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和佐野浩一郎
国立病院機構東京医療センター、室長
Pledged: 3,166,000 JPY
Target Amount: 3,000,000 JPY
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多くの方のご支援により、募集期間の半分弱が経過した本日(6/28)をもちまして目標額を達成することができました。ご支援、ご拡散頂きました皆さま、本当にありがとうございます。
これまでに頂いたコメントを拝読致しますと、過去に顔面神経麻痺に罹患した方々に多数ご支援頂いていることがわかり、しっかりした治療法を確立するように励ましを頂いていることを感じるとともに大きな勇気を頂きました。
まず主目標と致しまして「治療法の確立」を掲げておりましたが、募集期間後半のセカンドゴールとして下記のような「原因ウィルスの早期診断法の確立」を目指して活動を継続して参りたいと思います。
顔面神経麻痺の原因は単純ヘルペスウィルス、もしくは水痘帯状疱疹ウィルスが大部分を占めるとされております。いずれのウィルスに対しても抗ヘルペスウィルス剤が用いられますが、投与すべき用量が異なっていたり、片方にしか使えない薬剤があったりと、早期に原因ウィルスが判明すればその結果にあった薬剤を適切に用いることが可能です。
しかし現在の血液検査を用いた診断法では、初診時と発症1か月後の抗体量を比較することでようやく原因ウィルスが診断可能です。これでは最初の治療の際に用いる薬剤の選択には役立てることができないため、初診からできるだけ早期に診断可能な方法が必要であると考えられてきました。
そこでセカンドゴールでは新型コロナウィルスの診断でも広く知られるようになった『PCR法』を用いて、麻痺の原因となるウィルスDNAが唾液中に含まれているかどうかを発症早期に診断する方法の確立に挑みます。
すでに基礎的な検討により唾液から原因ウィルスDNAが検出可能であることは確認済みであり、本臨床研究に参加頂く患者様からの唾液採取を行うことで診断法の精度などを大きな規模で解明することができると考えております。
必要なコストといたしましては、1名につき
 唾液の採取・保存キット(4500円)
 DNA抽出とPCRの試薬(3000円)
  ×本年度の組み入れ目標200名
として150万円を、これまでの目標額300万円に上積みし合計450万円をめざしたいと思います。
治療法に加えて診断法を確立することができれば顔面神経麻痺診療の底上げに確実につながると思います。
もしセカンドゴールの目標を超えた場合も、さらに来年度の研究続行に役立てることができますので、できるだけ多くの方からのご支援をお願いしたいと考えております。
引き続きご支援、ご拡散へのご協力をよろしくお願い致します。

Comment from academist staff
日本の「ガラパゴス治療」を世界へ

Makoto Ebis

臨床医が目の前の患者さんの症状を何とかよくしようと工夫した結果、これまで標準治療とされていた薬の使い方よりもさらに治療効果の高い使い方が見つかることがあります。そのような場合、その「新しい使い方」について臨床試験を行い、その有効性や安全性が本物かどうか見極める必要があります。 和佐野さんは、顔面神経麻痺のステロイド治療について、欧米各国の標準治療と日本の治療方法が違うことに着目し、日本で経験的に行われてきた治療の有用性を証明しようとしています。日本発の治療体系を世界標準にできる可能性も秘めたこのチャレンジ、ぜひ応援ください!

人生を大きく変えてしまう病気

顔面神経麻痺とは突然左右半分の表情筋が麻痺してしまう病気です。日本国内では1年に2万5000人から3万5000人程度の患者が発生する身近な疾患であるといえます。過去に感染し体内に潜んでいた水ぼうそうや口唇ヘルペスの原因ウィルスが急に活性化して、顔面神経に炎症を起こすことによっておこると考えられています。

適切な治療によって8割から9割の方が治癒に至りますが、逆に1割から2割の方は治癒まで至らず麻痺の残存やけいれんなどの異常な運動といった後遺症が残ってしまいます。残念なことに後遺症が残存していてしまった患者さんのなかには、人前に出ることを避けるようになってしまったり、これまで続けてきた仕事をかえざるを得なくなったりした方もいらっしゃいました。

治療は神経の炎症を抑えるためのステロイドホルモン剤の内服や点滴によって行われますが、「どのくらいの量を使うことが最も効果が高いのか」という明確な基準がないため医師の裁量に任されており、場合によっては不十分な量で治療が行われていることもあります。

ステロイド治療の世界標準

目の前の患者さんの治療法を決定する際、私たち臨床医は『診療ガイドライン』を参考にしています。これは、ある疾患に対してどのように治療を行うべきかということについて、さまざまな臨床試験の結果に基づいて定めたものです。

