皆様の応援のおかげで目標金額の50万円に到達いたしました!公開から2週間ほどで目標を達成し、挑戦者共々、反響に驚いています。ご支援してくださった皆様、興味を持って情報を拡散してくださった皆様、本当にありがとうございます。次は私たちが、研究の成果や島嶼に生きる生物の魅力を皆さんに伝え、この期待に応えられるよう、日々精進していきます。今回のご支援で4つの島(大島、新島、神津島、三宅島)と伊豆半島への渡航費、センサーカメラ10台、糞DNAを抽出するキット5セットを購入することが出来ます。
挑戦終了までは約1か月間の時間があります。そこでセカンドゴールで80万円を目指すことにしました。このセカンドゴールでは、捕食者の糞中に残存する餌生物のDNAを分子的手法を用いて処理(ライブラリ調整)するための試薬代、およびその処理したDNA配列を次世代シーケンサー(DNA配列を高速かつ大量に解読する機械)によって解読するための費用にしたいと思います。これにより、捕食者が何を捕食しているのかを島ごとに明らかにすることが出来ます。
今回ご支援を頂いた52名もの方のおかげで目標金額を達成することが出来ました。応援のコメントやSNSの反応すべて見させていただいています。お金以上の力があり、とても励みになります。セカンドゴールに向けてラストスパート頑張りたいと思っております。今後ともご支援や拡散していただけると幸いです。
自然科学の発展に大きく貢献したチャールズ・ダーウィンは、18世紀に自然選択説を提唱しました。この説は自然環境が進化の方向性を決めるというもので、現在でも生物の進化を説明するうえで根幹をなすものです。ダーウィンがこのような世紀の大発見をすることができた理由のひとつは、南アメリカ大陸から1000km離れた場所に浮かぶガラパゴス諸島で、大陸とは異なるさまざまな島固有の生物を観察できたからです。
ガラパゴス諸島のように火山活動や隆起によって形成された海洋島は、過去に大陸とつながっておらず、大陸から海を渡って移入してきた数少ない生物のあいだで捕食-被食や共生といった種間関係が生じます。その結果、どのように生物が関係し進化してきたのかが単純化され、絶好の進化研究の環境を提供してくれます。このような研究は「島嶼生態学」といわれ、これまで自然科学、特に生態学や進化学の分野で重要な知見をもたらしてきました。
しかし、これまでは1対1のもっとも単純化した種間関係での研究に重点が置かれていたため、複雑な物理環境や生物環境のうえで成り立っている進化の駆動原理についてはまだ明らかにされていません。
私たちは、生態系を構成するさまざまな生物の相互作用がどのように進化や種分化を駆動しているのか、その法則を明らかにしたいと考えています。そのためには、長期間にわたり同じ場所で複数の種を調査することが必要となります。
日本には約6800個の島が存在し、海洋島である沖縄群島、奄美群島、伊豆諸島や世界遺産の小笠原諸島は、「東洋のガラパゴス」と呼ばれています。
なかでも伊豆諸島は、今から約100万年前に火山活動で太平洋上に形作られ、西暦886年には伊豆諸島を構成する島のひとつである新島の南部が新たに形成されるなど未だ噴火活動が絶えない場所です。比較的若い島々で構成されているため生態系の構造はシンプルであり、単純化された種間関係を研究するのに類まれな環境であるといえます。さらに、島ごとに形成された年代が異なるため、島間でさまざまな段階の生物進化を調べることもできます。
このような稀有な環境が本土から近い場所に位置していることは世界的にみても珍しく、伊豆諸島は研究者が長期的な研究を継続するにはうってつけの環境といえます。
伊豆諸島には、アカネズミ類(オオシマアカネズミとミヤケアカネズミ)やオカダトカゲ、シモダマイマイ、シマホタルブクロをはじめ、固有の生物が多く生息しています。一方で、シマヘビやヤブツバキといった本土との共通種も生息していますが、それらも島嶼部では特殊な形態や生態を持つことが知られています。
私たち3人は学部生時に伊豆諸島を訪れ、これら生物の生態や種間の関係性、島々の地史そのものに魅了されました。そして、伊豆諸島で長期間研究することで、生物がどのように進化し、多様化するのか、その理由を明らかにできると確信しました。
捕食者から見つからないように葉のように擬態するコノハムシ、自身がまずいということを伝えるため奇抜な色になったヤドクガエルなど、生物の形態変化(進化)を考えるうえで、捕食-被食による影響は非常に大きいです。そこで私たちは、伊豆諸島の捕食-被食関係を網羅的に調べ、それぞれにどのような形態変化が生じているのか明らかにすることで、生物の進化の謎に迫ろうと考えています。
この出発点として、伊豆諸島(大島、新島、神津島、三宅島)と伊豆半島で調査をおこないます。これらの島々は今の形が形成された時期が異なり、形態進化が生じてからの経過時間が異なります。そのため、生物の形態は伊豆半島と比較し、若い島で変化が小さく、古くなるほど変化が大きくなると予想されます。そして捕食者の違いや、移入時期が違うなどといった島ごとの生物相の違いによって、被食者や捕食者に異なる形態変化が生じていると考えられます。
研究ではまず、上位捕食者である鳥類と哺乳類がどのような餌生物を食べているのかを明らかにします。初年度はセンサーカメラを用いたカメラトラップやラインセンサスという手法を用いて、各捕食者の個体数と密度を推定します。さらに野外で鳥類と哺乳類の糞を収集し、糞のなかに残存する被食者のDNAを分子実験的手法(DNAメタバーコーディング)によって解析し、伊豆諸島の主要な捕食者と食べられた生物を特定します。
