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NEXT GOAL
SUCCESS
花田朋美
Pledged: 801,000 JPY
Target Amount: 500,000 JPY
NEXT GOAL: 800,000 JPY
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Reached the funding target!

実施期間終了&NEXT GOAL達成報告
2月17日17時でクラウドファンディングの実施期間が終了いたしました。皆様のご支援により、NEXT GOALを含めた目標金額を達成することができました。心から感謝申し上げます。
実施期間が終了し、ホッといたしましたが、その分責任とプレッシャーを感じております。
SNSがあまり得意ではなく、途中忙しさに負けて投稿できないなど、反省すべき点も多々ありましたが、この挑戦によって学んだこともありました。また、いろいろな方々のお心遣いに感激し、わが身を振り返ることもありました。これからが成果報告に向けてのスタートになりますので、更に頑張らねば…と思っております。丁寧な仕事を心掛けて、進めて参ります。引き続き、応援よろしくお願いいたします。

Comment from academist staff
混合溶媒法で生分解を促進させ、マイクロプラスチック問題解決に挑む

Maiko Abe

ファストファッションの浸透により、衣類は手の届きやすい価格で購入できるようになりました。しかしその一方で、環境汚染などさまざまな問題を引き起こしています。被服材料学が専門の花田さんは、従来の石油由来の合成繊維の代替として生分解性ポリ乳酸繊維に着目し、研究を行っています。衣服の環境問題解決のためには、私たち消費者の意識改革が必要です。繊維を加工することで環境負荷低減を目指す研究に、応援よろしくお願いします。

衣服の環境負荷低減につながる「ポリ乳酸繊維」の可能性と課題

ファッション産業は、生産・流通・消費・廃棄の各段階において環境負荷に関する多くの問題を抱え、石油産業に次いで2番目に環境負荷が大きい産業であるといわれています。

衣服の材料として使用されている合成繊維は、化石資源である石油を原料に作られています。製造から廃棄までの二酸化炭素排出量が多く、また、自然界での生分解が難しい繊維です。さらに、洗濯により衣服からたくさんの微細な繊維が抜け落ち、合繊繊維のマイクロファイバーが洗濯排水と共に放出され、河川から海へ至り、マイクロプラスチックによる海洋汚染の一因になっていると指摘されています。

そこで私たちは、衣服の環境負荷低減のために、生分解性ポリ乳酸繊維がポリエステルなどの汎用合成繊維の代替素材として活用できるのではないかと考えています。ポリ乳酸繊維は、植物由来のでんぷんから作られる合成繊維で、通常の環境下では長期間の使用が可能ですが、コンポストや土の中では微生物によって最終的に水と二酸化炭素に生分解される繊維です。原料となる植物の育成中に大気中の二酸化炭素を吸収するため、トータルの二酸化炭素排出量は他の合成繊維に比べて少ないことから、カーボンニュートラルな素材で、持続可能な環境配慮型繊維として注目されています。

しかし、ポリ乳酸繊維は海洋では分解しづらく、マイクロプラスチックによる海洋汚染の問題は残ります。

ポリ乳酸繊維の生分解を促進する「混合溶媒法」

私たちは、繊維を溶かす良溶媒と溶かさない貧溶媒の混合溶液を用いて布帛を収縮させる「混合溶媒法」を発案し、機能性やデザイン性を付与する研究を行っています。混合溶媒法による収縮は、良/貧溶媒混合溶液により繊維の分子鎖配列が乱れることによって生じると考えています。

ポリ乳酸繊維布においては、収縮による生分解性への影響を検討するため、複数の良溶媒と1種の貧溶媒を用いて収縮加工を施した試料を家庭用生ごみ処理機で処理し、1週間経過ごとに取り出して、強度と重量の測定を行いました。ポリ乳酸繊維の生分解は、第一段階では加水分解が進行して強度が低下し、第二段階では微生物分解が進行して重量減少が生じます。実験の結果、収縮加工布は、未収縮布に比べて、強度低下、重量減少ともに顕著な結果となり、混合溶媒法による収縮加工により初期生分解性が促進されることが明らかとなりました。さらに、強度低下と重量減少の処理時間変化は、良溶媒の種類により異なることもわかりました。

ポリ乳酸繊維の分解は数年をかけて緩やかに進行しますが、混合溶媒法による収縮加工を施すことにより初期生分解性が促進されるため、環境中に放出された後、海に至るまでのあいだに生分解が進行し、海洋汚染の因子を軽減することが期待できると考えられます。