臨床試験の科学的な重要性(=エビデンスレベルと呼ばれます)はその研究デザインによって決まります。後ろ向き観察研究と呼ばれる「この薬を使った患者さんの症状をさかのぼって調べてみたらこのように推移していた」という報告は重要性が低く、ランダム化比較研究と呼ばれる「対象となる患者さんに対して治療Aと治療Bをランダムに割り付けした結果、この程度の差があった」という報告が最も重要性の高いものと評価されます。これは、ランダム化比較研究では、患者さんを異なる治療にランダムに割り付けることで、治療効果の評価に影響するさまざまな誤差(バイアス)を取り除き、結果について誤った解釈をしてしまう可能性をできるだけ低くすることができるからです。

顔面神経麻痺に対するステロイド治療に関するランダム化比較研究では、ステロイド(プレドニゾロン)50mgもしくは60mgで治療を開始した場合、投与しない場合よりも明らかに治癒率が高かったことが報告されています。そこで、欧米諸国の顔面神経麻痺診療ガイドラインではステロイド(プレドニゾロン)50mgもしくは60mgで治療を開始することが推奨されています。

日本では高用量治療も

ところが、後ろ向き観察研究ではステロイド(プレドニゾロン)120mgもしくは200mgといった高用量の治療によって、60mgによる治療よりも治療効果が高かったという結果が報告されています。小規模のランダム化比較研究では高用量の効果は認められなかったという結果の報告もありますが、症例数が少ないために効果の差が認められなかった可能性もあり、結論は出ていません。

日本国内で顔面神経麻痺診療のガイドラインは現在までに定められておりませんが、『診療の手引』がその代替として用いられています。そのなかではステロイド(プレドニゾロン)60mgを治療開始量とするものの、120mgから200mgといった高用量の治療も場合によって認められており、世界標準とは離れた「ガラパゴス」状態であると言えます。しっかりしたエビデンスに基づかずに薬剤の投与量を増やすことは副作用の頻度を増やすことにつながりますので、有効性が安全性を上回ることを示すことが重要です。

そこで、世界的標準量であるステロイド(プレドニゾロン)60mgと、高用量である120mgの治療効果と副作用を詳細に検討するため、同様のビジョンを持った多くの医師が集まり、本研究を立ち上げました。この研究では、顔面神経麻痺の患者さんに同意を得たうえで60mgと120mgのどちらかの治療にランダムに割り付け、それぞれの用量の治癒率や副作用を評価します。研究デザインはランダム化比較研究であり、世界に通用する高いエビデンスレベルを満たしています。

診療ガイドラインは新しい研究結果を取り入れて定期的に更新されます。したがって、本研究の結果は日本国内のみならず世界中の診療ガイドラインへ影響を与えることが期待されます。日本発の研究結果が世界中の診療へ影響を与える可能性があるのです。

Why we need your support

国立病院機構より研究費助成を受けて2020年3月から全国の大学病院や国立病院機構の病院など16病院が参加して本研究を開始しました。新型コロナによる大変な状況のなかですが、すでに140名を超える患者さんに参加していただきました。

本研究では、高いエビデンスレベルを実現するために、3年間で500名を超える患者さんに参加していただくことを目標としており、本年度は150〜200名の患者さんに参加していただくことを目指すために、今春より参加施設は下記の19病院に増えます。

しかし国立病院機構外の医療機関が多くなることから、国立病院機構からの助成が継続されないことが決まってしまいました。現在の研究費助成の枠組みでは、すでに開始した臨床試験に対して新たな研究資金の獲得は非常に困難で、臨床試験の続行が危機的な状況にあります。

顔面神経麻痺は生命に関わる病気ではありませんが、患者さんの人生を変えてしまう可能性のある病気です。よりよい治療法を日本国内さらには世界中に広げるためにも、また、これまでに参加いただいている患者さんのご意思を尊重するためにも、本研究を続行するという固い決意にもとで今回のチャレンジに挑むことにしました。

目標金額である300万円を達成することにより本年度の研究続行が可能となります。皆さまのご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

***
6月28日、多くの方のご支援により目標額を達成することができました。ご支援、ご拡散いただきました皆さま、本当にありがとうございます。

残りの期間で「原因ウイルスの早期診断法の確立」を目指して、セカンドゴールを設定いたします。詳細は「進捗報告」をご覧ください。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

(追記:2021年6月28日)
***

【研究参加施設】
北海道:国立病院機構北海道医療センター
石川県:国立病院機構金沢医療センター
栃木県:国立病院機構栃木医療センター、済生会宇都宮病院、佐野厚生総合病院
東京都:国立病院機構東京医療センター、慶應義塾大学病院、杏林大学医学部付属病院、日野市立病院、国家公務員共済組合連合会立川病院
神奈川県:国立病院機構相模原病院、川崎市立川崎病院、済生会横浜市東部病院、けいゆう病院、平塚市民病院
静岡県:静岡赤十字病院
奈良県:奈良県立医科大学附属病院、奈良県総合医療センター
広島県:国立病院機構福山医療センター