2年目以降は、明らかにされた捕食–被食関係から、捕食者と被食者の形態や遺伝的な関係を場所ごとに比較することで、形や色などの特徴的な形態の変化がどのように変遷していくのか明らかにしていこうと考えています。
伊豆諸島の島々が近くにあるとはいえ、これらの調査をおこなうには、渡航費と宿泊費が多く掛かります。また、限られた調査のなかで最大限の情報を得るためには、1個体ずつ生物を捕まえるより、センサーカメラを使ったトラップや糞の中のDNAを解析することが有効となります。この方法は、野生生物にとっても影響が小さいです。そのため、クラウドファンディングでご支援いただいた研究費は、伊豆諸島への渡航費と調査用の機材の購入に使わせていただきたいと考えています。
私たちは学部生のときに同じ研究室に所属し、現在は日本学術支援機構の特別研究員として、それぞれが幅広い生物を対象種とし、野外調査はもちろん、行動実験、遺伝解析、数理モデルを駆使して日々研究をおこなっています。しかし、私たちのような若手研究者の就職先の多くには任期があり、複数人で1か所を長期的に調査することは困難です。そのため博士課程中に伊豆諸島で研究するための資金を調達し、長期研究をおこなうための足掛かりになればと考えています。そして将来的には、伊豆諸島を世界的な島嶼生態学の拠点としていきたいです。
また、私たちの研究を多くの方に発信することで、生きものが大好きな子どもたちに、いつかそれを仕事にすることができるという、ひとつの生き方を示せればと思っています。
時期 | 計画 |
---|---|
2021年10月 | 調査開始、センサーカメラ設置 |
2022年4月 | 研究調査開始 |
2023年3月 | 国内学会発表 |
2023年12月 | 論文の投稿 |
2026年12月 | 論文の投稿 |
今年度の調査研究結果をまとめた報告書をメールでお送りします。また、報告書には皆さまのお名前を掲載いたします。
研究報告書(PDF)、研究報告書に謝辞掲載
18人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
今年度の調査対象種の画像をお送りいたします。
調査対象種の画像 / 研究報告書(PDF)、研究報告書に謝辞掲載
17人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
学会発表に向け作成する詳細な研究報告ポスターをメールでお送りいたします。
研究報告詳細版ポスター(PDF) / 調査対象種の画像 / 研究報告書(PDF)、研究報告書に謝辞掲載
22人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
今年度設置するセンサーカメラの映像です。普段は見ることができない生物の様子をご覧いただけるかもしれません。
センサーカメラの映像 / 研究報告詳細版ポスター(PDF) / 調査対象種の画像 / 研究報告書(PDF)、研究報告書に謝辞掲載
21人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
Zoomを利用したサイエンスカフェにご招待いたします。伊豆諸島の生物や、今回の研究の魅力について語ります。
オンラインサイエンスカフェ参加権 / センサーカメラの映像 / 研究報告詳細版ポスター(PDF) / 調査対象種の画像 / 研究報告書(PDF)、研究報告書に謝辞掲載
4人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
教員経験もある福田がメインとなり、島嶼生態学に関するオンライン授業をおこないます。
オンライン授業参加権 / オンラインサイエンスカフェ参加権 / センサーカメラの映像 / 研究報告詳細版ポスター(PDF) / 調査対象種の画像 / 研究報告書(PDF)、研究報告書に謝辞掲載
1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
伊豆諸島(新島を予定)を、あなただけにご案内します。リアルタイムで伊豆諸島固有の生物に会えるかも?(COVID-19の状況次第で、現地でのツアーも検討いたします。※その場合、交通費・宿泊費はご負担ください。)
個別オンライン伊豆諸島ツアー / オンライン授業参加権 / オンラインサイエンスカフェ参加権 / センサーカメラの映像 / 研究報告詳細版ポスター(PDF) / 調査対象種の画像 / 研究報告書(PDF)、研究報告書に謝辞掲載
1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。
研究報告書(PDF)、研究報告書に謝辞掲載
18
人
が支援しています。
(数量制限なし)
調査対象種の画像 他
17
人
が支援しています。
(数量制限なし)
研究報告詳細版ポスター(PDF) 他
22
人
が支援しています。
(数量制限なし)
センサーカメラの映像 他
21
人
が支援しています。
(数量制限なし)
オンラインサイエンスカフェ参加権 他
4
人
が支援しています。
(数量制限なし)
オンライン授業参加権 他
1
人
が支援しています。
(数量制限なし)
個別オンライン伊豆諸島ツアー 他
1
人
が支援しています。
(数量制限なし)