また、混合溶媒法による収縮率の増大に伴い、染着量が増加することも明らかになりました。つまり、収縮加工を施すことにより、染料使用量を削減することができ、染色工程での環境負荷低減にもつながることが期待できます。

衣料用への実用化に向けて基礎研究とPR活動を進める

今後は繊維や良/貧溶媒の種類を変えて収縮実験を行い、混合溶媒法の収縮機構を明らかにしたいと考えています。またポリ乳酸繊維の衣料用への展開の実用化に向け、生分解性や染色性のコントロールができるようさらに実験を進める予定です。

混合溶媒法は、テキスタイルを製造する工程で活用できる加工法で、糸、布帛のいずれにも適用できます。たとえば、布帛への染色技法を応用して、1枚の布帛に収縮部と未収縮部を混在させ、凹凸感や色の濃淡を併せ持つテキスタイル制作が可能です。また収縮率を段階的に変化させたグラデーション収縮や染料の混色により、一浴染色にもかかわらず色相が変化するなど、多様なデザイン性の付与も期待できるのです。

基礎研究と並行して、実験結果を応用したテキスタイルアート作品や衣服を制作して国内外の展覧会に出展し、衣料用としてのポリ乳酸繊維の活用を広めていきたいと考えています。さらに子ども対象のポリ乳酸繊維布を使用したものづくり体験教室も開催しています。生活のなかの身近な繊維材料を考える環境教育やSDGs教育も衣料用への実用化には大切な一歩だと考えています。

Why we need your support

今回いただいた支援金は、試料布や試薬の購入など基礎研究の経費として活用したいと考えています。

衣服の環境負荷低減のためには、企業と消費者、双方の意識変革が必要となります。ポリ乳酸繊維は現在、衣料用の繊維材料としての普及には至っていないのが現状です。私たちの基礎研究の結果とそれに裏付けされたテキスタイル作品の両方を広く公開することにより、さまざまな立場の方にポリ乳酸繊維に関心を持っていただき、衣服の環境負荷低減の一翼を担える繊維材料として多くの方に知っていただくことが重要であると考えています。

共同研究者
安藤 穣 (東京家政学院大学名誉教授)

***
ご寄附いただいた皆様へ、確定申告により税制上の優遇措置が適用される領収書を東京家政学院大学より発行致します。

なお、領収書の日付は、お申込み受付日やカード決済口座からの振替日ではなく、アカデミスト株式会社より東京家政学院大学に入金された日付となります。

このことから、領収書の日付は2022年1月以降となるため、2023年実施の確定申告で適用されることについてご留意ください。

【法人・団体様からのご寄附】
・損金算入が可能です。(法人税法第37条第3項第2号)

【個人様からのご寄附】
・所得税…寄附金額(総所得金額の40%を上限とする)から2,000円を差し引いた額を、当該年の課税所得から控除することができます。
・個人住民税…東京家政学院大学を寄付金控除の対象法人として条例で指定している都道府県・市区町村(東京都・町田市)にお住いの方は、個人住民税の控除を受けることができます。
***

Profile

花田朋美

専門は被服材料学です。研究室で仕事を始めた当初は、指導教員の下、高分子ブレンドの研究をしていました。2成分、3成分のポリマーを混合したフィルムを試料として、分子鎖がどうなっているのかについて実験をしていました。数年が経った頃、布を取り扱う研究がしたいと考え、夜間のテキスタイルデザイン専門学校に通学しました。自分で繊維に撚りをかけ強撚糸を作り、織物を織って収縮させる授業がありました。自作の強撚糸織物をお湯に入れると、布がまるで生き物のようにクルクルと回りながら縮んでいき、面白い!!と感激しました。これが、布の収縮の研究を始めたきっかけです。その後、混合溶媒法の研究に取り掛かり、大学院の博士課程に進んだ後、現在の研究に至っています。少しずつ研究が進むと、そのメカニズムを知りたくなります。布は繊維の集合体ですので、収縮のメカニズム解明のためには、研究室で仕事を始めた頃のようにポリマーの分子鎖がどうなっているのか考える必要があります。私の研究が環境負荷低減に向けて、少しでも社会の役に立てると嬉しく思います。

Project timeline

Date Plans
2022年1月 実験開始
2022年2月 作品展示(東京)
2022年5・6月 国内学会発表
2022年8月 作品展示(ロンドン)
2022年11月 国内学会発表
2023年3月 論文投稿

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オンラインサイエンスカフェにご招待いたします。今回のプロジェクトについてお話しします。

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学会発表の謝辞にお名前を掲載いたします。

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今回の研究が論文化したときに謝辞を掲載いたします。

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