今回の研究は厚生労働省が管轄する認定臨床研究審査委員会の承認を得て行われており、下記の公的データベースで詳細を公開しています。
https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT1031190235

***
ご寄附いただいた皆様へ、確定申告により税制上の優遇措置が適用される領収書を国立病院機構東京医療センターより発行致します。

なお、領収書の日付は、お申込み受付日やカード決済口座からの振替日ではなく、アカデミスト株式会社より国立病院機構東京医療センターに入金された日付となります。

【法人・団体様からのご寄附】
・全額損金算入が可能です。(法人税法第37条第3項第2号)

【個人様からのご寄附】
・所得税…寄附金額(総所得金額の40%を上限とする)から2,000円を差し引いた額を、当該年の課税所得から控除することができます。
・個人住民税…国立病院機構東京医療センターを寄付金控除の対象法人として条例で指定している都道府県・市区町村にお住いの方は、個人住民税の控除を受けることができます。
***

Profile

和佐野浩一郎

「突然顔の半分が動かなくなって困っている患者さんの役に立ちたい」という思いは、これまでに出会ったたくさんの患者さんから悩みを伺うことで強くなってきました。他院で治療され残念ながら後遺症が残存しているにもかかわらず「今後の治療はありません」と言われて私のところにご相談にいらっしゃる方も少なくありません。私は2003年に慶應義塾大学医学部を卒業し、耳鼻咽喉科の臨床医として働き始めました。慶応義塾大学病院や済生会宇都宮病院、静岡赤十字病院、那須赤十字病院で勤務した後、2016年から米国ノースウェスタン大学へ留学し博士研究員として遺伝子関連の研究に従事しました。2018年に帰国してからは東京医療センターで臨床医として勤務するとともに顔面神経麻痺や難聴に関する基礎研究や臨床研究に従事しています。顔面神経麻痺に関しては、本研究であつかっている治療法の開発の他に、人工知能(AI)を用いた診断ソフトの開発や、留学中に習得した遺伝子解析技術を用いて原因ウィルスの迅速診断法の開発、さらに治癒に至らず後遺症が残存した際の救済治療の開発に取り組んでいます。

Project timeline

Date Plans
2020年3月より 研究続行中
2021~2022年度 できるだけ多くの患者さんに研究参加頂く
  • 研究途中で公開可能な内容について日本顔面神経学会、日本耳鼻咽喉科学会、日本耳科学会などの講演のなかで発表予定
2023年度 最終解析結果の発表(国際的学術誌への投稿・国内外の学会での講演)

Pledge Rewards

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3,000 JPY
Featured : 最終研究報告レポート(PDF)、寄付金受領証

研究の最終的な結果に関しては英語の論文になりますが、その内容を日本語でわかりやすくまとめたレポートを提供いたします。PDFファイルで送付させて頂きます。

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5,000 JPY
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最終研究報告レポートの中にお名前を掲載させて頂きます。(匿名、イニシャル、愛称での掲載も可です)

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Featured : オンラインサイエンスカフェ

今回の研究や疾患に関するミーティングの参加権です。皆さんと一緒に気軽にお話しする場を持てればと思います。

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50,000 JPY
Featured : 学会発表のプレゼンテーションの表紙背景

本研究の成果に関する学会発表のプレゼンテーションの表紙背景を分割し、ご希望の画像を掲載させて頂きます。サポーターのみなさまのお顔、ペットのお顔、イラストなどを考えております。

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100,000 JPY
Featured : オンライン講座受講・個別ディスカッション権

顔面神経麻痺に関する一般の方向けの講座をオンラインで開催し、その後個別にご質問やご相談をお受けします。ご自身以外のサポーターの方は同席されませんので、今回および今後の研究に関するご質問やご要望などに関して、自由にお話し頂ければと思います。ご自身やご家族、ご友人のお病気に関するご相談も可能であり、オンラインで診断および治療方針を決めるわけにはいきませんが、方針や受診に関するアドバイスは可能です。

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500,000 JPY
Featured : 論文謝辞にお名前掲載

今回の研究の最終的な結果を報告する学術論文の謝辞にお名前を掲載させて頂きます。

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1,000,000 JPY
Featured : 今回の臨床研究の愛称の命名権

臨床研究には○○studyといった愛称が設定されることが多いのですが、本研究ではまだ愛称が決定していません。その愛称を研究代表者と相談のうえで決定することのできる権利を提供します。(研究内容そのものを端的に表す名称が理想的で、個人名や不適切な名称は不可です。その他詳細に関してはお問い合わせください。)

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Securities

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