付金領収書 and others
2
supporters
back
(No quantity limit)
研究報告レポートにお名前掲載、寄付金領収書 and others
11
supporters
back
(No quantity limit)
標準心音ファイル、オンラインサイエンスカフェ、寄付金領収書 and others
30
supporters
back
(No quantity limit)
論文謝辞にお名前掲載、寄付金領収書 and others
9
supporters
back
(No quantity limit)
個別ディスカッション、寄付金領収書 and others
8
supporters
back
(No quantity limit)
大学HPにお名前掲載、寄付金領収書 and others
6
supporters
back
(No quantity limit)
大学HPにお名前掲載、寄付金領収書 and others
1
supporters
back
(No quantity limit)